切れた鎖/田中 慎弥
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第138回芥川賞候補作にして落選作、田中慎弥くんの『切れた鎖』です。

ちなみにこの回の受賞作は川上未映子くんの『父と卵』。


田中慎弥くんは今回(第140回)の芥川賞候補にもなっています  が、実力のほどはいかがなものでしょうか。


地方の旧家、桜井家。

その屋敷の裏にある在日朝鮮人のキリスト教会。

一人娘を抱えた梅代は、夫をそこに住む女に寝取られる。

夫は家を出て行方をくらませてしまう。

やがて教会に赤子が生まれる。

夫の子なのか?

梅代は娘が教会の男の子と遊ぶのを厳しく禁じる。

娘は顔がいいだけの男と結婚するが、孫娘と共に屋敷に出戻ってくる。

そして男たちと夜な夜な遊び歩く。

梅代は孫娘と娘の帰りを待つが、ある夜、娘はとうとう帰らない。

教会の男(=夫の子?)が持つ十字架の鎖に孫娘が手を出し、男から孫娘を引き剥がそうとした梅代は鎖を引きちぎってしまう。

路面に落ちた十字架を蹴ろうとする孫娘を梅代は制止する。


と、これが一応のストーリーなんですが、わからないですよね、何が言いたいのか。

でも、読んでもこんな感じなのです。

作者は、何の必要があってこれを書いたのか、さっぱりわかりませんでした。


やはり今回の芥川賞も田中慎弥くんはない、と思いたいところですが、面白くもなんともない文章の羅列に受賞させることが最近の流行のようですので、どうなるかわかりませんよ、これは。



評価 ☆☆



   田中慎弥の本は ここ