今年初めの地方のお葬式は
栃木県のお葬式についてです。
あくまで僕が見聞きした範囲ですが今回も、「如是我聞」ということでお伝えします。
●葬儀・火葬の際に「組念仏」や「百万遍」
栃木県も地域の「組」組織の強いところですが、
その組の方たちと親族が一緒に一つの大きく長い数珠を手に持ち、
念仏を唱えながら数珠を繰り、横に回していくという、
「組念仏」や「百万遍」の儀式を行う風習があります。
年々都市部などでは省略されてきているようではありますが、広く行われています。
20人で千回「南無阿弥陀仏」と唱えることで、2万回お経を唱えたと同じということになり、
あの世へ旅立つ故人へのはなむけとなる、というものです。
●お豆腐を用意
納棺の際、あるいは精進落としの際にも豆腐が出されます。
白いものを食べる=お清めになる、という考えがあり、うどんを食べる地域もあるようです。
ここでの豆腐の切り方が真四角なので、
日常冷ややっこを真四角に切ってお出しすることはNGだそうです。
●七日ざらしの風習
故人の着物や衣服を家の裏に北向きで干し、水をかけて常に濡れた状態にしておく
「七日ざらし」の風習があります。
「死の穢れを清める」という神道の考えからきている風習といわれています。
●土葬の残っている地域も
土葬も最近まで残っていた地域も多いようです。
そのため、お清めの儀式が多いのかもしれません。
出棺時には、色紙や紙のお金を入れた籠を竹竿の先につけて振りまく「花籠振り」をする、
玄関の上には青竹で作った「死門」を飾る、お清めに塩の他にお酒とかつぶしを使う、
出棺後に「めかい籠」を下庭に掃きころがす、などがあります。
ちなみに栃木県の葬儀費用の平均は200.8万円と
全国平均より30万円ほど安くなっています。
これは群馬や茨城とほぼ同じ金額。
質実なお国柄がでているのかもしれませんね。