招き猫の悲劇 | 雨ねこ。日和

雨ねこ。日和

雨ねこ。という名の小料理屋。
美味しい食べ物とお酒を置いてご来店をお待ちしています
●水~日曜日 LO22時 23時閉店
(テイクアウトは時間含め要連絡)
●月曜定休
杉並区西荻北3-4-8西荻ビル二階
03ー6913ー6481
X(旧Twitter): https://twitter.com/amenekobiyori

招き猫が好きです。


雨ねこ。には

たくさんの招き猫が居ます。


多くは自分で集めた猫ですが

お客様からいただいた猫も

開店当時からすると

増えています。


招いていない猫も居ます。


旅先や出張帰りに売店などで

かわいい猫を見ると

つい買ってしまうのだとか。

雨ねこ。に買って帰ろうって。

猫好きでもないのに。(笑)

ありがたい事です。



多くの招き猫たちは棚の上や

カウンターで

お客様を見守り、お酒の相手をし、

『商売繁盛』『千客万来』

と仕事をしています。



悲劇の招き猫の仕事場は

階段の途中の棚でした。

開店当時からずっと

その場所でお客様をお出迎えし、

お見送りしていました。



もうその猫児は居ません。




他の小さな猫児だけが居ます。



その猫児はガラスの招き猫で
駄菓子屋さんの小さなお菓子やお煎餅等
を入れられる蓋付きでした。


暑い日も寒い日も雨の日も
いつもそこで招いていました。


先日お店に来てシャッターを開けた時に
看板やライトの位置が違っていて
業者さんがぶつかったんだなぁと思って
階段を上がると招き猫が居ない。

えっ?

何処に行ったの?

その猫児が居た場所には蓋だけがあり
小さな猫児たちが色んな方を向いて
ビックリしている様子。


あぁ~~

割れちゃったんだなぁ・・

でも割れたガラスはない。

持っていかれたのかなぁ~




その後、連絡があり
配達の方が納品後に階段を降りる時
空瓶を落としてしまい
運悪く、その瓶が招き猫に当たり
猫児は階段を転げ落ちてしまった
割れた猫児を段ボールに入れて
辺りを片付け一時持ち帰った
という事でした。


その猫児の体を返してほしい!
とお願いして数日後
無惨な姿となって帰ってきました。



(痛い写真です。見たくない方はとばしてください)






ご遺体が家に戻ってきました。という感情。






お帰り!
ごめんね。
怖かったね。
痛かったね。
知らない場所で寂しかったね。
ごめんね!




あんな過酷な場所に居させて
8年もの長いあいだ
よく仕事してくれたね。
ありがとうね。
お疲れ様でした。
本当にご苦労様でした。




この招き猫の生前の写真はありません。



3・11の時
我が家の招き猫たちは棚の上から落ち
割れた猫児もたくさんいました。

そのまま捨てるのは可哀想で
破片を集めてそれぞれの猫児の色柄で
この猫児の体この部位と分けて
持っていました。

その猫児の体を家族が長い時間をかけて
破片ひとつずつ合わせてくっつけて
元に修復してくれました。



この招き猫が一番わかりやすいです。
ブラックジャックみたいでしょ?


だから割れたガラスをつける事が出来るかもしれないと少し考えたのですが、かなり細かく割れていると聞かされて戻ってきたら見てみようと思っていました。

段ボールの蓋を開けた時
あぁ~~
ショック
もう難しいなぁって。



だから
謝って
お礼を言って
お別れしよう。










8年間の短い人生いえ猫(にゃん)生を
まっとうして
他の猫児たちを棚よりも
もっと高い所から
見守る天上人いえ天上猫になって
いつまでも雨ねこ。に居てください。




ありがとう。