「中国経済」を見る目 | 100万人の中国語 

100万人の中国語 

田中則明(たなかのりあき)
小田原在住。中国語研究家。

二つの壁:「四声」と「日本語にない母音子音」

世界の各地で様々な紛争が起きて

おり、一触即発なケースが多い。

そうなると、我々の目は、いきおい、

「軍事力」に向けられるが、

それら紛争の多くの原因が

「経済」に起因していること、解決に

当たっても「経済」上の措置が最も

有効であることを見れば、

何と言っても、「経済」だ。


「金持ちケンカせず。」

という言葉があるが、「ケンカ」をしな

いですむような盤石な経済的基盤を

築いている国や地域が、外交、軍事

上の紛争に巻き込まれても一番有利

であるという事は、自明の理だ。


『日経新聞』、5月15日付けの

『経済教室』での、富士通総研 柯隆氏

の解説は、歯切れが良い。


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“視界不良の中国経済(中)”


国有企業は市場を独占し巨額の独占

利益を得ているが、真面目に税金を

納めていない。


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いろいろ問題はあるが、これが元凶だと

言う。


『経済思想の巨人たち』

(竹内靖雄、新潮文庫)

の竹内先生によれば、「経済」とは、

つまるところ、


「市場」

「資本主義」


に尽きる。


現代の中国は、この「経済」の根幹に

おいて構造的な問題、下手をすると

致命傷となる問題を抱えていると

いうことになる。


「国有企業」の改革は、待ったなし、

と言える。


 「国営企業の市場独占」→

 「国有企業の市場独占」


のままで、その先へ一歩踏み出せて

いない。


「汚職摘発」キャンペーンを華々しく

繰り広げる一方で、根元に向かって

振るうべき「大なた」が振るえていな

い。


このまま、ズルズルと解決を先送り

すれば、

「視界不良」

は、ますます進み、やがて長い長い

真っ暗なトンネルに入って行ってしま

うのではと危惧する。


分かってるよ、そんな事!

だけど、「南シナ海」で、忙しいんだよ!


また、そういう言い訳を言う。

問題に真正面から取り組まないと、

えらいことになりますよ。