天田龍太郎の世捨てメモ

自分なりに考えて、自分なりに作品を書く

 このサイトには、あまり根拠のない自分の考えや、小説未満の作品ネタ、あとは出来れば自作小説を掲載できればと思っている。
 思っているが、現状は由さんとのやり取りを行うスペースと化してしまっている。

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なぜ、俺にとってカオスチャイルドは『くそったれなゲーム』になってしまっ…
コメント無題byななし
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05月24日 19:29
IP:124.215.92.55
これ程本編をしっかり読み込んでないことが分かる感想も中々ないですよ。
熱中してポチポチしまくっていたって・・・ノベルゲームの感想で堂々と僕はこの作品をまともに読んでいませんと宣言するのは流石に良識を疑います。
あなたがこの作品の不満点、疑問点として感想に書かれていることは原作にしっかり描写されています。
trueルート、メインルートにおいて拓留が情強としての態度を貫いていないことに苛立っているよですが、それはそのはず。彼は情強であることに執着していないのです。読んでいて理解できませんでしたか?
恐らく、貴方が読み飛ばした部分にその答えが書いてあるでしょう。
その他のあなたが言う不満点においても同じことです。
そもそも流し読みで感想を書くのはよろしくないですよ。
自らの発信する情報に責任を持ちましょう。
それがあなたの言う情報強者の態度なのではないですか?

 カオスチャイルドのディスレビューに、未だにコメントがつくのがちょっと面白いですね。
 世間的には名作認定されてますから、俺の意見は異端っぽいんだろうな、とは思うんですが。
 ただ、何か俺はメジャー作品は大抵楽しめる人なので、カオスチャイルドについては珍しく、著しく好みに合わなかった、ってことなんだろうな、と自分では思っています。

 カオスチャイルドが俺にとって面白くなかった理由は、簡単に言うと、

1 メインヒロインが大量殺人鬼の実行犯であること。
2 主人公がメインヒロインの生みの親の責任を取らないこと。

 の二つです。
 まず、俺は尾上世莉架というメイン扱いのヒロインに全く感情移入出来ませんでした。
 だってサイコパスじゃん。
 主人公を英雄にするために、ラスボスの手足として、連続殺人事件を演出するって、明らかにミステリにおける犯人のポジショニングでしょ。裏切りは感じても、流石に「主人公のことをそこまで考えて、自分の人生を投げうってくれるなんて、世莉架好き好き」とは俺はならなかったよ(笑)
 普通に裁かれるべき人間でしょ。
 そして、尾上は主人公の願望を単純に具現化する人形っていう訳でもなかったでしょ。
 主人公の二重人格的な、裏の側面が現実に具現化してしまった存在、というのがもっと確定的だったら罪悪感も強くなったかもしれないけれど、世莉架完全にエゴで動いてるよね?
 世莉架は、英雄願望のある主人公が好きだったから、主人公に日常を与える家族とか友人が許せなくて、それを壊していったっていう感情面も感じられてしまうじゃん? 俺が好きだった来栖乃々(よっぽどヒロインっぽい)も嫉妬で殺しに掛かった側面があるだろうし。それってエゴじゃん。
 結局、世莉架は主人公に自分の好きな主人公であって欲しいという、私利私欲に塗れた願望のために、主人公の家族を殺し、主人公の友達を殺人者にしたりしちゃうんだよね。あと無関係な人を何人も殺してるよね?
 俺はどう考えても世莉架を好きになり得る要素がないと思うし、普通に連続殺人事件の犯人の彼女を許せない。

 後は追加項目として、それでも主人公が世莉架に感情移入して、自分で責任を取らなくては、と思うのだったら……「記憶を消して日常に返す」は、選択として温すぎでしょ。自己犠牲にすらなってない意味不明な選択にしか思えなかった。
 主人公の英雄願望の傀儡として、一人の女の子の人生を駄目にしてしまったと本気で考えるなら、世莉架をちゃんと英雄として殺してやれよ。又はその計略に乗って、ちゃんと事件の首謀者として仕立て上げられて、群衆の目の前で自殺しろよ。そこまでやって初めて『責任を取った』ってことだろ? 世莉架を生み出してしまった人間としてさ。いや、拓留を遠因として何人死んだと思ってんだよw っつー話(笑)
 世莉架を連続殺人犯として断罪するなら殺すしかないし、ある意味、世莉架もそういう終わりを望んでいたんじゃない? 後は、世莉架の人生の計略にちゃんと沿ってあげるなら、一つのバッドエンドとしてちゃんと群衆の目の前で自殺してあげるとかさ。大量殺人者を生み出してしまった親としてもさ。
 何かこう、主人公は本当の意味で連続殺人犯となってしまった悲劇の世莉架そのものに向き合えなかったと思うんだよね。
 あくまで仮初であった、日常の世莉架っていう幻影の方に感情移入してた。
 だから、本当の『大量殺人者』の世莉架を消して、自分に都合の良い幻想の方に塗り替えましたよ、と。
 正直、そんな風にしか見えなかったから、俺には胸糞悪かったわ。
 ただ、別に世間評としては『面白い』っていう意見のが多いんだから、別にそれでいいんでない? と思うんだけれど。
 どんな作品だって、どんな人気作だって好みに合わないって人は出てくるよ。しょうがないじゃない。
 それに元々、カオスチャイルドは『好みに合わない人もいるよね』っていうゲームだと俺は勝手に思っているけれどね。やっぱり王道とは言えないし、カオスヘッドより事件のスケールも内輪話だもの。『万人向けのシュタゲと肩を並べる名作!』みたいな扱いの方が、ちょっとブームっぽすぎない? とは思うけれど、多くの人がそう感じているならそれはそれでいいんでない? という感じ……。俺はそのお祭りにはうまく乗れなかったぜw ってだけです。

 逆に聞きたいんだけど、お前らはカオスチャイルドのどこがそんなに面白かったの?
 あと、尾上世莉架は許せるヒロインなの? どこが好きなの??
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☆☆☆☆☆ いよいよ核心へと迫り始める, 2016/3/18

 これまでジョジョリオンに登場してきた敵の中でも一際手強そうなヤツに襲撃を受ける中、とうとう仗助がどのようにして仗助になったのか、その過去編が語られ始めました! 皆大好き吉良吉影と『あのスタンド』の活躍を久し振りに見られただけでも感無量です。次巻で仗助の謎が本格的に明かされそうなので、早くも楽しみ!



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☆☆☆☆☆ なかなか濃ゆい巻です, 2016/3/18

 対エト戦において、危うい均衡の中にある主人公佐々木排世/金木研の精神のバランスがまた変動したり、エトの発言から『隻眼の王』が誰を指すのかが不明になったり、雛実ちゃん(成長後)が廃棄されかけたりするなど、CCGでもアオギリの樹でも事態の進展が見られました。
 最後に作家・高槻泉が記者会見においてある爆弾を落として次巻への引きになるんですけれど、reに入ってからは特にひたすらにCCG VS 喰種という構図がずっと続いていたので、ここらで世間一般のリアクションも見てみたいなとちょっと思ってしまいました。次巻も楽しみにしています。



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☆☆☆☆★ 今巻は抑えめ, 2016/3/13

 5巻巻末の予告から、ちょっとはエロにも期待したんですが、どうもエロを描くのは得意じゃなさそうだな、という感じ。悪役も何かこう、エロ同人に出てくる不良のようなエロ下衆さは持ってはいないですし。この作者にはあまりその方面での期待は出来なさそう。
 前半は『トモダチゲーム特別編』というか、番外編的扱いなので、いつもより緊迫感がないです。
 ともあれ、後半の第4ゲーム『友罪裁判』はそこそこ楽しめそうなので次巻に期待。
 トモダチゲームという作品自体は、俺はそれなりに気に入っていて、最近デスゲーム系って増えたんですけれど、やっぱり主人公が仲間を大事にしようとか、あるいは自分の死を何とも思ってない献身とか、どうしてもメンタルイケメン系の集団の中心リーダーになっちゃうんですよね。
 今作の主人公は『過去に殺人行為を犯している』という前提の、仲間(友達)から完全な信用を得にくいキャラクターですし、敵に対してはかなり容赦がない印象です(デスゲーム系漫画内の当社比)。
 過去に悪を背負った主人公って、テンプレと言えばテンプレなのかもしれないですけれど、俺は好みです。ダークヒーロー系のデスゲームが読んでみたいならオススメ。
 『神様の言うとおり』みたいに、黒幕サイドがぶっ飛んでいる作品ではなくて、ゲーム運営の正体に謎があって、その謎にどうやら友達の一人が関わっているらしい、というような作品です。



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☆☆☆☆★ 描くことを積み重ねる, 2016/3/13

 やはり久井諒子さんと言えば、今や一世を風靡する代表作となった『ダンジョン飯』になってようやく、一般に『エンタメ』として確かに提供できる技量を獲得したという印象で、このショートショート、ひきだしにテラリウムについても、半分弱くらいまではあまり面白いとまでは思えません。
 独特なファンタジー世界に現実味を持たせるのが久井さんの作風だと感じますけれど、前半は独自性のある世界を切り取ってはいても、切り取るだけに終わっていて、物語としてはかなり薄く感じられます。
 世界が提示されて、その中で何かが展開するわけでもなく、すぐに終わってしまう感。
 そういう印象が薄れていくのは、『えぐちみ代このスットコ訪問記 トーワ国編辺りから。ここら辺からある世界を提示した上で、興味深い物語に仕立て上げているというか、読んでいて面白いし、オチも捻ってくるという印象が強くなってきます。
 前作の『九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子』については、独特な世界観を誇ってはいたけれど、面白いとは思わなかったし、好みでもなかった。『通好みの作品だよね』という印象だったけれど、この作品はしっかりエンタメし始めているし、物語としての質も上ってきていると思う。
 独特な世界観を武器にしている漫画家も、続けて描くことによって物語を描くことに秀でていくわけで、やっぱり継続って力だな、とか感じちゃいました。



ひきだしにテラリウム
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☆☆☆★★ ラストがちょっと駆け足, 2016/3/13

 ゲッサンでは間違いなく人気作品の一つのはずなので、だから終盤間際での打ち切りは当然あり得ず、このラストは作者の思い描いた通りなのだとは思います。
 ともあれ、単行本として通して読んでみると、ラストがちょっと駆け足かな、と。
 ある意味、勢い重視ではあるし、オチはちゃんと付いているんですけれども、そのオチをしっかりと描写するためのページ数が足りないというか……。
 もう少し色々説明したり描写とかしたりしてもいいんじゃない? という感じではありました。
 今回の大オチについては、気にいる人もいるのかなあ。
 ヴァニラフィクションという、割と大規模な風呂敷を広げた作品にしては、「おお!」と膝を打つような決着ではなかったかな……とは思いました。描写が足りないせいもあるのでしょうが。
 単純な躍動感、面白さという意味では、前巻の鞠山の死の方が盛り上がったかな、くらいの印象です。
 ともあれ、ここまで読んできた人は、きちんと見届けてもいいラストには仕上がっているかと。



VANILLA FICTION 8 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
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僕と君の大切な話(1) ろびこ著 共感が大事らしいよ
コメントとなりの怪物くん by梅
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03月30日 18:36
IP:121.82.147.152
最近、ろびこさんの「となりの怪物くん」を読み次の作品が気になりレビューからきました。一気に13巻まで読んだのですが天田龍太郎さんの解説?で腑に落ちたというか。テンポがよく読みやすいですよね。私はおばさんなんですが楽しく読めましたし。僕と君の大切な話は購入するか迷っていますが、天田さんのレビュー楽しみにしています。

 アマゾンレビューは俺がそこそこ人の役に立てる分野かもしれないな、と考えていますので、わざわざブログにまで訪れていただき、コメントを残してもらい嬉しく感じます。
 取り合えず、僕と君の大切な話については、となりの怪物くんが楽しめたのなら、同様に楽しめる作品だとは思います。ろびこさんの良さは損なわれてはいないと感じます。ともあれ、テイストがちょっと違うのですが。
 となりの怪物くんについては、俺もアニメ化を前に読んだくらいのミーハーだったのですが、とても良い作品でした。
 元々俺は少女マンガもそれなりに読み込んでおり、あまりその分野に忌避感のない男ではあるのですが、それにしてもとなりの怪物くんには新鮮味を感じたものです。
 となりの怪物くんはジャンルとしてはラブコメ、恋愛を一つの主軸にしているのには間違いありませんが、しかし恋愛一辺倒ではなく、それぞれのキャラが自分らしさを表現していたのが良かったかな、と思います。それぞれキャラクターが立っていて、恋愛に溺れるだけではなくて譲れないものもあるというか。
 恋愛よりも勉学を優先する時もあるキャラクターであるとか、ヒロインに対して好きという気持ちを確信できないヒーローであるとか、なかなか面白かった。
 恋愛以上に、ろびこさんならではの世界観、仲間・友達としての絆が描かれていたのも大きく、それは他の少女マンガにはない魅力として機能していたと思います。
 今でも大好きな少女マンガで、それゆえ、今回コメントをいただき懐かしく色々とその世界を思い出せました。
 コメントありがとうございます。
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僕と君の大切な話(1) (KC デザート)
ろびこ著
エディション: コミック
価格: ¥ 463

3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 そうか、共感が大事か……, 2016/3/13
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レビュー対象商品: 僕と君の大切な話(1) (KC デザート) (コミック)
 男女関係について語る自己啓発系の本とかで割と良く見るのが「女と男は実は異星人くらい違うんだぜ」という言葉であるが、その異星人ほどに違う男女の差異をネタにしつつも、やっぱり恋愛を軸にしていくのがろびこさん作のこの少女マンガ『僕と君の大切な話』である。
 俺は男だけれど少女マンガとかよく読むし、『となりの怪物くん』は文句なしの傑作だった。だからろびこさんの新作ということで読まない手はないという感じだったのだが、漫画雑誌デザートで一話を読んだ限りではちょっと会話が思春期だなぁ……って感じで恥ずかしく、連載を追うのはやめた経緯がある。
 しかしまとめて読むとなかなか面白かった。
 男が読んでみると、ヒロインの方の心理描写は「なるほどなぁ」って感じ。特に納得したのは帯にも書いてある「大事なのは共感してあげること」で、これだけで大体女子の人間関係における行動原理の基礎が表現されているように気がする。
 会話というのは人間にとって最も基本的なコミュニケーション方法だけれど、男はどちらかと言うと自分の感じたことを語りたがる生き物なのではないだろうか。しかし女子というのは個というよりは群体であるという属性を重視し、だから相手が語ることについて「自分はこう思う」と反対気味の意見の提示をするよりも、「あなたはそういうことを感じたんだ。わかるわかる」と共感や持ち上げ気味の意見を入れてフォローする傾向があるのだろう。まあ、女子の方が平和だよね。それゆえのしがらみも大きいのかもしれないが。ということを感じた。
 ただ若干ツッコミたくなったのは、ヒーローの方がやっぱり少女マンガ的なヤローであることであり、いや、別にそれが悪いと言っているのでは断じてないんだけれど、男からすると「こんなヤツいねぇよ」と感じてしまうのがまた面白かったw

 前作との比較について一点。
 少女マンガの人気作といえば『アオハライド』が一番のように思うのだが、あの作者の咲坂さんも新作では『個性を持ったヒロイン』『陰を持ったヒーロー』という特別な世界を切り取った『アオハライド』から、より庶民的で一歩踏み出せない、ダブルヒロインを扱った『思い、思われ、ふり、ふられ』の連載に移った。
 個人的にはろびこさんの『となりの怪物くん』、そして今作の方が好きだし、単純な面白さでいえば上だとは思うが、しかし、人気作家の作品を並べてみると、『僕と君の大切な話』も特別なヒロイン、特別なヒーローから離れて、より感情移入を促すような地味めなペアの話となっている。
 『僕と君の大切な話』も、これまでにない少女マンガの軸を示していて新しいが、しかし『となりの怪物くん』のような『これから面白い物語が始まるぞ』という圧倒的なリード力は存在していないように感じる。
 やっぱり、より庶民的というか、読者が共感できるようなマンガに移行していく流行なのだろうか、と何となく感じてはいる。





◆僕と君の大切な話(1) (KC デザート)◆
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青春のアフター(2) (アクションコミックス(月刊アクション))
緑のルーペ著
エディション: コミック
価格: ¥ 670

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5つ星のうち 5.0 「俺には面白かった」, 2016/3/12

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レビュー対象商品: 青春のアフター(2) (アクションコミックス(月刊アクション)) (コミック)
今巻も楽しめました。
作品のレビューでよく、ネガティブな方向に尖った作品に対して、「俺には面白かった」(しかし万人にはオススメできない)というコメントを見かけたりしますけれども、むしろ万能で何でもできる、自分から行動するヒーローのような主人公よりも、この作品の主人公のように、何かに執着してしまったがゆえに、底辺を這うような人生を歩むことになる主人公の方が、共感を集める時代性にはなってきた気はします。
前巻で主人公は、ゲーム会社に現在は勤めているということになっていたから、何だかんだでトラウマを乗り越えて社会復帰したんだろうなー、とか思ってましたが、俺の想定より一段階くらいは、彼の燻り期間は長かったことが今巻では明らかになります。
前巻の主人公の心の中、消えてしまってそして現れた初恋の女の子を取るか、現在付き合っている彼女を取るか、みたいな心情的二者択一の流れは意外にもリセットされ、この巻ではむしろ高校生ヒロイン・さくらが主人公の献身的、あるいは依存的な過去に触れるという展開になっています。ここで言う過去とはさくらが世界から消失していた時期。主人公大学生辺りの話。
そしてくり返される『あのシーン』のリフレイン。
よくあるラノベやエロゲなら、主人公の主観的モノローグを貫いて男性読者への感情移入を促すんでしょうけれど、思っていたよりは群像劇っぽいかも。そこら辺は、ガーデンとかでも軸のあるオムニバス風の作品を描いていた作者の表現の方向性の名残なんでしょうか。
どちらかというと、主人公の依存性が他にはない特別として評価される流れなので、一巻ほどは心を抉られず、若干残念ではありましたが、この系統の作品はなかなかお目にかかれないこともあいまって、読み終わった今の心境としては、早く続きを読みたいという感じ。
前巻ほど痛くはないですが、前巻を楽しめた人ならきっと今巻も楽しめます。

……それにしても、主人公が羨ましいとまでは思えませんけれど、何か心を捧げる対象のある人生は、それはそれで素敵だよな、とか思っちゃいますね。





◆青春のアフター(2) (アクションコミックス(月刊アクション))◆
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ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫)
松村涼哉著
エディション: 文庫
価格: ¥ 594

18 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 『最大幸福』に従い、『悪魔』に石を投げよう!! キャンペーン, 2016/2/21

レビュー対象商品: ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫) (文庫)
 本屋で見かけて、久し振りに電撃小説大賞の受賞作を買おうと思った。
 ライトノベルテンプレや、あるいは出来が良くても優等生的な作品なら買いたくはなかったが、タイトルが印象的だったし、何より現実寄りのどちらかと言うと一般娯楽小説に近いテイストを感じ、それに『イジメ』がテーマみたいだったから。
 買って帰ってからAmazonレビューを確認し、高評価が山積していたからこれは面白いのだろうと思った。
 数日が経過し、冒頭三十ページくらいを読んで『なにこれ酷い』と思った。
 文章が酷い。かなり酷い。内容というより何だろう、ディテールの描写が酷い。
 これで大賞なのか。今回、電撃小説大賞に応募された四千五百七十九作品の中にはこれよりも文章力で秀でた作品は確実にあっただろう。俺自身は公募作すら完成させられないワナビにすらなれない男だけれど、しかしお世話になった批評サイトにも、この作品以上の文章レベルを誇っている作品はいくらでもあったように思う。
 具体的にどこが酷いかと言うと、まず自殺した被害者の、大学生の姉が、あまりにも大学生離れした幼稚なモノローグを使っているのが酷いし、いきなり高校の校長にアポイントを取って、実際に会えてしまう、というのがかなり荒唐無稽に感じた。校長の筋肉の発達具合を描写しているのが意味不明だと思ったし、また校長の語り口もお前もうすぐ六十歳になるんだろ、しっかりしろよ、と言いたくなるような感じである。この時点で、リアリティがないというか、物語の展開のために登場人物を都合良く動かしている感じがした。あと、年上に対する敬意や期待の欠如は、主人公である『悪魔』、菅原が一番頭が良いように見える(ようなモノローグを割り当てられている)ことからも明らかだろうとは思う。
 菅原視点の方はかなり読める感じだけれど、これは多分、俺が菅原というキャラクターにかなり感情移入できたからだろうな。勉強も出来ない、運動も出来ない、捻くれた考えを持つことしか出来ない、当然友達だっていない。そんな菅原にどれくらい自分を重ねられるかで、この物語の印象は大きく変わってくるのではないだろうか。ライトノベルを好む層はある程度共感できるだろうけれど、ある程度カースト(とか今は言うんだよね?w)の上位にいる層が読んで共感できるかはかなり謎。
 この物語の白眉は、菅原の語り(「」「」「」と連続する)部分だろう。ここで、弟を自殺に追い込まれた被害者の姉と、悪魔のようなイジメを行っていたはずの菅原の立場が完全に逆転する。そこにカタルシスがある。被害者の姉との対峙において、菅原が小市民性を最後まで保っているのもいいと思った。同時に、そこまで演技を徹底し、事態を拡大させる一貫性を持った菅原に『そこまで出来るのか、すげえな』と俺は素直に思った。まあ、物語の中だから出来るんだけれど、学校生活における多くの透明人間達、いじめられっ子達は当然、こんな『革命』なんて起こせずに黙殺されていくんだよな、と俺は俺と俺以外の誰か達に黙祷を捧げる。
 菅原はヒロインらしき女の子と結べないし、悪の親玉の校長も倒せない。しかし、校長が終始一貫していないのはさほど問題ではないんだろう。これは菅原の物語であり、校長は要するに『宿敵を倒せずに終わる』という、菅原の人生のアンチクライマックス性の象徴に過ぎないから。
 宿敵を倒せなかった菅原はしかし、得られなかった母性を、愛を与えてくれる存在に最後巡り合う。
 まあ、そんなもんなんだよな。一人でも、全存在を認めてくれる人がいてくれれば、それで個人の人生なんていくらでも救われちまうもんなんだ。
 だけど、問題は何も解決していないのだった。
 これはやはり、事態を何も変えられない個人のただの悪あがきの物語に過ぎないのだ。
 『人間力テスト』もそれを実施した藤本校長も、ただただ変えられない非情な現実の象徴に過ぎないのだろう。『人間力テスト』なんてなくたって、個人はいくらでも評価に左右される。
 SNSで、アプリで、ニコニコ動画で、いや、それはマンガでもアニメでもそうかもしれない。より多くの人から評価を集めたモノこそが正義! 人気者こそが正義!! そうじゃない人はいくら排斥してもイジメても構わないし、犯罪を犯したらどんな悲惨な家庭環境があっても、ぬるま湯の中からいくらでも投石してぶっ殺しても構わない!! これは要するに、日本の縮図であり、ただの現実でしかないのかもしれない。
 あなたは『悪魔』にならなかっただけの菅原拓なのかもしれないし、罪悪感を覚えながらも周囲に同調し石を投げることを試みる石川琴海なのかもしれない。
 しかし言うまでもなくあなた方の多くは、炎上騒ぎが起こる度にネットに湧き上がる『最大幸福』なのかもしれない。最大幸福に従っていれば皆、幸せ、幸せ。考えないで手を汚さないで皆で石を投げよう! 皆で『悪魔』を殺そう!!

 ――というワケで、かなり今日的な日本の問題に感情移入しながら読めば、この物語はとても優れた寓話として機能するだろうし、そうでない人には稚拙な文章による、描写の薄い小説に見えるのかもしれない。
 十人十色の感想がつく作品は傑作だと思う。
 だから、この作品は傑作だ。
 以上。





ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫)
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