「八雲ヶ原を守る会」さん…21日の県の方々との現地視察の内容をご連絡いただくとの事務局長さんのお言葉だったのですが…今回もまた、やっぱりいただけないのでしょうか、本日までのところは未着です。


途中、ファミリーの大長老K仙人様のもとに寄り、一連の過程をご説明…というより、愚痴っちゃいました。(;^_^A

やはり、日々、お山で過ごし、お山の空気を味わい、木々の、鳥たちの声を聞き、お山の様子をご自分の目で見て、肌で感じられている仙人様に聞いていただくと、少し気が楽になります。(^∇^)


で山上にとうちゃく。

山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~


ただいま~!
山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~

ちゃっちゃとランチをすませ、今日の作業に出発。

今日の作業は、まず…ロッジ跡裏~湿原間、(以前崩れていて一昨年修復された)北比良峠とロッジ跡間縦走路~湿原間の谷を、自分の足で歩き、自分の目で確認すること。


一昨年の京阪さんによる再工事に至る前~途中、マスコミや一部山岳会団体関係のブログ等で、ロッジ跡の土中から出てきた大量のゴミ等と湿原の関係において、下記のようなことが報じられていました。


1.湿原には、どこから染み出たのか、油が浮いている。

(これのことをおっしゃっていたのですね↓)
山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~

2.湿原には、ロッジ跡裏に埋められていたものと思われるゴミが流れ込んでいる。

3.湿原には、ロッジ跡裏、あるいは、北比良峠とロッジ跡間縦走路の崩れた個所から土砂が流れ込んでいる。


だから、旧スキー場撤去工事が、湿原に悪影響を与えているという論旨でした。


1については、油で汚れているどころか、キレイな水源としての機能をしっかりはたしているからこその現象であることを、検査結果をもって、報じられていることが間違っていることをご紹介し(こちらの記事 )、前述の団体さん関係者の方にもご連絡、その機関紙でも、事実とは異なっていたことをきちんと明らかにされていましたので、解決済みです。


2については、あえてその団体関係者さんにはお知らせしませんでしたが、湿原に流れ込んでいたゴミは、ロッジ跡から流れてきたものではなく(一部はあった可能性は否定しませんが)、主に、そのすぐ南に、数十年前まであったという避難小屋(比良索道さんではなく県の管理とお聞きしました)跡周辺に埋められていた、昔の登山者のゴミが長い年月で地表が洗われ表に出てきて、それが降雨時に湿原に流れ込んでいた可能性が高いことは、ワタシのブログでご紹介しました(こちらの記事 )。


今回は、残りの3「湿原には、ロッジ跡裏、あるいは、北比良峠とロッジ跡間縦走路の崩れた個所から土砂が流れ込んでいる。」について、本当のところはどうなのか、自分で“感じたい”と思いました。

というのは、八雲ヶ原を守る会さんは、今回、南部湿原の工事の必要性も主張なさっておられるのですが、その根拠となる問題点のひとつとして、この3をあげていらっしゃっていて、その工事について、ワタシなりの考えを整理するためには、どうしても自分の足で谷・沢を歩き、目で見て、感じる必要があると思ったのです。実際に確認もしないで、意見など、言えないですから…。

事務局長さん曰く、「ロッジ跡、(崩れた縦走路)は工事したから、今はもう土砂は流れてきていないかも」とのことでしたが、あの時期、もしそこからの土砂が大量だったとしたら、まだその跡はのこっていると思われ(再工事では、谷のゴミは拾っても土砂までは除去していないはず、していたとしてもその跡があるはず)、確認できる可能性は高いと思われました。



まずは、ロッジ跡へ…。

一昨年秋、京阪さんによる植樹は北比良峠の一本を除き全滅だった様なのですが…


そのネットの根元周辺に、草が結構目立っていました。

この際、草でもいい!とにかく植物を!

なんか、うれしくなりました。
山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~


ロッジ跡裏。ここが崩れ、大量のゴミが露出して問題になり、一昨年の再工事につながったわけですね。
山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~

そのすぐ下とその先しばらくは、なるほど砂が目立ちましたが…

間もなく、山中の他の谷とさほどかわらない感じになりました。

山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~


途中、左方、(崩れていた)縦走路方面からの流れが合流、その流れを遡ってみました。

途中、ミニ堰堤が2つありました。

流出した土砂が南部湿原に届いているとしたら、この堰堤の上か下あたりに、それなりの砂がみられてもいいと思うのですが、特にまとまった砂があるようには見受けられませんでした。

山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~


崩れていた個所の真下近辺までくると、なるほど、土砂が目立ちました。

縦走路から下の谷を眺めると、おそらくこの土砂が目に入ります。
山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~

で、ここに出ます。
山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~

で、結論ですが…あくまでもワタシの感じたところですが、ここの土砂が、離れた場所にある南部湿原にまで届いていたとは、感じられませんでした。おそらく、違っていたんじゃないかと…。

少なくとも、因果関係は明らかとは言えないかと。


で、今度は湿原に向かいました。


北比良峠東斜面…徐々に崩れ方がひどくなっているように思いません?
山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~
ここをなんとかする方が、ワタシ的には、緊急性も重要性も、よほど高い様に思うのですが…

もし、ここがドッサーと崩れたら、シンジ谷に影響が…シンジ谷は、比良川の源流のひとつ、それこそ、地元の皆様にとっては一大事になりかねません。



南部湿原に、土砂が流れ込んでいたこと自体は誰の目にも明らかな事実、では、その砂はどこから?となると…これについては、もっともっとしっかり調べる必要があるでしょうが、可能性が高いかもと考えられるもののひとつは、これです。↓
山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~

北比良峠から八雲ヶ原に下ってくる登山道の浸食、どんどん進んでいると感じるのはワタシだけでしょうか?

もし、どうしても工事しなくてはとなったとしても、砂の出所をきちんと分析しないと、的外れなことになりかねません。ロッジ跡or縦走路の土砂前提の検討は、やはり危険かと思います。


で、これが、湿原への水の入口。

赤矢印が、奥の深谷方面、青矢印が湿原中央部方面です。
山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~

現在、水の流れのほとんどは、湿原中央部方向ではなく、奥の深谷方面に流れています。

一昨年の台風12号の翌日、ここの状況を見ましたが、あのものすごい状況下でも、水は湿原中央部ではなく、奥の深谷方向へ(もちろん一部は中央部へも行っていたでしょうが)。皮肉にも…それまで流れ込んでいた砂と流れてきた木の枝等で自然の土手がつくられていたようで…。その時は、「湿原への水の流れが変わってしまっている?湿原の水がかれない?」とすら感じたくらいでした(この流れの北側に水の流れがもうひとつありましたし、そもそも湿原ですので、あちこちから水がでてきていることがその後わかり、一安心はしましたが)。

自然の叡智、脅威の適応力でしょうか。


で、その奥の深谷方向の状態がこれ↓

山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~

ご覧のとおり、緑が目立ちます。状況からすると…ここは、ほぼどなたも歩かないことが、植生回復に好影響を与えているように思われました。


湿原中央部の方も、人が歩かない場所は、緑が目立ち、確かに回復している?と感じられます。
山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~

ところが、人が歩いているところは、全くといっていいほど、緑はみられず…
山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~
これらからすると、もし、今の南部湿原に工事が必要だとすると、それは、むしろ、人の歩く場所の制限、ないしは、木道の延長ではないでしょうか。そもそも、その前に、木道の修復や、バタバタ倒れている「湿原におりないように」立看の整備や、湿原区域の柵の整備かなと…。

守る会の事業計画にあった「砂の除去」は、こうやって考えると、やはり危険かなと…。

せいぜい、沢の中に現存する土だまりのようなものの、再整備程度で、まずはいいのではないかと感じます。


八雲観音様横の件についても感じたところはあったのですが、それについてはまた別の機会に…。

いずれにしろ、先月関係者に流れた「昨年秋から比較して1m浸食」は、実態とは異なる誤解を与えかねないことは先日明らかになりましたので、十分な調査と検討をお願いしたいと思います。


くれぐれもご理解いただきたいのですが、これらは、決して会の存在を、関係者の方々のご意見・ご努力を否定しているのではなく、ひとえに、「十分な調査と検討」がそれら関係者の方々にとっても、そして、それ以外のたくさんの方々にとっても必要と考えるが故ということ、どうかよろしくお願いいたします。


あ~あ…
山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~
毎回同じことを書くのも疲れてきました…。

ホントにま~!ということで、以下、同文(`×´)

片方で「草が生えてきた!」と喜ぶ人がいる一方で、貴重なコケや草を平気で燃やせる人がいる…。

やるせなくなります…(ノ_・。)


今年も、我が家にサギゴケの群生が…(*^▽^*)
山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~
特に珍しいわけではなく、どこにでもある植物ですが…

ワタシには、八雲ヶ原回復の、象徴の様に思えるのです。


八雲ヶ原は確実に、力強く回復していると感じます。

今、最も大切なのは、その「自ら回復しようとする力」を応援することであり、そのために必要であれば、その力がそこなわれないよう、そっと手を差しのべてあげること。

それ以外は、できるだけ、自然の力を、適応力を信じる…

そうあらためて感じました。


今年も、学生さんのシーズンがやってきました。

山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~


朝のコヤマノ岳さん、新緑の空気は、キモチいいですね♪
山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~


ちっちゃく写っていますが、utaotoファミリー(^∇^)
山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~

utaちゃんは、大きくなったら、ここに小屋をたてるのが夢なんだそうです。

八雲ヶ原を守る会の件だけでなく、このところ色々あったので、疲れていたけど…

心があったかくなりました。(*^▽^*)

utaちゃん、きっと、その頃には、緑が青々と、フサフサになっていることでしょう。

その日のために、次代にそんな八雲ヶ原を…。



行ってきま~す!
山川草木悉有仏性・八雲ヶ原からこんにちは♪~武奈ヶ岳・コヤマノ岳はじめ比良の山々に抱かれて~