そう、知る人ぞ知っていますが、運転免許というものは、普通に通うと30万円程の費用がかかる所、一発で試験を受けて全て合格した場合、全体で5万円台と大幅に格安で取得出来るという方法です。
もちろん合法です。
CG専門学校の雄、デジタルハリウッドを例にすると、半年の短期コースで60万円程度の学費がかかります。
そんな金がないけどCGアニメーターにはなりたい。そんな人も結構多いのではないでしょうか?
ハロワに着ていく服が無いレベルで金が無い人は、とりあえず「生きろ」っていうアドバイスしか出来ないですが
親の金で何とか食わせて貰っているうちに手に職付けたい大学生とか、息子がCGアニメーターの仕事したいって言ってるんだけど、どうしようって思ってる親御さんとか、とりあえず、わかんないから専門学校のパンフレット集めてる高校生とか。
今回はそんな人向けの記事です。
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★今回のテーマは、金をかけずに就職活動用のデモリールを作り、無事採用されるにはどうしたらいいかという点を掘り下げてみました。
僭越ながら一応、就職の採用作品をチェックしたり、面接などもこなしてきた立場の経験のある私が、コスパを最大限に追求して考えてまいりましたので、
よかったら参考にしてみてください。
★まず、準備するもの。「パソコン」「モニタ」「ネット環境」これさえあればいいです。
ペンタブ? いらない、いらない。
MAC? 贅沢贅沢。
デジカメ? ケータイにくっついてるのでいいよ。
プリンタ?スキャナ? 使わぬっ!
パソコンのスペックですが、詳しい人は好きにすればいいです。
疎い人は「ドスパラ」「マウスコンピューター」とかで10万円クラスのものがあると就職後も使えるので無難です。
もしノートPCを持っている人なら、そこそこ新しければ問題ないです。10万円~?高い~とか言わないでください。こればっかりは仕方ないので。
OSはwindows7の64bit推奨ですが、デモリール作るだけなら何でもいいです。
win7が無難なのは、要するにソフトのバージョン対応の問題ですので。
モニタは24インチのフルHD(1980 x 1200)位あった方がいいです。最悪17インチ以上。
ただ、最近は安いので、台湾製のacerとかbenQなら15000円位で大きいのが買えます。
韓国製のLGとかサムスンの安い機種は避けておいた方が無難です。
昔使ってたんですが、視野角の色変化が大きいのと、目がしんどかったです。
★ソフトウェア
賛否が分かれる所ですが、私はプロも仕事で使っているフリーソフト「Blender」とフリーで落ちているリグが良いと思います。
▼Blender 2.7
http://www.blender.org/download/
▼ただ実務では、やはりMAYAか3dsMAXのほぼ二択になります。多分。
そこで、どうしてもAutodesk製品を使いたいのであれば、学生なら以下のサイトからだと3年無料で使えるらしいです。
http://www.autodesk.com/education/student-software
英語が分からない人は解説してくれるサイトもあるので[Autodesk 学生 無料]とかでググって下さい。
学生じゃない人は、デモ版をダウンロードして下さい。
▼3dsmax 2014 体験版
日本語
http://www.autodesk.co.jp/products/autodesk-3ds-max/free-trial
英語版
http://www.autodesk.com/products/autodesk-3ds-max/free-trial
▼MAYA 2014 体験版
日本語版
http://www.autodesk.co.jp/products/autodesk-maya/free-trial
英語版
http://www.autodesk.com/products/autodesk-maya/free-trial
Autodeskさんのは30日は使えます。期限が切れたらOSを再イン..、ゲフッゲフン。
◆フリーリグについて
リグとは、骨が動かせるようになっている人形モデルのことです。
アニメーターが見せるのは芝居、動き、表情なので、既成のものを使うのが近道です。
▼モックスモーションさんは就職活動向けのフリーリグを公開しています。
http://mox-motion.com/training/freerig/
▼表情もほしい場合[blender free rig]でググって下さい。例えばですが、こんなんでました。良い表情してるなあ。
http://jasonpierce.animadillo.com/resource/ludwig/ludwig.html
▼登録しなきゃいけなさそうですが、MAYAはよさそうなリグがありますね。
http://lesterbanks.com/2010/03/22-of-the-most-fun-rigs-for-maya/
ふー。本題に入っていないのにすごい文字量になってしまった。
本題に入ります。
★CGアニメーターの即戦力とは。
採用基準というのは、全ての会社が違うように、ここで完璧な基準というのは明示できません。
が、一応、何となくどこの現場も持っている「共通認識」というものは確かに存在します。
私が学生の頃も「光るものがある人」とか、「やる気がある人とか」、「コミュニケーションが取れる人」
と聞いた所で、まるでピンと来ませんでした。
「光るもの」って何だよ?サバでもモデリングしとけばいいのか?とかね。
まあその中でも「即戦力になる人」って、本当に曖昧な表現だと思います。
そんな訳で、ここからは「即戦力」って何?ってことを具体的に解説していきたいと思います。
★まず、採用担当者の本音を言いますと、新卒も中途も区別をしていません。
「新卒採用」を掲げてリクルートしている会社は、優良企業アピールしたいという思惑があるのだろうと思います。
新卒枠があるっていうのはホワイトなイメージがありますから会社体力の余裕を感じます。
でも実際の本音は求めているものは同じで、新卒だろうが中途だろうが求めるものは能力の高さです。
どれだけの物が作れるのか?
ほぼこの一点集中で判断しています。
学歴や資格などは、あまり考慮しません。年齢は見ますが、20代か30代か位です。
伸びしろがどんなものか見る為ですね。
同じ条件なら若い方を取りますが、そこまで気にすること無いです。
★会社をリサーチしよう!
CGアニメーター採用する時、現場の知りたい情報としては、
今、社内で抱えている案件をこなせるイメージが、デモリールで判断出来るかどうかです。
なので、作品を送る側も、会社でどんな作品をやっているかはホームページを見る位はしましょう。
業務実績を記載していない会社などないのですから、最低限リサーチをし、イメージしやすいものを作った方が良いです。
セル系しかやっていない会社に、ディズニーテイストで超うまいリールを送った所で、
「うちの事、全然調べてない」とか
「求める給料高そう」とか
「応募者を生かす案件が無い」
などと思われて結果見送りすることもあります。
作ったー!終わりー!会社にばら撒くぞー!じゃなくて、
会社によってデモリールを作り変える位の労力は惜しまないことで採用率を上げる事が出来ます。
★採用されるデモリールの作り方。採用担当はデモリールのどこをみているか。採点基準を知ろう!
いよいよ具体的な部分に入っていきます。
★その一、重さが表現できているか。
重さを表現するには、力の伝達をよく観察できていないといけません。
指先から手、ひじ、肩、胸、腰、伝わり切ったらようやくモノが持ち上がり始める。
と言った具合に
そのプロセスを少しでもすっとばすとロボットのような動きになり重さを感じません。
よくよく観察をして、そのものに広がっている世界を発見しましょう。
★その二、タメツメができているか。
タメツメというのは、動き始めと動き終わりの減速の事で、CG的にはイーズイン、イーズアウトとか言ったりしますが
結構業界問わず「タメツメ」で通じる気がします。覚えて損はありませんので、覚えておきましょう。
タメツメというのは、「タイミング」と「間隔」という要素も含まれていて、結構、広義な言葉としても使われます。
CGソフトで原画となるキーポーズを作ると、コンピュータはその二つを自動で補完していくわけですが
その際、機械的に等速で補完してしまいます。等速というのはスピードが一定で変化が無いということです。
人間の動きというのは、どんな部位も等速では動きません。
頭を上げる時も、手を振る時も、歩く時も、パンチする時も。
ニコニコで素人がアップしてる動画はほとんどがここをクリアできていません。
CGが無機質で人間味が無いといわれてしまうのは、この要素が実に大きいんですね。
そういう意味ではプロも出来ていない人がいるわけですが、実に恥ずかしいことですね。
自分の作ったアニメーションのキーポーズとキーポーズの間に一つもキーが打たれていないとしたら
その動きはおそらく失格です。ファイルを開かなくても動きを見れば分かります。
そんなのが送られてきたら、観察が足りないなーと、プロは思うのですね。
おそらく。
★その三、 レイアウトについて。
レイアウトについては過去に記事を書いたので、できれば読んでみてください。
・良いレイアウトとは何か、人に説明できますか?
http://ameblo.jp/anime-survive/entry-11611849938.html
デモリールの段階でみるレイアウトというのは、
人によって違いすぎますので何とも言いづらいですが、
バランスの取れたフレームであれば、良いことが多く
奇をてらったものは求められていない会社の方が多いのではとは思います。
ただ、明らかに「レイアウトを見ます」と書いてある会社もありますのでそこは、注意が必要です。
相当求めるものが高い会社です。
レイアウトをみるということは演出を見るということです。
ただアニメーションの技術をみせるだけでなく自分でイメージを膨らまし、
見る人を驚かすくらいの気構えが必要です。カット繋ぎなどもポーズが甘くないか、
指先まで神経使ってるか。など。
例えば、「普通に立つ」ということを普段から観察できている人は、棒立ちポーズは作らないわけです。
そんな丁寧さもレイアウトには大きく表れますので、可能ならば人に見て貰った方がいいでしょう。
★その四 意欲をデモリールに込めよう!
意欲の見せ方には様々ありますが、分かりやすくてお勧めなのが
「群集アニメ」を一つ作ることです。
群集といっても10人位のでいいです。四方から三人くらいの
警官が一斉に走ってきて、一人の泥棒を取り囲んで拳銃を突きつけ、取り押さえる。
みたいな。
自動化出来ないアニメーションな上、全員がバラバラのタイミング
でかなり面倒なシチュエーションですが、学生がカッチリこういうのを作ってきたら私なら採用します。
ここで感じるのはアニメーションに対する姿勢です。
ここまで面倒なことを率先してやるような人はきっと
この仕事に向いています。
きっとこいつはぐんぐん伸びていくだろうと思わせるんですね。
★体裁を整える
会社によってはシーンファイルを提出させる所もあります。
そこでカメラに直接アニメーションつけたりせず、情報がきちんと整理されているとポイント高いです。
ポイントが高いというか、減点されないって感じですが。
せっかくの作品、つまらないことで悪印象与えないよう。
誰でもできることなので確実に抑えておきましょう。
★おさえておくべきポイント
・ファイルの2バイト文字は使わない。オブジェクト名も日本語禁止。
・レイヤの整理
・使っていない無駄なオブジェクト、(ライト、コントローラー)を置かない。
・リファレンスしているものなどは、リンク切れしていないかチェック。
・上級者は「キーの管理」も出来たら尚良しですが、これは別途記事になる位の話なのでまたの機会に。
・社会人としての最低限のメールマナー
・レスポンスの早さ。
連絡がきたら即座に返事する。
上のポイントをおさえる意味は、修正しやすいファイルを作るという意味で重要です。
新人を教えている時に一番、面倒なのがレスポンスが遅いこと。お願いした修正に時間が掛かりすぎたり
期限までに間に合わせられない、自分がいつ終わるのか見積もれない事です。
修正が遅い原因にファイルが汚いというのがあります。
間に合わない時には上司が作業を引き上げてますので、せめてデータは誰が見ても綺麗に作ってもらいたい。
そういった意図があります。
★業界の最新情報収集には敏感になろう!
比較的最近の記事です。ぜひ以下の記事を読んでください。
これが曖昧な部分もありますが、実にレアな記事です。
★大手企業
http://cgworld.jp/feature/interview/1312-zadankai-2.html
★中小企業
http://cgworld.jp/feature/interview/1312-zadankai.html
★また、こういう情報は、ツイッターやFACEBOOKを活用して、かき集めましょう。
他にも、ダイレクトに会社の名前を出しているアカウントの人なんてツイッターでいくらでもいます。
会社名を出していなくても作品名を出している人は、会社の関係者に違いありません。
うっかり給料を暴露してる人もいますので、実にすばらしい時代です(爆
バンバンで検索かけてみてください。関係者をフォローしまくったら何割かフォロー返ししてくれるでしょう。
そうしたら作品をアップしまくってください。youtube、vimeo、googledrive 全部無料で使えます。本当に良い時代です。
業界の人は面白がってリツイートで拡散してくれます。良かったら普通に声かけられます。
作品みますよーって言ってくださる方も居ます。
私でよければ、ツイッターで絡んで貰えればリツイートのお手伝い位ならしますよ。
もう、VHSと履歴書を会社に送るなんて、そんな時代終わったのですよ。
★総括
今回、専門学校各位にケンカを売るつもりはないのでフォローしておきますと
専門学校は有益です。特にソフトの使い方で躓いた時にすぐに教えてくれる人の存在はやはり偉大です。
同じ方向を目指して出来た友人も一生ものです。
ただ、私が言いたいのは、現場で突き抜けている人の勉強方法は常に「独学」ということです。
みんな勝手に学び、勝手に技術を盗み、表現方法も自分で考えます。それはどこの教本にも書いていません。
まず金をかけない方法で、出来るところまでやってみて、本当に必要性を感じてから学校に行く方が遥かに身になるとは思いませんか?
ではでは。