最低限の道具でどこまでできるか | 悪態のプログラマ

悪態のプログラマ

とある職業プログラマの悪態を綴る。
入門書が書かないプログラミングのための知識、会社の研修が教えないシステム開発業界の裏話は、新人プログラマや、これからプログラマを目指す人たちへのメッセージでもある。

客先で、ちょっとしたプログラムを作らなければならないことがある。そういうときに困るのが、開発環境が貧弱なことだ。例えば、メモ帳とインタープリタしかないような状態を考えて欲しい。

最低限の道具は揃っているので、開発できないわけではない。困るのは、実装に必要なクラス名やメソッド名、あるいは引数の渡し方などが思い出せない時だ。

特に珍しいクラスだとか、難しい名前の関数を使いたいというわけでもない。例えば、あるクラスの「データ数」を取得するメソッドは、「Size」だったか、「Length」だったか、それとも「GetLength」だったか? そんなレベルの話だ。

実現方法は分かっているのに、すらすらと書けないというのはもどかしい。ちょうど、人の顔は浮かぶのに名前が浮かばないというときの感覚に似ているだろうか。


年齢のせいかと思ったりもするが、昔からそんなものだったような気もする。そもそも、私は子供の頃から記憶力がよい方ではないのだ。

普段の開発環境なら、キーを1つ押せば「ヘルプ」が表示される。メソッド名などは、エディタが自動的に選択肢を出して教えてくれる。PC は Web に繋がっているし、机上には技術書が置いてある。参考になるソースコードも沢山ころがっている。記憶力の悪い私がプログラマとしてなんとかやって来れたのは、こうした環境のおかげである。


今のプログラム言語には、大規模なライブラリやフレームワークが標準で付属している。その全てのクラスや関数を覚えることは不可能だろう。このような状況で、プログラマがリッチな開発環境に依存するのは、仕方がないことかもしれない。

しかし、心に止めておきたいのは、頭脳労働と思われているプログラマの仕事も、バランスよく頭を使っているわけではないということだ。思考力は使っても、記憶力はそれほど使わないのかもしれない。

テキストエディタだけでどこまでのプログラムが書けるか? 腕試しのつもりで、やってみるのも面白いかもしれない。

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