乳と卵/川上 未映子
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1年前の芥川賞受賞作川上未映子の『乳と卵』です。


いったい、日本のいわゆる純文学は、どうなってしまったのでしょう。

鹿島田真希くん  といい、田中慎弥くん  といい、そしてこの川上未映子くんといい、どれもダメダメじゃないですか。

いや、川上くんのこの作品は、いま挙げた他の二人の作品とは異なって、少なくとも何が書いてあるのかはわかりました。

でも、なぜそれを書きたいのか、てのがぜんぜん伝わってこない。

豊胸手術をしようとする姉と口を利かないその娘がやって来て、最後に生卵で頭をぐちゃぐちゃにし合う……でタイトルが『乳と卵』て、ちょっと顔が良いからって舐めてますね世間を。

いや卵はその生卵ではなく、卵子、つまりは人間の元になるあれ、その多くはムダに体外に排出されてしまうあの卵子を指すのであって、これはつまり女性の生と性を描いているのであって、云々、てのはナシね。

そんな風には読まないから。


この作品が、何かの賞に値するとは到底思われません。

少なくとも世間の注目度の高い芥川賞を与えるべきではない。

だって、これ読んだ普通の人は、純文学ってわけわかんねー、てしか思わないよ。

これなら、この回候補になるも受賞に至らなかった 楊逸  の『ワンちゃん』の方がましだと思います。


評価 ☆☆



   川上未映子の本