少し、語感が強いかなと思うが、私は、ならず者という言葉を、昨年の春以降、何度か使ってきた。「ならず」とは、成らずのこと。人として成っていない者という意味である。
この国の民法では、年齢20歳をもって成年としている(民法4条)ので、20歳未満の者は、未だ成らずの歳の者、未成年者として、保護されている。具体的には、未成年者が単独で法律行為ができないようにすることによって、未成年者を保護している。
102年前、1910年の8月22日に、韓国併合ニ関スル条約が調印され、1週間後の8月29日に、同条約が発効した。官僚言葉というのは、時に、熟語の字の並びを入れ替える。例えば、和平も平和も、併合も合併も、語感の違いはあるが、それぞれ、意味合いは変わらない。
日本は、近代化の端緒にさえ着いていなかった朝鮮半島の近代化を、日本人が納めた税金をどんどん投入して、推し進めた。当時、まだ、近代的な貨幣経済が浸透していなかった朝鮮半島では、近代国家である日本のように、整然と税金を徴収することができなかったからだ。
日本人の技術、日本人の資産を、惜しむことなく投入して、朝鮮半島の近代化を推し進めた。近代的な都市計画、近代建築、鉄道網の構築、上水道の整備などなど、枚挙にいとまがない。初等教育の体制を整備するだけでなく、現在のソウルに帝国大学を設置し、高等教育を受けたいと望む者に、その機会を与えた。
以前にも書かせていただいたが、法令とは、強制力の束である。条約も、もちろん、そうである。「是々を強制されたから金を出せ」とか「謝れ」という輩は、法令とは何か、条約とは何かを、全く理解していない者である。
残念ながら、まっとうな教育が行われ、行き届いているとは、言えない。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則