みなさん、さようなら | 記憶のための映画メモ

記憶のための映画メモ

こんにちは!
大好きな映画も数日で忘れてしまう我が記憶力。
ユルユルの脳味噌に喝を入れるための映画ブログです。


みなさん、さようなら


2012年/日本/120分
監督:中村義洋
出演:濱田岳、倉科カナ、永山絢斗、波瑠、大塚寧々、ベンガル、ナオミ・オルテガ、田中圭、他
おすすめ度(5点中) → 3.6


――― あらすじ ―――――――
1981年の春。その年、芙六小学校を卒業した107人は、全員団地暮らしだった。その中の一人、渡会悟は突然、“一生、団地の中だけで生きていく”と宣言して周囲を困惑させる。団地で友だちも恋もできるし、いろんなお店が揃っているから就職だって問題ないという。そして中学に通わず、団地に閉じこもった生活を始める。勉強や体力づくりに努め、夜には団地の安全を守るために見回りも欠かさない、そんな規則正しい生活を続けていく。1度も出席することなく中学を卒業した後は、無事ケーキ屋に就職し、恋人もできる悟だったが…。(allcinemaより)


―――  感想  ―――――――

雪で外出が億劫ですね。昨日買い込んだ食料だけで今日は一歩も外へ出ず。惰眠とオリンピックとDVDを行ったり来たりです。


1981年、芙六小学校を卒業した107人は全員団地暮らし。その1人である渡会悟は小学校卒業後、「団地の中だけで生きる」と宣言。以来、学校へは行かず団地の中だけで生活をしている。

かといってダラけているわけではなく、早起きして乾布摩擦→英会話→朝食→皿洗い→運動→読書など、生活は規則正しく勉強も怠っていない。夜になると、同級生がちゃんと家に帰っているか確認するため見回りもしている。


▲さらに、極真空手に目覚めた悟は日々トレーニングを欠かさない。




▲107人いた団地の同級生たちは引っ越しで段々少なくなっていく。見送る人数が段々減っていくんですよね~。


一回も行かなかったけど中学校の卒業証書を手に入れた悟。今度は就職です。

彼は団地内にあるケーキ屋「タイジロンヌ」に何とか拾ってもらう。


さて、悟の隣には松島という同級生の女の子がいるんだけど、彼らはベランダでよく話をしているんですね。で、付き合っている訳じゃないんだけど、そのうち「ペッティング」なんぞをする関係に発展します。


▲松島と悟。松島を演じた波瑠さんは最近気になる女優さんでして…けっこう好きなんです。だから悟が松島のおっぱいを服の上から揉んだり、松島が悟のズボンのジッパーを降ろして手でモゾモゾしたりするのが、とっても羨ましくて(笑)。これは前半のハイライトですね。


▲そんな松島もやがて別の男と寝てしまいます。女って奴はどれだけ男心を踏みにじるのか(゜д゜;)クソガw


▲やがて団地内で働く緒方(左)と恋仲になる悟。なんだかんだで悟はモテている気がしますなw。



▲緒方と悟は婚約するんだけど、団地から出られない悟は婚約指輪を友人の薗田に買ってきてもらったり。ちなみにゲイ設定(だよね?)の薗田を演じた永山絢斗がなかなかハマっておりましたな。



▲でも婚約までして合計4年も付き合ったのに、緒方は離れて行っちゃうんですよね。団地から出られないという問題を抱えた悟に対し「普通の人がいい」みたいなことを言う緒方の台詞がグサリグサリと刺さりますな~。


中盤で明らかになる、悟が団地から出られない理由。

彼は小学校を卒業する直前に同級生を目の前で殺されているんですね。犯人は同じ地区の中学2年生。それがトラウマになり、団地から出られなくなってしまったんです。

ひたすら筋トレに励むのも、団地の見回りをするのも、その事件の反動だったんですね~。


で、やがて同級生のほとんどが団地からいなくなり、その頃になると、すたれいく団地の入居基準がゆるくなり、外国人居住者が増えたりします。


悟は広場でマリアというブラジル人の子どもと知り合いになります。マリアは体に傷を負っており、継父から暴力を受けていることが分かります。



▲マリアの継父でありDV野郎を演じた田中圭が殺したいほどにムカつきました(褒めてます)。


マリアのことで、この継父&その仲間2人と対決することになる悟。

それまで鍛錬を積んできた修行の成果が出るところが嬉しいですね。「悪の成敗」という図式なのでスカッとしました。


最後は亡くなった母親の日記に感涙です。団地から出ない宣言をした息子を温かく、そしてシッカリと見守り続けてきた母の想いが日記に綴られているんですね。そこには息子のことを信じてやろうという信念が感じられまして…。そういえば緒方と悟が別れの電話をしている時も、「何があったの?」とか野暮なことは聞かずに黙々とご飯を食べていたし、なんて理解のある母親なんだろう!と思いました。


“母親が倒れた”と電話できいた悟が、何のためらいもなく団地の外に駈け出していくシーンがとても良かったです。