テーマ「政治経済思想理論」で前2回に渡って、民主の原理である「真理、自由、平等、友愛」の4つの権利と、人間の精神としての「気概、欲望、理性」の関係について解説してきた。


形の上では民主主義ではあるが、実際の民主主義を機能させなくさせるには、人間を「家畜人ヤプー」状態にしてしまうこと。

つまり欲望と理性だけの人間にしてしまい、真理と気概をなくさせることが必要になってくる。

ここで述べる気概とは、義務感に基づいた自尊心や独立心、目標の実現のために困難に立ち向かう気力を意味する。


欲望と理性を拡大させ気概を縮小させるには、欲望と理性を意識化させ気概を無意識化させることで可能になる。

更に現代はバイオテクノロジーやナノテクノロジーなどを用いて、人間そのものを変えさせてしまうことも可能である。

例えば、人間の感性を鈍くすると言われるフッ素や、男性の精子を減少させる人工甘味料や女性ホルモンなどの様々な物質の生活用品への混入など。

既に草食系男子などの大量出現でそのような現象は表れているように見える。


この状況を推進することを、通貨発行権を牛耳る国際金融財閥は目指している。

人間本位制を装うマネー本位制たる家畜民主主義である。



■民主主義にとって重要な「気概」の概念


欲望と理性の2つは資本主義経済にとっては必須だが、民主主義にとって必要なのは市民の気概である。

何故なら、民主主義のために命をかける人間がいてこそ民主主義は成り立つからだ。

フランシスフクヤマ 歴史の終わり下)から引用P227

<人々は、何時の時代も経済面を度外視して、民主主義を獲得するために命や生活を捧げて戦ってきた。このような民主主義者なしに民主主義はありえない。つまり民主主義を望み、それを生み出し、それによって自分の生き方をも築き上げようとする真の民主主義的人間がいなければ民主主義などは有り得ないのである。>



この世は熾烈なイデオロギーの闘争の場である。
社会にルールつまり法律がある以上、その倫理的命題を巡って正義の力関係が常に試されている。

古代ギリシャの市民には、政治に参加する資格が与えられていると供に、戦争に参加する義務があった。
民主主義のポリスを守るために必要な気概が求められたのである。

■重要な「気概」の方向性

気概を考える際
に、それをどのような方向に用いるかが重要となる。

例えば日本の武士や西欧の貴族には、戦士としての気概がある一方で、今から見れば些細な問題で切腹や決闘を行う文化があった。

激しいエネルギーを持つ気概は方向性を誤ると危険なものにもなる。

 

歴史の終わり(下)より引用 P260

<プラトンは「気概」を美徳の土台としながらも、「気概」そのものは善でも悪でもなく、それを公共の善に奉仕させるためには訓練が必要だと論じた。>


エゴイズムと気概が融合すれば、他者を支配したり優越を競うことのみに精力を傾けることになる。

カルトと気概が融合すれば、他者の人権を侵害し社会を阿鼻叫喚の地獄絵図に陥れることにもなりかねない。

気概を正しい方向に向かわせるために、ヒューマニズムに基づく民主主義との融合が必要となる。

そこには自由・平等・友愛以外に、「真理」という理念が必要になってくる。

その理由は、操作される自由民主主義において人間が持つ気概を満足させるために、二つの方法が巧みに使い分けられてきたからだ。

一つは、本当に権利を与えることである。例えば、普通選挙権や様々な権利など。

もう一つは操作して欺くことである。
権利を与えたと思い込ませれば、実際に与えられていなくても気概は満足する。
例えば日本は独立国家である、アメリカは正義の国である、欧州は自由平等友愛の実現した社会であるなど。

アメリカで近代的民主主義が確立されて以降、選挙権を含む市民の権利は拡大を続けてきた。

自由、平等、友愛の拡大は、人々の気概を満足させてくれる方向に発展してきた。

ところが、同時に偽りの通貨発行権の闇も深くなっていった。

これが、現在の民主主義の捻じれ現象である。

現在は資本主義経済の進展による欲
望と理性の意識化を通して民主的な気概はなくなりつつある。

民主政治がマネー経済に完全に飲み込まれている。

それを克服するには以下のようなプロセスが必要になる。

1 民主の原理を意識化する
2 気概を意識化する
3 民主の原理と、気概を意識化した魂の融合


最初に民主の原理を意識化することが必要である。

あくまでも民主の原理を拡大させるためのエネルギーとして、気概の意識化は用いられなくてはならない。

この順番を取り違えると、気概のエネルギーが別の方向に向かいかねず危険である。

全体の流れをまとめると以下のようになる。

まずは民主主義ができるまでの流れである。


以上のような流れで人間の魂を満足させる民主主義の世界化が資本主義経済とセットで行われてきた。
しかし銀行業の通貨発行権の独占により通貨を政府が持たなかったために以下のような状態になっている。



人間本位制を装ったマネー本位制のマインドコントロールが長期間にわたって続いてきたために、現在の自由民主主義の全体像は以下のようになっている。






このような自由民主主義の状況を続けていては、社会全体のスクラップ化が進み退廃が蔓延する。
病んだ国アメリカの現状がそうであり、属国日本もそのあとを追っている。

この状態を改善するには、金融と軍事の支配から独立するために民主の原理を意識化し、それと結びついた気概を意識化することである。

それは以下のようなモデルになる。




普通の市民が民主的価値に基づく行動がとれるモデルを作らなければ、真の国民主権の市民社会の実現は今後も難しいだろう。

気まぐれに発生する個人の勇気や優れた感性に行くすえを委ねるには、民主政治はあまりにも重要すぎる問題なのである。

<参考リンク>民主の原理である4つの権利(真理、自由、平等、友愛)を統合させ発展させる方法

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