アネモネです。
今回は、私の好きなパリのレストランの紹介です。
2回目の短期留学の時に行きの飛行機の機内誌に載っていた、
とにかく雰囲気が良いレストランがありました。
その名は「フェルメットマルブフ1900」。
店内がベルエポックのステンドグラスでほどこされています。
1970年代にレストラン内を工事した時に、とある壁を壊したところ、この空間が現れたのだそうです。
何故、この空間が「封鎖」されていたのかというと、
第一次世界大戦まで遡ります。
アールヌーボーの時代が短命だったのは、平たく言うと「戦争時代になったから」です。
アールヌーボーのデザインは贅沢。
戦争は、「贅沢は敵だ❗」ですものね。
なので、華美な「アールヌーボー」の時代の後に登場する無駄を省いて大量生産できる「アールデコ」の時代は、
フランスにも戦時の足音が聞こえて来ている暗喩にもなります。
戦時中のパリの街は、アールヌーボーを取り壊せと言われる法令が出ます。
このレストラン空間を壁で封鎖してアールヌーボー建築を命がけで守った人達は、
戦争で命を落としてしまったのだろうか。
だから平和になっても誰もその壁を取り外しに来なかったのだろうか。
このレストランに2回程行きましたが、
当時はその命がけの重みをあまり感じる力が私にはなかった。
だからまたいつか、
歴史を噛み締めて、このレストランを再訪したいものです✨
☆フェルメットマルブフ1900
5 Rue Marbeuf 75008 PARIS TEL 01 53 23 08 00