例えば、「文字列がブランクである」というだけでは、意味がはっきりしない。ブランクを「空っぽ」と考えれば「長さ0の状態("")」だが、「空白」と考えれば「半角スペースで埋まっている状態(" ")」かもしれない。場合によっては、スペースだけでなく、「タブ」も含める場合もあるだろう。
コンピュータ業界の言葉というと、厳密に定義されているように感じる人もいるかもしれない。しかし、実は意味が曖昧なものも多い。
もうひとつの例は、「シフトJIS」である。「シフトJIS」は文字コードの一種だ。この言葉が使われる場合、本来のシフトJIS(SJIS, Shift_JIS)ではなく、マイクロソフト独自のコードである「CP932, Windows-31J)」を意味することが多いのだ。SJIS と CP932 は微妙に違っており、間違えると一部の文字が文字化けする。「文字コードはシフトJISで」などと言われたら、注意したほうがよい。
曖昧な言葉が何の説明もなく使われると、当然、誤解が生じやすく、バグの原因ともなる。曖昧な言葉はなるべく使わないようにすべきだ。使う場合は、意味をきちんと定義したり、補足するようにしたいものだ。
もちろん、そのためには、それぞれの言葉をよく理解することが必要である。
プログラマという仕事をしていると、新しい言葉に出会う機会も多いだろう。自分の経験から何かを学ぶことは重要なことだ。しかし、「用語」に関していえば、出会ったときの文脈だけを元にして覚えるのではなく、改めて意味を調べてみることも大切だろう。
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