CGアニメーターサバイバル

アニメとかCGとか、業界の話とか雑談とかとか。
現役のCGアニメーターやCGアニメを仕事としたい学生向けに
生き残るor勝ち残るための情報を発信できたらいいなと思ってます。
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今更ツールの話などしてどうなるのか?

この話題は10年以上前から果てしなく繰り返されてきたし、この話題はちょっと繊細な問題でもあり、批判も予想される。

「最後には自分の使いやすいツールを使えば良い」とか「使いこなせない奴が悪い」みたいな、もやっとした結論になるからだ。



だが、あえて言おう。


TVアニメでMAYAはやめてくれ。と。





理由を端的に言うと小回りがきかなくて、結果的に生産性がものすごく悪くなるからだ。

MAYAは色々使って来たし、現在も使ってるし、MAXも使っているけれど

今のアニメ作品の現場では、冷静に比較して、MAYAを使う論理的な理由が見当たらない。



ただ、語弊が無いように言っておくと、もちろん、MAYAというソフトは素晴らしいソフトです。

が、こと日本のアニメ業界の、TVの、そしてトゥーンのアニメに限って言えば、「現場に合わない」のだ。



今回の記事の目的は、最近どうもMAYAを選択するアニメ作品が増え始めているようなので、

いやいやいや、ちょっと待てと。この傾向はまずいなと。ちょっと異義あり!と言わせてと。

そう思ったので、ちょっとでも考え直してもらう人を増やす為に、せっかくなので理由をまとめてみることにしました。


あらかじめお伝えしておきますと、予算の潤沢にある作品(パイプラインがしっかりしてる)にしか関わらない人達には関係の無い世界の話です。



★MAYAは使うべきではない理由その1。「リギングに時間がかかる。」


作品のスケールにもよりますが、キャラクターが増えていくと、「リグ待ち」という不毛な時間が発生します。

骨が入って無ければ何も出来ないCGアニメーター達。迫る締め切り。。

こんな現場には立ち会いたくないもんですが、結構な率で立ち会いまくるのですね。

じゃあ、これがMAXだったらどうかというと3Dモデルさえ出来ていればbipedでCGアニメーターが仮組み出来るんですね。

この差はデカくて、3Dレイアウトや仮アニメーションを作るレベルのリグであれば10~30分位で、ある程度できます。

仮組みとはいえ、bipedでのポーズやモーションは再現性が高く、作業履歴がほとんど無駄になりません。

モデルのセットアップの作業をリガーに任せながら同時並行で次の工程に進めるというのは素晴らしいことです。



★MAYAは使うべきではない理由その2。「ポーズ、モーションのコピペの再現性が低い。」

他ファイルで作成したポーズやモーションの流用の再現性が、MAYAでは低いです。

完璧に同じリグでも完璧な再現が出来ないことが多いです。(特に肘ひざ等)

それはオリジナルリグから来る問題なのですが、これはクライアントが作成したサンプルデータなどが流用できないことを意味します。

クライアントがせっかく作っていただいた時間が無駄になってしまう上に、それを作り直すというこの無意味さ。

どうしても避けたいものです。



★MAYAは使うべきではない理由その3。「アニメーションレイヤを統合すると、キーがベイクされてしまう。」

※訂正致します。こちらベイクについてはご指摘をいただきまして、解決出来るようです。以下は、以前はそうだったということでよろしくお願い致します。


MAXの場合、アニメーションレイヤを統合すると打ったキーのみが統合されます。MAYAではベイクされてしまうようです。

パチンコ案件(中身はアニメ案件)などでも多いケースですが、クライアントの行ったり来たりの細かいの修正対応があるので、時にレイヤを統合したり消したりすることが必要になったりします。

その際、ベイクしようものなら次の修正がかなり困難になります。

レイヤでアニメーションのテイク管理が出来るということは、「過去ファイルを探す時間」が無くなります。

「前のテイクに戻るってどのテイクに?」って膨大にある経過ファイルの中から探す時間は不毛です。ミスも起りやすいです。

ファイル整理し修正テイクの履歴が追えるというのはCGアニメーターにとって大きいのです。


(打ったキーだけ統合されるやり方あったら知りたい)


★MAYAは使うべきではない理由その4。「buck burnerの圧倒的な性能の差」


同じbuck burnerでも、MAXとMAYAで動かした場合、圧倒的な違いがあります。


・MAXでレンダージョブを投げた場合、各サーバに1フレームごとに「自動で」振り分けがされます。

それに対し、MAYAの場合、各サーバーへのレンダフレーム数を「手動」で設定する必要があります。


この違いでどういう問題が起こるのか?例を出しましょう。


仮に、レンダサーバーが5台あったとして、1000フレームのシーンをレンダリングをしたとしましょう。


MAXの場合ネットワークレンダーボタンをポチ。終了です。


それに対し、MAYAの場合まず1台のサーバでレンダリングするフレーム数を決めることになります。

レンダサーバが5台あるので、割ると各サーバ200フレームあればいいかな?って感じでGO!って投げます。

もうこの時点で、いちいち空いてるサーバ数を確認したり、計算しないといけないので面倒なのですが、200フレームの塊が5つというジョブなので

もし、前半と後半で差が出来た場合、200フレをレンダするのに1台のサーバが働いてて、4台が暇してるっていう状況が生まれる訳です。

この生産効率の悪さったらないです。急いでる時は、振り分け直して再度ジョブを投げるってことをせざるをえません。


・また、MAYAの場合、途中経過のレンダリングを視覚的に見ることが出来ません。進捗経過が数字(%)にも出ません。エラー表示さえ出してくれません(泣)


文字通りなのですが、このジョブが成功してるのか?失敗してるのか?なんで失敗してるのか?ってのが何も出ないので全く分からない。

確認するのに、連番データの保存先に行かないとわからない。buck burnerモニター機能は一体何のためにあるのデスカー!?

せめて機嫌が悪いときは「赤く」なってー!!




★MAYAは使うべきではない理由その5。「プロジェクト設定縛り」


MAYAはプロジェクト設定をするとフォルダの階層の中にシーンやら連番素材やらのフォルダが作られて、そこで管理してくれっていう仕様の案件が多いとは思います。

まあ便利なんでしょうけど、強制されると色々問題が出てきます。レンダリング出力場所が設定したプロジェクト階層下になり、素材単位で別場所に指定が出来ないとか。

あと、「掛け持ち」をするとこう、あっちの案件とこっちの案件と、入れ替わり作業するみたいな状況になって、A案件のデータをB案件に保存しちゃったり

フォルダクリック数が増えて手が痛い状況になったりするんですね。

それを抜いても、MAYAは何をするにも一手間あるので、クリック数が多くてダルい。

と思うのは僕だけですかね?いやそんなことはないはず。。(ペンタブ使うけど)




★MAYAは使うべきではない理由その6。「リファレンス前提の設計であること」

これは、管理上の問題なんですけどね。

リファレンスっていうのはこの場合、モデルデータは別にあって、シーンはカメラのみということです。

MAYA案件ではごく当たり前で、これはMAYAのすばらしい長所のはずなんですが、何を間違ったのか、

「リファレンス機能がうまくいかないので使わないで欲しい」というケースがありました。

MAYAの場合、リファレンスが強いから良いのに、それがいざ使えなくなるとどうなるか?

半端じゃなくデータが重くなっていきます!!

シーンにキャラ読み込んで保存したデータを開くのに10分かかるとか。

MAYAを使いこなせない人が管理するとそんな事態が起こりうるんですね。恐ろしいですね。







★なんでここまで生産性の差があるのにMAYAを使うのか?

こればっかりは、諸問題が色々あるようです。例えば


・MAYAユーザが多い。(多数決)

・MAYAありきの環境だ。

・監督や、CGディレクターの権力者による決定。

・アンチMAXユーザーによるネガキャン。



★最後に

MAYAというソフトは本当に丁寧にパイプラインを敷いて初めて力を発揮するツールです。

ですが、日本の制作現場には、そんなご立派なパイプラインを備えてる会社の案件は残念ながらまだ数少ないのです。


現場はこの場当たり的な状況に臨機応変に対応しなくてはなりません。そんな現場にMAYAは合わないのです。


あと、私はことあるごとにブログやツイッターで主張しているのですが、
アニメ業界のスケジュールの渋滞の最大の原因

「演出のチェック待ち」を軽減するための努力をしなければなりません。

演出だって、いきなり100カット目の前に積まれたら中々、チェックバックに時間がかかります。

少しでも早く!毎日のように提出することこそが、スケジュール改善の一歩です。


そのスケジュールの遅延の原因がソフトにあるんじゃないか?

本当にこのプロジェクトはこのソフトでいいのか?

と、ぜひ疑ってもらいたいですね。
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