少子高齢化と経済指標 | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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やっと明るい未来を語る政治家が総理大臣になりました。しかし、闘いはまだまだこれから。子や孫が希望を持てる国になることを願うおやじです。

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先日の毎日新聞に次のような記事が掲載された。「日本のゆくえ・現場を歩く 2016参院選」と題した8回シリーズの最終回で、アベノミクスで倒産が減ったというが、その陰で中小企業の町工場が2日に1件の割合で消滅しているとアベノミクスにケチをつけている。

 


日本のゆくえ・現場を歩く
2016参院選/8止 アベノミクス(その1) 町工場、2日に1軒消滅
毎日新聞2016年6月12日

「倒産3割減」の陰で
 日本最大の「ものづくりのまち」東京都大田区で1月、戦前から75年続く金型を作る町工場が、ひっそりと廃業した。

 「この辺の人はみな、アベノミクスの恩恵なんかにあずかってないよ」。経営者の女性(72)は言った。「もうかってないけど、借金しないでやってきた」。無借金経営だったが仕事は少なく、残った職人たちも高齢で、潮時と考えた。

 

(中略)

 

 「民主党政権時代、中小企業の倒産件数は今よりも3割多かった」

 

 今月10日夜、三重県四日市市の文化会館で開かれた参院選立候補予定者の決起大会。安倍晋三首相は会場を埋め尽くした約1800人に向かってアベノミクスの成果を強調。胸を張って繰り返した。「私たちは3割減らしたんです」

 

 アベノミクスは滑り出しの円安・株高で、一部の大企業に巨利をもたらした。安倍政権は、巨利が中小企業へ「トリクルダウン(滴り落ち)」する状況を思い描いていた。本当に滴り落ちているのか。

 

 民間信用調査会社「東京商工リサーチ」によると、倒産はしないまでも休業や廃業、解散のケースが多数存在する。確かに倒産件数は2012年比で3割近く減ったが、休廃業・解散件数は09年以降、2万5000件超の高水準で推移。昨年は2万6699件で、倒産件数の3倍に上っている。

 

 大田区による「区内の工場数の推移」(複数の統計を使って集計)によると、民主党政権当時の12年2月時点に3967軒あった工場は、14年12月時点で3481軒。その月には、安倍首相が「アベノミクスの成果」を掲げる衆院選があった。ほぼ2日に1軒のペースで工場が消えている。

(以下略)

http://mainichi.jp/senkyo/articles/20160612/ddm/001/010/197000c


経済が絶好調であっても様々な理由で倒産したり休廃業する企業はある。そこにアベノミクスの恩恵があるかと聞けば「ない」と答えるに決まっている。しかも、72歳の経営者が語る廃業の理由は「無借金経営だったが仕事は少なく、残った職人たちも高齢で、潮時」ではないか。

 

「経営者も職人たちも高齢で潮時」と考えたのだ。しかも、見出しでは安倍政権になって休廃業が増えているのかと思ったら、記事に添付された以下のグラフで休廃業も減少しているのだ。

 

 

アベノミクスを批判しようとして、倒産だけではなく休廃業も減っている事実を示すとは人のいい記者だ。ただ、倒産が減っているとはいえ休廃業が多いことは確かである。そして、記事で取り上げたような経営者や職人の高齢化が大きな要因の一つであることは間違いなさそうだ。

 

つまり、少子高齢化の波はリーマンショックやデフレ不況を生き抜いてきた中小企業にも押し寄せている。だから、安倍総理は一貫して次のように訴えてきた。


「われわれは少子高齢社会に真正面から取り組んでいかなければならない。(わが国は)しばらく人口減少が続いても成長していくことができる。それはみんなが活躍することだ」と語り、一億総活躍社会の実現に全力で取り組む決意を表明しました。
(6月11日 松山市のホテルでの演説より)
https://www.jimin.jp/news/activities/132466.html


団塊世代がすべて65歳以上となり定年延長の期限も切れた。すでに始まっていた労働力人口(15~64歳)の減少はここ数年間で加速していたのである。しかし、少子高齢化といいながら、現実にその影響があちこちに出ていることを無視した議論が目立つ。

 

労働力人口自体が減少していることを考慮すれば雇用関係の統計の見方は変わるはずだし、給料もスキルも高い世代が大量に離職していることを踏まえれば、賃金指数の見方も変わる。ただ、それを無視した議論でも一般には分かりにくいから、こんな主張がもっともらしく見える。


「アベノミクス効果」本当か?!首相が誇る数字の真実
しんぶん赤旗 2016年6月11日(土)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-11/2016061103_01_1.html


共産党は昔からデータやグラフを使って説明するのがうまく、このデータも一見それらしく見える。だから、攻め手のない野党が今後これを根拠にアベノミクスを攻撃してくる可能性がある。尚、この記事の存在は『C@Q #可処分所得倍増計画』さんの書きツイートで知った。


C@Q #可処分所得倍増計画
まとめを更新しました。「共産党しんぶん赤旗「アベノミクス効果、本当か?!」の検証をさらに検証しました。」

まとめ→http://togetter.com/li/986877


このまとめでは上記記事のあらゆる項目に対して反論されているので、ぜひ読まれることをお勧めする。当ブログでは、取りあえずこの記事の「正社員が-」の部分を検証し、反論したい。尚、記事中の太字強調はブログ主。

 

 

「アベノミクス効果」本当か?!首相が誇る数字の真実
しんぶん赤旗 2016年6月11日(土)

 

 安倍晋三首相は、自身の経済政策「アベノミクス」が「効果」をあげているとする都合のいい数値を宣伝しています。自民党の「参院選公約2016」も冒頭から、経済数値を列挙しています。「数字はうそをつかないが、うそつきは数字を使う」といいます。ご都合主義の数値、国民の立場から見たらどうなるのでしょう。検証しました。

 

(省略)

 

就業者数

増えたのは非正規

 

 安倍政権は、就業者数を110万人増やしたといいます。労働力調査によると、12年の6270万人から15年の6376万人へと就業者は106万人増えています。問題はその内訳です。

 

 12年と15年を比べると、自営業者で16万人、家族従業員で18万人減少しています。役員を除く雇用者は130万人増加しました。ただ、雇用者を雇用形態別にみると、非正規雇用が167万人増える一方、正規雇用は36万人も減少しています。安倍政権の3年間で増えたのは非正規雇用ばかりです。

 


 安倍首相は、「正規雇用が26万人増えた」と繰り返します。確かに、正規雇用は、14年の3278万人から15年の3304万人へ26万人増加しています。しかし、第2次安倍政権が発足した12年からは減っています。就業者や雇用者が増えても、不安定な非正規雇用では雇用の質が悪化するばかりです。

(引用ここまで)

全文はこちら→http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-11/2016061103_01_1.html


非正規雇用が増えた理由が批判されるどころかアベノミクスの成果であることは繰り返し書いてきた。だから、ここではグラフを使って指摘してきている「正規雇用36万人減少」について分析してみた。カギは生産年齢人口の減少である。

 

赤旗のグラフは別に間違っているわけではなく、全世代で2015年は2012年に比べて確かに36万人減っている。しかも、これを生産年齢人口(15~64歳)に限ると48万人減少している。つまり、65歳以上の正規が12万人増えているから全体では36万人にとどまっているのだ。

 

では、何故そんなに減ってきたのかのを示すのが次のグラフだ。

 


ずっと減り続けてきた生産年齢人口が2013年以降さらに急激に減少している。団塊世代が次々と65歳以上になっていったからだ。正規雇用者は48万人減少(2012年→2015年)したが、生産年齢人口は335万人も減少していたのである。

 

細かい数字を見なくても、安倍政権下では生産年齢人口が激減しているのに正規雇用者の減少に歯止めがかかり、2015年には増加に転じていることが分かるだろう。分母が減っているのを無視して、絶対数で比較するのは間違っているのである。

 

上記のグラフを「15~64歳の人口に対する正規雇用者の割合」で表すと次のようになる。

 

 

アベノミクスは少子高齢化が激しく進展する中で、新卒者の就職率の向上や非正規社員の正規化などによる正社員の増加を実現したのである。

 

赤旗の記事には冒頭の毎日新聞の主張と同じく「企業倒産が減っていると安倍総理は言うが中小企業数は減っているー!」も入っている。まるで示しわせたようだが、攻撃ネタに困っている民共連合が討論会や演説でこれらの数字を使ってくるだろう。

 

彼らの主張には現に少子高齢化が進んでいるという視点が全く欠けている。赤旗の記事では「有効求人倍率は上がっても就業者数が9000人減っている」と主張しているが、これも生産年齢人口が減っていることを無視した議論だ。

 

アベノミクスは、少子高齢化と消費増税という激しい逆風のなかで達成した。

少子高齢化の元で成長を続けるには、「この道を。力強く、前へ。」しかないのである。

 

(以上)

 

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