パリの光景を思い起こす時、必ずといっていいほど浮かぶのは、
店先の舗道に並ぶテーブルでコーヒーを飲むカフェの光景です。
パリの街にカフェを広めてきたのは、
意外にもパリの人ではなく、田舎の人たちでした。
◆
- パリのカフェをつくった人々 / 玉村 豊男 (中公文庫)
¥926 Amazon.co.jp
過酷な自然の中で育ったオーベルニュ地方の人たちの
苦労を苦労と思わない性格による水運びと炭売りの出稼ぎ。
カフェは、時代の流れにその仕事を失いかけた危機から
苦肉の策として生みだされた副業でした。
想像もしたこともない、誕生秘話です。
◆
パリの家庭の食卓を支えるブラッセリー誕生と発展。
クレープとガレット、生ガキが
パリに欠かせないメニューになった経緯。
しのぎを削るカフェやブラッセリーの競争の実態。
これらが、肩肘はらない、わかりやすい文章で語られます。
◆
著者自らが足を運び、使い、人々に取材した体験が、
カフェやブラッセリーの発展の必然性を解き明かし、
読み始めたら惹きこまれてしまう一冊に仕上げています。
◆
20年以上前に書かれた本です。
今のパリは、この本に描かれているパリから
さらに変化しているに違いありません。
最新情報なら、ネットやガイドブックに頼る方が確かです。
ここに紹介されているカフェやブラッセリーの成り立ちの歴史は、
パリの街角を見る目に一段と厚みを加えてくれるでしょう。
それを証明するために、
パリを訪れて、テラスでコーヒーを飲みたくなります。
<目次抜粋>
花の都を征服した世界一の働き者
チーズ小屋からミシュランまでオーヴェルニュ人成功の秘訣
パリにクレープと生ガキをもたらした辺境の国
パリのブラッセリーをめぐる男たちの闘い
[end]
*** 読書満腹メーター ***
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読みごたえレベル E■■■□□F
(ペタお返しできません。あしからず。)
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