「鉄鼠の檻」(京極堂シリーズ第4弾）京極夏彦

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☆☆☆☆
京極堂シリーズ第4弾
今回のテーマは「鉄鼠」＝坊主　「檻」＝雪山の寺院です。
前回
書いたように今作も学問的なテーマが用意されています。鉄鼠という坊主の妖怪が冠されているだけあって禅宗が今回のそれです。今回の薀蓄は中々面白いですよ。
ちなみに「檻」の方は雪山と言う本格ミステリーの王道設定なわけですが、そこは京極夏彦、雪山の山荘
ではなく寺院が舞台になっているわけです。また単に物理的に出入りが難しいという表テーマに加え、心理的に抜け出すことの出来ない「檻」が登場キャラクター各々に与えられており、それがストーリーに深みとドラマを生み出しています。

今回は１作目の「姑獲鳥の夏」
で登場したあの人がキーパーソンの１人になっており、ストーリー間のつながりがドンドン深くなりだしていく契機となる作品でもあります。
出ることが出来ない深く高い檻。京極堂シリーズの中でもかなりの切迫感と息苦しさを感じさせられる作品です。

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