昨日に続き、
地方のお葬式事情「如是我聞」
北海道(後編)です。
他の都府県にはない特徴がまだまだあります。
●親族一同で記念写真
通夜の儀が終わると、喪主を中心に祭壇をバックに親族全員の集合写真をとります。
四十九日が終わるとこの写真を引き伸ばし、
故人の写真と共に装丁をして、親族に品物をつけて贈るのだそうです。
●告別式、出棺、火葬、繰上法要も同じ日に
出棺後、戻って来たら、骨上げ法要(繰上法要)がすぐに行われます。
本来四十九日法要は一カ月から40日のあたりにおこなうものですが、
一度にということころが多いようです。
ちなみに、亡くなった人は四十九日までは「霊」となり、四十九日をへて「仏様」なので
表書きはどうなるのかな・・と思ったら、
北海道では、香典も通夜告別式までは「御霊前」と書くのに対し、
繰上法要の時には「御仏前」と書くのだそうです。
●通夜の前に火葬(函館など道南地域)
道南など一部地域では、火葬→通夜→葬儀という順番なので、
一歩遅れると最後のお別れが出来ないときも・・・あるそうです。
洞爺丸台風や函館大火の時に多数の死者が出て僧侶が間に合わなかったため
こういう風習が出来たという説があります。
●法事の際は黒飯
慶事の赤飯ならぬ、北海道の弔事には黒飯(こくはん)が出ます。
赤飯は小豆の茹で汁で赤くしたもち米を蒸かしますが、
黒飯は黒豆をいれ、色をつけずに蒸かしたもの。
薄い塩味でもっちりしていて結構美味しいんだそうです。
独自のしきたりにびっくりすることも多いですが、
合理的な道民性と、相互扶助が発達したお国柄と考えると
こうなるのかな、と少し納得できるかもしれませんね。