うちの社員は信用できません | 悪態のプログラマ

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とある職業プログラマの悪態を綴る。
入門書が書かないプログラミングのための知識、会社の研修が教えないシステム開発業界の裏話は、新人プログラマや、これからプログラマを目指す人たちへのメッセージでもある。

情報セキュリティの強化ということで、会社に私物のノートパソコンを持ち込めなくなってからしばらく経つ。おかげで、ブラウザの「お気に入り」や、アプリケーションの設定など、自宅と会社のパソコンで、全て2重管理しなければならない。もちろん、ライセンス上、1台にしかインストールできないソフトは、どちらかでしか使えない。私のように、趣味と仕事が重なる部分が大きい人間にとっては、これは非常に面倒だ。

別の会社では、「USB メモリ」を含め、フロッピーディスクや CD-R のようなリムーバブルメディアへの使用(書き込み)が禁止になったところもある。専用のソフトウェアを導入して、書き込めなくしているようだ。これも、業務内容によっては不便なことだろう。

一般に、セキュリティを高くするほど、仕事の効率は悪くなる。どの程度の厳しさをもって、セキュリティポリシーを設定すべきかは難しい問題である。


企業にとって、セキュリティ対策を施すことは、対外的なアピールの意味もあるようだ。「我社の情報セキュリティは万全です。安心してお任せください」というわけだ。

しかし、あまりに厳しい対策をしている会社を目にすると、「おたくの社員はそんなに信用できないのか?」と思ってしまう。


セキュリティ意識の低さや不注意による情報漏洩を防いだり、悪意のある者(モノ)が外部から侵入してくるのを防いだりするためには、ルール作りや社員教育、システム的な防御は有効だ。

しかし、内部の人間が悪意を持っている場合の対策は難しい。「信用している者に裏切られる」というリスクに対して、いったいどんな対策ができるというのだろう? 誰も信用しない? そんなことは無理だ。どんな組織や社会も「信用」を前提にしなければ、成立しない。

本気で情報セキュリティを考えるならば、どうしても「信用できる人間を育てる」というところまで考えざるをえない。もちろん、それは、人事や契約といった企業の問題にとどまらず、貧富の格差、子供の教育(躾け)といった社会全体の問題にまで至る。

もちろん、そこまでいくとシステム屋として考える範疇ではない。しかし、本来、仕事とは関係なく、誰もが考えるべきことのはずである。考えない人が増えたからこそ、信用を裏切ってまで「情報」を金に換えるような大人が増えているのではないだろうか。


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