ザ・イースト | 記憶のための映画メモ

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大好きな映画も数日で忘れてしまう我が記憶力。
ユルユルの脳味噌に喝を入れるための映画ブログです。


ザ・イースト


2013年/アメリカ/116分
監督:ザル・バトマングリッジ
出演:ブリット・マーリング、アレキサンダー・スカルスガルド、エレン・ペイジ、パトリシア・クラークソン、他
おすすめ度(5点中) → 3.8


――― あらすじ ―――――――
元FBIエージェントのジェーンは、大企業をクライアントに持つセキュリティ会社に雇われ、実態の掴めないテロ集団“イースト”への潜入という任務を与えられる。イーストは、世界各地で環境破壊を行っているグローバル企業に対して過激な報復活動を行っている正体不明の環境テロ集団。ジェーンは彼らの身元を割り出すためサラと名乗り、たった一人で潜入捜査へと向かう。そしてイーストとの接触に成功、無事彼らに迎えられたサラ。彼らと行動を共にするうち、大企業の横暴ぶりやビジネス優先の上司に疑問を感じる一方、リーダー、ベンジーの思想に共感していくサラだったが…。(allcinemaより)


―――  感想  ―――――――
過激な環境保護団体といえば、シー・シェパードなんかが有名ですね。俗にエコテロリストなんて怖い名前があるぐらい。今作は、そのテロ集団への潜入捜査を描いた作品です。


元FBIのジェーン。彼女は大企業をテロの脅威から守るセキュリティ会社に雇われ、「ザ・イースト」という環境テロリスト集団に潜入することに。


▲ジェーンは、ザ・イーストへの潜入捜査をすることに。


演じたブリット・マーリングは、主演の他に脚本と製作も兼ねています。つまりこの作品に対し、本気の姿勢だということがうかがえますね。


ザ・イーストとの接触に成功したジェーン。彼女はここではサラと名前を偽っている。

で、ザ・イーストという組織を束ねているのはベンジーという青年だというのが分かってくる。

最初こそメンバーに警戒されていたサラ(=ジェーンのことね)だが、徐々に信頼を厚いものにしていく。


▲ベンジー。イケメンのリーダーはよく脱ぎますw。体は鍛え抜かれていました。


で、ほどなく彼らがテロを起こそうとしているのが分かる。標的は大手製薬会社。ザ・イーストのメンバーの1人であるドクは、この会社の薬を飲んだことが原因で体に障害が残っているんですね。きっとその経緯から標的として選ばれたのでしょう。彼らはこの製薬会社のパーティーに紛れ込み、副作用を起こす可能性のあるその薬を、こっそりシャンパンに混ぜて彼らに飲ませます。


▲シャンパンにこっそり薬を入れるザ・イーストのメンバーたち。


▲責任をとらせるわけですな。


実はこの計画を知ったサラは上司に報告をするんだけど、「その製薬会社はクライアントじゃないからそのままにしておけ、やがてテロの脅威にさらされた彼らは自分たちの客になるだろうから」と泳がせておくように言われるわけです。


この作品の面白いところはココですね。テロを食い止めるという大義を負ったサラの仕事も、所詮は企業のビジネスに過ぎないというのが分かってくるんですね。


▲上司はサラに対し、自社のビジネスを優先するように説いてくる。


▲やがて、サラはザ・イーストの考え方に傾倒していくようになる。


テロ行為は続くが、やがて犠牲も生まれる。

メンバーの1人イジーは自分の父親が経営する会社が汚水を湖にばら撒いていることに対し、その湖に入らせることで罰を与えようとする。

この場面で、警察からの発砲を受けたイジーは、メンバーの必死の看護もむなしく死んでしまう。

ここでテロをとるか、命をとるかでメンバーに亀裂が入っていくのが面白い。


▲大好きなエレン・ペイジ。やはり死んでしまいましたな。


と、このへんまでは非常に面白く観ていたんですが、ラストに近づくにつれ急に大味になり、すこし乗れなくなってしまったのは残念でした。


▲するだろうとは思っていたけど、ベンジーとサラのセックスシーンは唐突すぎる気がしました(イラネー)。


最終的にエコ寄りな考え方に変わってしまったサラだけど、上司に対し捨てられたリンゴを食べてみせるシーンはちょっと強引な気がしました。


繊細な積み重ねがあっただけに、後半の急展開がとても勿体なく感じました。

と苦言を吐いてしまうのは、好きなテイストの映画だからこそですよ!途中までは間違いなく面白いですから。