いま思うと私の中学生時代は能天気な毎日でした。
特に悩むこともなく、深く考えることもなく、
友達と悪ふざけし、部活をし、好きな女子が気になり、
なぜだかしょっちゅう教師に叱られていた毎日です。
そうした日々を思い出すことはできるのですが、
あのお気楽気分を実感として体で再生することができません。
◆
めずらしく中学校を舞台にした物語を読みました。
ひな菊とペパーミント/野中 柊 (講談社文庫)
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離婚した父親と暮らす13歳の"私"、"結花"が語る、
父親との、母親との、
女子のクラスメイトとの、道夫くんとの、
ホモ疑惑をもたれている上級生との
クッキング部の女子との、唯一の男子柴崎君との、
両親の間を行き来するゴールデンレトリバー、タタンとの、
毎日です。
父親の再婚話が、結花の学校生活を一変させてしまいます。
◆
こうして挙げてみると、
結花の周りに登場する人物がたくさんいますね。
悩みはつきないようですが、
彼女の中学生暮らしはそこそこうまくいっているようです。
自分の中学生生活すらうまく蘇らないくらいですから、
女子中学生の気持ちがどんなものか、なんて見当もつきません。
娘たちの気持ちが見えにくくなったのも中学生あたりからでしょうか。
難しい年ごろなのかもしれません。
◆
この物語を読んでいたら、結花の生活を覗き見しているような、
少し後ろめたい妙なオジサン気分が見え隠れしていました。
ふだんには湧きあがってこない不思議な感覚です。
たまにはいいですね、ちょっとくすぐったくて。青春小説も。
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