見えない明日 | 墜落症候群

墜落症候群

墜ちていくというのは、とても怖くて暗いことのはずなのに、どこか愉しい。

 見えない明日

 自己犠牲の話。
 《得ない未来の可能性》(セルフ・サクリファイス・ステップバイステップ》。
 食人種に奥さんを殺されてしまった主人公は、人類意志の働きかけにより、夢の中で並行世界に干渉し、別の可能性を選択する能力を得る。
 ただし、それには自己犠牲が付き物であり、能力を行使する度に、大切な女の人との距離は遠くなる。

 世界A。元の世界。妊娠していた奥さんが食人種に殺される。

 以降は世界Aの主人公の夢であり、平行世界での現実。

 世界B。この世界から娘になったはずの女の子が主人公の頭に棲みつく。パートナー的存在。大切な人は恋人である。食人種に殺される。
 世界C。主人公とヒロインは赤の他人である。ヒロインには恋人がいる。主人公は食人種の影響力を排除するが、存在を犠牲にする。

 エピローグA。主人公を象徴する野花を見て、ヒロインが涙を流す。
 エピローグB。世界Aの植物状態で夢を見ていた主人公が満足そうな顔で死ぬ。※夢オチではない。平行世界(世界C)の中に『ヒロインが老衰死する可能性』を発見するものの、世界Aには何の変化もない、世界Aから見るとただの主人公の夢だった的なエンド。

 人間の遺伝子を12本から2本に変えた食人種の噂話。龍神伝説。顔が爬虫類の土偶の出土。

 ドラム缶に分割された死体。一部が食い千切られた痕がある。→世界Bのヒロインの死に姿。