【取材記】兵庫県立美術館に行きました | ACHYAKOのALOHAな毎日

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【解剖と変容:プルニー&ゼマーンコヴァー チェコ、アール・ブリュットの巨匠】展
について(2月7日放送分)

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現在開催中の作品展。3月25日まで開催
プルニー&ゼマーンコヴァーは、
チョコ出身の画家・ルボルシュ・プルニーとアンナ・ゼマーンコヴァーのこと。
アールブリュットとは、
フランス語で生の芸術・素材のままの芸術というようなフランス語の意味。
今、注目されている美術の一分野で、条件として、作家たちが専門的な美術教育を受けていないということ。また、芸術文化、もしくは社会と距離を置きながら制作してできた作家たちである。
障害者アートを指す人もいるがそうではない。
いわゆる通常の芸術家たちのように美術界で生きることが目的ではなく、
まずは自分のため。なので、作品に固執執着することなく、
創作することによって精神を解放する、そこに重点をおいている。
評価を受けたいなどの想いも持っていない、自由な発想で制作していくなどが、
アールブリュットの作家たちの特徴だそう。

解剖と変容・・・二人ともに体の構造や組織・姿形の変化をテーマとした作品を作っている。

今回の作品展は、フランスの非営利団体エーベーセーデー(abcd)コレクションという
世界有数のアールブリュットの収集の団体との共同企画で開催され、
約100点の作品と関連資料が並んでいる。

・県立美術館の学芸員・服部正さん談
注目される分野だけに、概要にスポットが当たりがちになるが、語ると時間も足りない。
どんな作品なのか知ってもらうきっかけとして二人の作家を紹介しているとのこと。

【プルニー】
幼いころから解剖することに強い関心があった彼の作品は、まさに解剖図。
内臓を写真を張ったり、紙やスタンプを貼ってコラージュしたり、
インクで細かな線を幾重にも書き込んだり・・・
その作業をした日にちや時間なども作品の片隅に小さな文字で記入している。

◎驚きの作品たち
*へその雑誌第2号
縦50センチ横40センチほどの紙にマス目(15×24個)
繊維が少し張り付けてある。着ていた服の繊維がへその穴に入ったのを採集し、
貼り付けていてそれがいつのものかと記している。
*父と母の遺灰を薄く円いガラスケースに閉じ込めそれを紙に張り、その円を囲むように周りに生まれた日から亡くなる日までの日数を書きこんだもの

紙や写真・インクのほかに血液や毛髪・皮膚など、体から採られたものが作品につかわれていたりする。

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ザンーンコヴァーの作品
【ゼナーンコヴァー】 
4人の子供の子育て終わったあと、ぽっかり穴が開いたような気持ちになり、
彫刻家の息子の勧めで絵を描きはじめた。
早朝、家事から解放される4時~7時の間に、空想上の植物や花をモチーフとする作品描いていた。
プルニーが解剖図なら植物の標本のよう。
クレヨンやパステルで色を入れている、寒色系であったり、カーキ色などのアースカラーを用いている
紙や布を張ってコラージュしたり、ビーズやスパンコールを使ったり、刺繍を施しているものがある。
空想上の植物は、子宮など体の器官・組織・細胞などであらわされている。

抱えていた苦難や問題、流産であったり、家族が育っていき、母の役割がおわることなど
、描くことで、自分の内面と向き合い、精神を開放していったようだ。

人の持つ力・潜在的なものを絵・芸術で開眼させた二人の作家。
独自の創作力・芸術性あふれる作品をまじかに見て、
今、注目される「アールブリュット」の世界を堪能してみて。

また、会場内ではアールブリュットの作家6人に密着して制作されたドキュメンタリー映画
「天空の赤 ルージュシェル」毎日上映している。

一般1300円 大学生900円 高校生・65歳以上650円

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                                 取材中
 
兵庫県立美術館・【解剖と変容:プルニー&ゼマーンコヴァー チェコ、アール・ブリュットの巨匠】展