ﾌｼﾞﾃﾚﾋﾞ系｢ﾃﾗｽﾊｳｽ｣の出演で知られる、写真家で音楽家の今井 洋介さんが11月23日、心筋梗塞のため亡くなった。享年31歳という若さで、自分と同い年だけにその訃報は衝撃的である。28日に、所属事務所がそれを発表した。関係者によると、亡くなったのは23日午後1時頃だという。鎌倉市内の自宅で、母親が発見したという。親族の｢そっと荼毘(ﾀﾞﾋﾞ)に付(ﾌ)せてあげたい｣という意向により、葬儀は25日に近親者のみで執り行った。一報が遅れた理由として、自身の写真展｢SHONAN WATER WALK｣が27日に終了するのを待って公表したからとしている。また、｢偲ぶ会｣なども予定していないという。
所属事務所は、｢私たちめ突然の悲しい知らせに言葉を失っております。湘南の海をこよなく愛し、笑顔を忘れず、ありがとうのｽﾋﾟﾘｯﾄを常に持ち続けていた今井 洋介を、いつまでも忘れないでいてあげてください。多くの皆様からの応援本当にありがとうございました｣とｺﾒﾝﾄしている。今井さんは、今月20日まで自身のﾌﾞﾛｸﾞを更新し、翌日に行うﾗｼﾞｵの公開収録を告知していたため、突然の訃報となった。
今井さんは、2012年に個展｢こんにちﾜｰﾙﾄﾞ｣を開催し、写真家としてﾃﾞﾋﾞｭｰした。2014年にはｼﾝｸﾞﾙ｢もう一度、手をつなごう｣をﾘﾘｰｽし、ﾐｭｰｼﾞｼｬﾝとしてもﾃﾞﾋﾞｭｰを果たした。2012年に放送が開始された｢ﾃﾗｽﾊｳｽ｣に、2013年7月から2014年3月まで出演した。番組ﾒﾝﾊﾞｰや視聴者からは、｢ようさん｣の愛称で親しまれていた。また、最年長ながら愛されｷｬﾗとして存在感を放ち、好意を持った住岡 梨奈さんへ送った曲｢手をつなごう｣が話題になった。
その住岡さんが、自身のﾌﾞﾛｸﾞで今井さんが亡くなる前日の22日にやり取りしたことを明かした。仕事で兵庫県姫路に向かうため早起きすると、ﾌｧﾝからﾂｲｯﾀｰで｢洋さん(今井さん)のﾗｼﾞｵ聴いてるよ｣のﾒｯｾｰｼﾞが届き、そのﾗｼﾞｵを聴きながら住岡さんも出掛ける準備をしていた。｢洋さんの声を聴いていたら、元気に頑張ってる姿が何だか嬉しくて、その日のﾒｯｾｰｼﾞﾃｰﾏは『お疲れさま』だっていうから、せっかくなので番組にｺﾒﾝﾄを送りました。そしたら、番組の最後に読んでくれて『ﾃﾗｽﾊｳｽでのその節はどうも』と、いつものﾈﾀで笑っていました。私も思わず移動中の新幹線で笑いました。曲も流してくれて、相変わらずなんて優しい人なのだろう。ﾗｼﾞｵが終わってから『何か、ごめんね』と連絡したら、『ありがとう、嬉しかった。姫路Rockしてきてね』って…｣今井さんとのやり取りは、それが最後となってしまったという。
また、同番組への出演者の一人だったNGT48の｢きたりえ｣こと北原 里英さんが、28日に自身のﾂｲｯﾀｰを更新し、｢洋さんのこと、聞いた時から今でもずっと信じられません｣と突然の訃報に落胆した。また、｢ﾒﾝﾊﾞｰ、ｽﾀｯﾌさん、そして観ていたみなさまに洋さんは愛されてます。私も大好きです。洋さんはいつ会っても優しくて、真っ直ぐに話してくれるから。ご冥福をお祈りします。それしかできないのが、心苦しい…若すぎます…｣と、悲しみの胸中を明かした。
1m85cmと長身だった今井さんは、2010年に100ｷﾛあった体重を半年で65ｷﾛまで減らすなど、度々過酷ともとれるﾀﾞｲｴｯﾄに励んでいた。また、亡くなった23日未明にはｸﾗﾌﾞでDJをしていたという。これらと突然の心筋梗塞との因果関係には、一体どのようなものがあるのだろうか?山野医療専門学校(東京都渋谷区)の中原 英臣副校長は、半年での大幅な減量について｢無理な食事制限など、偏った食生活をしていたのではないか｣と指摘する。所属事務所によると、｢太りやすい体質だったらしく、10年以降も急な減量をすることがあった｣と言う。中原さんは、｢不規則な食事習慣が続いていたのなら、心筋梗塞の原因として十分に考えられる｣と話した。また、深夜にDJをしていたことについては、｢他の時間の過ごし方にもよるが、昼夜逆転した生活を続けていたり、極端に睡眠時間が短ければ、疲労の積み重ねが引き金になった可能性はある｣と語った。
心筋梗塞は、体に痛みが出るなどの予兆もなく、突然発症するため予防が難しい。若い世代に多い疾患というわけではないが、20代や30代の突然死の原因の大半を占めるという。2011年には、心筋梗塞で亡くなったｻｯｶｰ元日本代表の松田 直樹さん(享年34歳)も、ｸﾞﾗｳﾝﾄﾞで練習中に突然倒れ意識を失った、恐ろしい病気である。
(参考資料:ｵﾘｺﾝ音楽情報ﾆｭｰｽ 11月28日付,ｽﾎﾟﾆﾁ芸能ﾆｭｰｽ 11月28日付&29日付)