生命保険にはいくつか気をつけなくてはならない制度があります。
今回は、注意すべき制度の1つ、「転換(テンカン)」について解説します。
先日、生命保険の見直しのご相談をいただいたお客様から以下のようなご質問をいただきました。
40代のご夫婦でお子様が2人いらっしゃるご家族です。
「先日、生命保険を切り替えた。」
「15年くらい前から加入した保険があったのですが、更新が近いということで、
同じ保険会社の新たな保険に切り替えた。」
「今までの保険を下取りして切り替えることができるのでお得だと言われた。」
「本当に切り替えてよかったのでしょうか?」
こんなご質問です。
結論から言うと、
この場合の切り替えはお客様にとって不利益となる点が多い切り替えだったと思います。
この「下取り」というのは「転換」制度のことを表していますが、15年前の予定利率が今より高い保険契約を、現在の低い予定利率の保険契約に転換しているため、お客様にとってデメリットが多いと考えなければなりません。
以下に詳しく解説します。
<生命保険の「転換」という制度>
私自身はこの「転換」をお客様に勧めたことがないのですが、お客様から「良く分からない」と質問される上位に入る制度です。
今日はその「転換」についてご説明してみたいと思います。
似たような言葉に「変更」「変換」「更新」などがありますがどれとも全く異なる制度です。
転換とは?
加入中の生命保険の積立部分(解約返戻金や配当金)を下取りに出して、新たな生命保険を購入すること。
⇒全く新規で加入するよりは割安な保険料で加入することができます。(これがメリット)
環境の変化などでニーズが変わり、生命保険の見直しが本当に必要となった場合には、有効な手段の1つと言えるでしょう。
しかしデメリットもあるので保険営業者の方に「転換」を勧められても安易に応じることは注意が必要です。
「転換」をご検討の際には以下の点に注意してください。
① 同じ保険会社でなければ利用できないこと。
② 保険料は転換時の年齢や予定利率で計算されること。
③ 告知や診査が必要であること。
上記②が最も注意すべきポイントです。
特に予定利率が高く積立割合も高い保険契約から、現在のような予定利率が低い環境下で契約を転換した場合には、大きなデメリットが生じる可能性もありますので、ご注意ください。
転換を勧められたときは、現在契約の予定利率と転換後の予定利率を聞いて比較してみてください。
転換後の予定利率の方が低い場合には、転換するとデメリットになるケースがほとんどです。
世の中のすべてのことは、メリットがあればその裏側のデメリットも必ず内在するという認識を持つことが保険見直しにおいても重要なことですね。
安易な「転換」による見直しは十分に注意してくださいね。
<その他の保険関連記事>
知りたいテーマごとに以下のリンクから記事を選択してください。
-------------
-------------