あれから、15年。(19) | 泣き虫デザイナーのニューヨーク奮闘記、 のその後、それからの ご あきうえ

泣き虫デザイナーのニューヨーク奮闘記、 のその後、それからの ご あきうえ

ファッションデザイナー「GO AKIUE(ごあきうえ)」のブログです。
I am a fashion designer.
Creating clothes is my passion. I've designed clothes and accessories for actors, singers, and other media personalities.


今回で、NY編第一部完結です!


「あれから、15年。(19)」


プレゼンも終わり、一旦Midtownのスタッフルームに集合。
翌日の結果発表後に、敗者は即帰国になるので、みんながそれぞれ即帰国の心算でいるように
荷物をコンパクトに纏めた。

アパートメントは引き払ったので、オレ達はホテルに泊まる事になった。

Times Squareのホテルでブロードウェイのミュージカル劇場街のすぐそば、
ロックフェラーセンターもすぐそば、
かなりManhattanの一等地のホテルだ。


NYステージに四日遅れで入ったオレにとっては初めてのホテル!

そしてずっと誰かと共同生活だったオレは数ヶ月ぶりに一人の部屋で寝れる!

ちょっとホテルで仮眠をとった。
ベッド広いし快適!

部屋の中にはもちろん誰も居ないー☆
こんなんめっちゃ久しぶりやん!


なんか、ちょっと嬉しかったなぁ…
その時はその後、NYでずっと孤独になるなんて思いもせずにね。 (^^;;



夜は番組スタッフさん達やCigさん、そしてメンバー四人で結構高級なレストランで食事した。

まぁ、打ち上げじゃないけど打ち上げ的な。

誰かがプロデューサーさんに聞いた。


「もう、誰が受かるか決まったんですか?」

「そうだね、決まったよ。」

プロデューサーTさんの声が、いつになく穏やかだった…


後で知ったんだけど、多分あの時
アギレラは近くの別室に居たはずなんだよね。
あの後、多分すぐ決まったんだ。


そして明日朝、スタッフルームでの集合時間を伝えられて、オレ達は再びホテルに送り届けられた。


でもなんか、名残惜しくてね…
5組6人でNYに上陸して、それから3組4人に選抜されて、ライバルとしてだけど、ずっと一緒に過ごした。


どんな結果が出ても確実に明日は別れの日。
別れの時間は確実にやって来る。


みんな別れ難い気持ちだよ、やっぱり。
ずっとずっと一緒に居たんだもん。


K&Tカップルの部屋にみんな集まる事にした。
誰からとも言わず、自然な流れでね。


部屋で飲もうよ。
って事で夜のTimes Squareに買い出しに行ったの。
お酒とかアテとか買いに。


酒屋さんにね、プリクラがあってん。
凄いね、プリクラ。
カラオケと並んで日本発祥の現代文化のひとつ。
世界中あるよ☆


四人でプリクラ撮ったよ!



image

15年経った今も、オレの武器としてNYに一緒に連れてったミシンに今もちゃんと貼ってある。
ちゃんとカラーだったはずなんだけど、この歳月で色は褪せて変色しちゃったけどね。


このミシンもね、年月で調子が悪くて今はあまり使ってないけど、
プリクラも色は褪せちゃったけど、オレの大切な宝物だよ☆
共に戦ったメンバーと、共に海を渡って武器となって戦ってくれたミシン。

ミシン、一応まだ動くしね!



image


NYで一人になって、辛かった時
このミシンに貼ったプリクラ見て、オレ頑張らなきゃ!って自分を奮い立たせたよ!


部屋でお酒を酌み交わしながら、いろんな事を語り合ったよ。

最初にASAYANのオーディションを受ける気になったきっかけや、それまでの事。


いろんな事、話したけど
明日の別れの事は誰も口にはしなかった…
出来なかった…


別れの時間が確実に近付くのはわかってて
名残惜しかったけど、それでも夜は更けて明日は来る。

Kさんとオレはそれぞれ自分の部屋に戻った。


オレはぐっすり眠った。
お酒の力もあって、何も考えずにただただ眠った。

はじめて過ごすNYでのたった一人の夜。

---------------------



朝。
約束の時刻。
NYに来てる番組スタッフさん、Cigさん、Cigさんのアシスタントの女性、
そしてメンバー四人がスタッフルームのリビングに勢揃いした。


ディレクターのFさんがカメラを回す。
ADミキティもサブカメラを回す。


プロデューサーTさん
「それでは発表します。」


えっ!?
ちょっと待って、今来たばかりやん!
ちょっと待って…


「世界にはばたくファッションデザイナーオーディション合格者は
…」


淡々と、淡々とTさんは話すねん。


(…願いよ、届け!)



「合格者は、ご あきうえ」



声は多分出なかったと思う。
涙が頬を伝ったのは覚えてる。


「ありがとうございます!」


そしてK&TカップルとKさんは荷物を持って部屋から退室した。
ミキティのサブカメラが二組を追う…
それっきり、NYでK&Tカップルと会う事はなかったし、
あれから15年経ったけど、この瞬間を最後に
Kさんと会う事は2015年1月の時点で一度もない…

Cigさんや他のスタッフさん達はそのままJFK空港まで送る為、メンバー達とスタッフルームを去った。

リビングにはプロデューサーTさんと、ディレクターFさん、そしてオレの三人。

Tさんと、カメラ越しのFさんに

「GOくん、おめでとう!」
と、優しい笑顔で祝福を受けた。

二人の祝福の言葉を受けて

オレ、合格したんや!
オレ、優勝したんや!

実感と言うよりも、なんとなく安堵に包まれたのを覚えてる。


これが、オレが
ASAYANの「世界にはばたくファッションデザイナーオーディション」
の、グランプリを獲った瞬間。

2000.2.10、まだ寒いNYのJust before noon。


夢の一歩を踏み出した瞬間だった。


この日から、生活環境も含め全てが180℃変わった。
ファッションデザイナーAKIUE GOのサクセスストーリー。
アメリカンドリームの始まりだ!


---------------------------------
あれから15年。NY編 第一部 ー 完 ー

(※みんな誤解してるけどオレ、カメラの前で泣いたのこれが初めてだよ!
泣き虫デザイナーと称されて、最初からバシバシ泣いてたイメージがあるけど。
一応、わずかな名誉の為に☆)


ーーーーーーーーーーーーーーー


NY編の今までのお話はこちら☆

↓↓↓



ーーーーーーーーーーーーーーー

#TimesSquare #プリクラ #NY #NewYork #ニューヨーク #ASAYAN #世界にはばたくファッションデザイナーオーディション #2000年2月10日 #Justbeforenoon