Exciting! ~ 「知の逆転」 | そっとカカトを上げてみる ~ こっそり背伸びする横浜暮らし

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大きな挑戦なんてとてもとても。
夢や志がなくても
そっと挑む暮らしの中の小さな背伸び。
表紙の手ざわりていどの本の紹介も。

相互読者登録のご期待にはそいかねますのでご了承ください。



ある方のブログで紹介されていて、気になっていた一冊。
ふだん小説やエッセイを中心に読んでいるなかで、
このテの本を久しぶりに手にしたら、

Exciting!!

         


世界が注目する頭脳の持ち主たちへのインタビューです。

知の逆転 (NHK出版新書 395)/NHK出版
¥929 Amazon.co.jp

  個人の優れた判断能力というのは、
  健全な民主主義のための必須条件ではないですね。


インタビューの受け手は、
生物学と文明の関係の研究者、言語学者、脳神経科医、
人工知能の専門家、陰でインターネットを支える企業家、
DNAの研究者、といった人たち。それも超一級の人たちです。

そんな人からこんな非常識とも思える言葉が飛び出します。
その訳もわかりやすく語ってくれます。

         

さきほどの民主主義に関する言葉の他にも、こんなのが。

  「人生の意味」というものを問うことに、
  私自身は全く何の意味も見出せません。


  (早期教育は)海兵隊員や労働者になるための
  訓練としては良いと思います。


  五歳の子供は、彼の祖父ができなかったことを、
  やすやすとやってのけます。


こんな文を読んで、「はい、その通り」、「なるほどもっとも」と
簡単に次に進む訳にはいきません。
読み手は、ひと呼吸おいて考えはじめずにはいられません。

         


個々の専門領域をわかりやすく説明するというより、
世の中の大きな流れや、それを支える常識と対比しながら、
歴史や社会を大きな目でとらえています。

自ら問いを発し、研究し、仮説をたて、検証する。
問いかけと仮説に取り組む視点は柔らかです。

         


この本が知るための本であることは確かですが、
考えるための本といった方がピッタリきます。


[end]


<目次抜粋>

まえがき ~ 敵が百万あろうとも
第一章 文明の倒壊 ジャレド・ダイアモンド
第二章 帝国主義の終わり ノーム・チョムスキー
第三章 柔らかな脳 オリバー・サックス
第四章 なぜ福島にロボットを送れなかったか
                     マービン・ミンスキー
第五章 サイバー戦線異状あり
第六章 人間はロジックより感情に支配される
                     ジェームズ・ワトソン


*** 読書満腹メーター ***
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