私の好きな作家のひとりです。
若き日に書かれた作品を手にとってみました。
その後の活躍につながる芽は、どんな姿をしているのだろうか、と。
作者が二十歳くらいの頃の作品です。
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- 平面いぬ。 / 乙一 (集英社文庫)
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その目を見てしまった者は石になるという妖怪。
小学校の鶏小屋でヒヨコを踏み殺したという噂の非行少女。
青い肌を持つ不細工なぬいぐるみ。
若い女性の肌にほられた刺青。
人々から疎まれる存在に注がれる愛着が描かれた4篇です。
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「石の目」、「はじめ」、「ブルー」、「ポッキー」
恐ろしさから疎まれる存在に呼び名がつけられています。
このうち、噂の非行少女、不細工ぬいぐるみ、刺青には
それらに愛着をもつ者が名前をつけています。
呼び名をつけるのは特別な1対1の関係の始まり。
相手が人々から疎まれていることから、そこに秘密が生れます。
秘められた愛着にはそこはかとない切なさが横たわっています。
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これらが書かれたのは十数年前。
疎まれる存在に秘められた愛着を持つ者たちに漂う切なさに
注がれる若き日の乙一の視線が後の活躍を兆しています。
<目次>
石の目
はじめ
Blue
平面いぬ。
[end]
*** 読書満腹メーター ***
お気にいりレベル E■■■□□F
読みごたえレベル E■■■□□F
(ペタお返しできません。あしからず。)
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