---えっ!チュウセキ低地?~防災と地名(その1)---
「地名」は、祖先からのメッセージです。
先日のブログで、具体的に防災を呼びかけた石碑について紹介しました。
これも祖先からのメッセージでした。
日本は、「災害大国」。だからこそ、古来、防災の研究。気候や天気の研究、治水や土木の研究が丁寧に行われてきました。
独自の風水なども犠牲を目の当たりにさらに根付いていったと考えます。
住居、首都、城、田畑、蔵、神社仏閣・・・大切な施設は、防災からも理にかなった場所に建てられています。
理にかなわない場所を選んだのは、むしろ近代、この100年かもしれません。どうしたことでしょう。
危険を避けたい本能が失われたのでしょうか。
そうではないとすると、本能を上回る、「なんとしてもその土地住居を売る」商業主義というか、利権というか・・・。
本能を上回る「何か」の影響があるのでしょうか。
それをシンプルに言うと「お金」≒「資本」とするならば、残念でなりません。被害を目の当たりにして、その悲しみが増すばかりです。
さて、「地名」そのものが、防災のメッセージとなっています。
「山」「川」「谷」など、地形そのものをストレートに表現したもの、「キリ(切)」「カケ(欠)」「ハガ(剥)」など災害など現象を地名としたものもあります。
「ここはそういうことがあったのですよ」とのメッセージです。
災害とは、台風、豪雨、津波、地震・・・。よく知るところです。火山活動も大小の災害をもたらします。有毒ガス噴出する窪地は、「〇〇地獄」。
二酸化炭素が充満し、鳥や虫の亡骸が・・・。
住まう場所には・・・。
湿地、崖地、窪地、山地、丘陵、低地、台地、沖積低地、谷底低地・・・埋立地。土地にもいろいろあります。「沖積(ちゅうせき)低地」よりも、義務教育で学習するのは「沖積平野」です。
「沖積平野」とは、川によって作られる平野、川の土砂が積もってできた平野です。その平野の低いところが「沖積低地」です。
「谷底低地」とは、台地の周辺部がジグサグに入り組んでいてその谷間のことです。
「沖積低地」と「谷底低地」は、地震の際に被害が大きくなる傾向があるとされています。
「埋立地」はそのままです。沼、池、川、海、干潟・・・自然を埋め立てました。
東京の湾岸部、「月島」「築地」「佃」。土地の成り立ちや特性を地名にこめたわかり易い例です。
「島を築(きづ)け」と造成されたのが「築島(つきしま)」。文字を変えて「月島」。
「土地を築け」、「築地(つきじ)」。「築田(つくだ)」は文字を変えて「佃(つくだ)」
先人(祖先)は土地の個性というか来歴を地名に残しました。残すべく名付けました。
東京の湾岸部のようにわかりやすいものもあれば、時代が流れわかりづらいものもあります。
さて防災上、考えておくべきことは、以下です。(すでに対策が講じられていて改善している土地はOKです。)
「湿地」や「窪地」は、地盤が軟弱かもしれません。
「崖地」は、崖が崩れるかもしれません。(地すべり、地崩れ)
「山地」「丘陵」も土地ごと地すべりするかもしれません。河川の位置によっては水害があるかもしれません。
道路が遮断されれば、集落が孤立することも考えれらます。
「沖積低地」「谷底低地」「埋立地」・・・。浸水、液状化・・・。防災に留意が必要です。
昨年の2011年東日本大震災で目の当たりにした津波は、低地を呑み込みました。
津波も災害のひとつとして、地名に影響を与えています。
どのような地名がそれに該当するのでしょうか。
文字、文言などを確認したいと思います。
(その2 へつづく)
防災と地名
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