一日が終わった。 | YOGAと瞑想、倍音の世界へ 青山雅明のブログ

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仕事の帰りに、東急の書店三省堂で文庫本を三冊買って帰った。
マルグリット・デュラスの『ラマン』
サリンジャーの『フラニーとゾーイ』
カフカ『カフカ短編集』
小田急線の中で、それぞれにパラパラと目を通した。
デュラスの文章は芳醇な香りただようスモークチーズのような文章だ。
サリンジャーはひんやりとして薄い色のついたガラスみたい。
どうやら、僕は質感で物事を理解するようだ。
サリンジャーは昔良く読んでいたが、内容を話せと言われても困ってしまう。
でも、読んでいるうちにそうそう、この感じ・・・と感じで記憶が蘇ってくる。
あまり、文学向きじゃないよな。

カフカの『掟の門』という短編を電車の中で読み終えた。
一人の男が、掟の門の中に入ろうとするのだが、強屈な男が立っていて門の中に
入れてもらえない。門番は時々話しかけてくれたりするのだが、結局揺るぎない
意志によって中に入る事は許されない。
やがて年月は過ぎて、主人公の男は年老いて死際に何故みんな掟の門を潜ろうとしないのだろうと門番に訊くと、この門はおまえだけのための門だった。
と言って去って行く。
そんな話だった。

村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』に出てくる門番のようだった。村上春樹はカフカ好きなんだろうな。

それにしても、この門番のような強屈で悪人ではないがやたらに意志が強く信念をねじ曲げない男は小説に良く出てくるが、実際にお目にかかった事はないな。