アクネ菌が作る抗酸化蛋白RoxPがアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患を予防できる可能性があるかも | 青山ヒフ科クリニック院長Dr.亀山のオフィシャルブログ

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表参道にある青山ヒフ科クリニック 院長 亀山孝一郎のブログです。

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アクネ菌これはニキビの発症に関与しているか議論になっている細菌です。

最近、アクネ菌がRoxPと呼ばれる蛋白を合成している。

この蛋白は活性酸素が細菌を攻撃するのを防ぐ抗酸化力を持っておいて

そのレベルはビタミンCやEと同程度に高いという論文が出版されました。

 

そしてRoxPは活性酸素がアクネ菌を攻撃するのを防ぎ、アクネ菌が生きる環境を

改善するとしています。

そして著者らは、活性酸素が悪さをするアトピー性皮膚炎などを、

この蛋白が改善する可能性があるとしているのです。

僕もそう思います。 ビタミンCやEをアトピー性皮膚炎の患者さまに投与すると

劇的に症状が改善することがあります。

 

ニキビの方の組織を観ると活性酸素を放出する炎症性細胞にかこまれて毛穴は

存在します。

 

下の図はニキビの方の皮膚組織です。拡大した毛穴の周囲に炎症性細胞が

たっぷりあります。

 

その毛穴の中にアクネ菌がいるわけですから、活性酸素の毒性から自らを守るために

RoxPという上着を着ているわけです。

ですから活性酸素を持ってアクネ菌をやっつけるペピオゲルを塗っても

あまりよくならない方がいるのだと妙に納得しました。 

ペピオゲルは活性酸素を主成分とするニキビの治療薬です。活性酸素でアクネ菌を

殺すという新しい発想の治療薬です。 でも活性酸素の脅威から逃れるための

RoxPを持っているアクネ菌に効果があまりない場合があるのもよく理解できました。 

抗酸化力を持っているアクネ菌には、抗生物質のほうが効きそうです。