今回で「児童養護施設の職員が抱える向精神薬投与への揺らぎとジレンマ」(福祉社会学研究10 吉田耕平 著)の論文紹介は終了します。


今回は、奈々草の感想は書きません。

代わりに、児童養護施設からお子さんを引き取ったお母さんのブログ紹介とお知らせを掲載させていただきます。


この論文は、養護施設での子どもへの向精神薬投与以外に、児童福祉の様々な問題点を教えてくれました。

一番考えさせられたのは、制度や施設は誰のためにあるのか?です。

児童福祉分野だけではありません。

学校、保育所、幼稚園、病院、介護業界、役所・・・一度立ち止まって考える必要があります。


※論文引用部分は、太字とします。


※気になる部分は赤太字とします。


※ブログ紹介とお知らせは、青字とします。



5 結論



みてきたように、アメリカ同様、今回の調査対象である日本の児童養護施設においても落ち着きのない多動や他児とのトラブルから施設では処遇しにくい子どもは医療機関を受診し、医師の判断のもと向精神薬投与に至るケースがあった。



施設職員は子どもへの向精神薬投与について否定的であり、子どもに向精神薬を飲ませることに疑問を抱いていたが、施設の運営・管理のためには仕方がない、割り切るしかないというジレンマを抱えていた。



職員は、体罰の禁止が制度化されたことによって集団生活から逸脱する子どもへの対応が医療的ケアへと変化したと捉えている。



その中には、向精神薬の使用が子どもと大人との関係をつなぐためのコミュニケーションツールと化している状況に当惑している職員もいた。



今回の調査で、向精神薬に代わる方法を尋ねたときに、施設職員は、子どもを逸脱させないためには人員配置の見直しをあげるなど人的環境の補強について多く語っていた。



さらに、現実的に子どもと大人の関係を密にするためには施設養護ではなく里親に委託するということを視野に入れていた職員もいた。



しかし、実際に里親委託を行い、仮に子どもが里親家庭で落ち着き問題行動が出現しにくかったとしても、学校生活という集団生活で逸脱してしまうと、社会的養護の子どもは、精神科通院、向精神薬という手続きを経て行動が統制されやすいのではないだろうか。



「自分の子どもではない」ことから、学校でのトラブルが頻繁に起きるようであれば、再び他の施設へ措置するといった形で子どもの措置委託が行われてしまうのではないか。



それゆえ、向精神薬投与は処遇しにくい子どもをとりあえず落ち着かせ、規則が厳しい子どもが嫌がる施設への措置変更を阻んだり、次々と施設をたらい回しにされる措置変更を防ぐための策としても機能しているのではないか。



このような向精神薬投与のもうひとつの機能は、筆者をはじめ児童養護の現場にかかわったことのある者にとっては実はみて取りやすいことである。



向精神薬投与は、インタビューに出てきたように「体罰」として批判されるリスクを冒さずにてっとり早く子どもの行動を変容させ、「医療費公費負担」で施設の処遇コストを安くあげるというメリットがあるだけではないだろう。



現状の人員配置で、処遇しにくい子どもとの日々の生活にあえぎながら向精神薬投与を受け入れ、その代わりに担当の子どもとこれからも付き合っていくのだろうという「子どものための割り切り」が垣間見えるようにも思うのである。




ブログ&ツイート紹介



児童養護施設からお子さんを引き取ったお母さんのブログいぬ時々こども~施設と児相と養子縁組 を是非皆さんに読んで欲しいと思います。

ダウン


http://ameblo.jp/wanko-no-ajito/entry-12013154205.html

「真の虐待」


ブロガーのわんこさんは、児童養護施設より養子を迎えています。

そのお子さんは向精神薬を服用していました。

お子さんもお母さんも向精神薬をやめたいと思っていましたので、医師にその旨を申し出て、現在服薬中止となっています。

そのいきさつがブログに書かれています。



このブログを読むと、児童相談所が「医師の指示の元、服薬させている。」と言っているのが、どういう指示なのかわかります。

(児童養護施設職員が医師に薬を出すよう依頼しても、最終的判断は医師になり、処方箋は医師が記載し、カルテも医師の指示と記載されるので、結果的に「医師の指示の元」は嘘ではなくなりますけど・・・<そこが悔しいところ>・・・でも、指示のニュアンスが変わってきます。・・・表現が難しいあせる



そして、別の方のツイートを紹介したいと思います。(ツイート引用はピンク文字


児童相談所の話、私が児相にいた訳でも我が子が取られた訳でもないから薬でマインドコントロールしてるとかは知らないけどストレスを言葉や行動に表すと精神科に連れてかれてそれから毎日薬飲まされるって、入所してた子本人から聞いたことはある。マインドコントロールかは知らない。



わんこさんのブログ、アップのツイートからも児童養護施設では簡単に向精神薬を服用させていることが伺えます。



児童相談所関係裁判&報告会のお知らせ



福耳さんがブログで紹介しています晃華学園⇒児相拉致裁判の第2回口頭弁論と報告会が行われます。

カトリックの私立小学校が虐待(不当)通報し、児相一時保護(拉致)した事件です。



この小学校、子どもが児相に拉致されたため、小学校には通ってないのに、保護者からの授業料だけはいただいたままにしています。

そして、児相も小学校も裁判を非公開にしようとしていた動きもありました。



お時間作れる方は傍聴して、多くの関心があることを裁判所にアピールしましょう。



福耳さんのブログはダウン

http://ameblo.jp/blue2769/entry-12011371162.html


裁判、報告会の日程、場所はダウン


4月27日(月)午前11時から
東京地方裁判所 第803号法廷(8階)

口頭弁論終了後の弁護士を中心とした報告会ダウン


4月27日(月)午前11時45分から
「虎ノ門天徳ビル」4階会議室

虎ノ門天徳ビル:東京都港区虎の門1-13-5 (前回とは違う場所です)
地下鉄銀座線「虎ノ門」駅下車徒歩3分 (1階の中華料理「渝園酒家」を目印にして下さい)



もう一件、裁判の報告会があります。

記者会見で発言した矢野さんの裁判の報告会です。


(矢野さんの記者会見の発言はダウン

http://ameblo.jp/angelstairway/theme5-10087866038.html


釣部さんの話し、弁護士さんからの報告があります。


4月29日 かながわ県民サポートセンター1502号室
      13時30分より 17時終了予定
お申込み 不要
フェイスブックページ
https://www.facebook.com/events/1556765417912051/