- アラバマ物語/ハーパー・リー
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いずれは読んでみたいと思っていた、『アラバマ物語』。
映画も観た事がなくって、最近ようやくTVでやったことをきっかけに観ました。
原作と映画、どちらが先でも問題なさそうな感じです。
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おお、これまでもブルーレイ化してるんですね!
DVDは380円で買えます。
ストーリー上、絶対好きだろうと思っていた作品。
人種差別―特に黒人とユダヤ人差別―に多大なる関心がある、と言ったら言い過ぎかもしれませんが
文学研究をする原動力にはなっている気がします。
1960年に発表された作品なので、決して古い作品ではありません。
1961年にはピューリッツァー賞を受賞、その翌年には全米で900万部を売り上げたのだとか。
こういう本がベストセラーになるのか。
まともだったんだね・・・・・・・・・その時代。と思わず呟きたくなってしまう。
アラバマ州のフィンチ一家。
一家の主は弁護士のアティカス。
長男のジェムに、長女のスカウト。母親は亡くしているため、いない。
ある日、黒人青年が白人娘をレイプしたとされる事件が起き、アティカスはその弁護を担当することになるわけです。
この小説もスカウトの視点で描かれていて
映画もそこを重視している。
変なところをカットしたり、湾曲していないところが好感度大 ではあるのですが・・・・・
そんなに、ものすごぉーーーくいい!って言われる映画かと聞かれると疑問。
やっぱり原作の方がいいと思うんですよね。
映画は冒頭部がちょっと退屈で、意味が繋がりにくい箇所があるんだけど
原作を読むと納得。
映画も2回目の観賞になると面白いんだろうけど。
映画『アラバマ物語』の有名なシーンと言えば、アティカスが法廷から立ち去ろうとして
黒人が敬意を払って皆立ち上がり、スカウトにも立つように促す・・・という場面。
AFI's 10 top 10 でも法廷ドラマ編で1位になっていて、
このシーンが出ていましたし。
私はですね、てっきり・・・・・・てっきり、あのシーンがラストだと思っていたのです。
だから結末が衝撃的でした。
さてさて、小説に話を戻して。
文章が上手いか?うーん、そこまでは上手くない気がする。
でも、先ほども申しあげたように、スカウトの視点から描いているんですよ。
だから、すっごく凝った文を言うわけじゃないし。
いちいち「今日のアティカスはなんだかちがう」というありきたりなことを言っていても目を瞑らなきゃいけませんね(笑)
いや、そこが小説家の腕なんでしょうけれど。
アティカスが弁護をするというのは職業柄当たり前のこと。
弁護士でなかったら、どうしていたんだろう?弁護士じゃなかったら何も出来なかっただろうことは確かだろうけど、どうなんだろう?
アティカスは正義を貫き通し、息子と娘が学校でいじめられようが、耐えさせ、自分も耐える。
そんなことできる父親って、一体どこにいるんだろう・・・・・・・?
だからこそ素晴らしい! のでしょうが、ちょっと偽善的すぎやしないか?
アティカスの短所って一体なんだ・・・・・・・・・?
人間の両面を描いてこその文学じゃないか。
確かに読んでいて夢中になれるし面白いんですが、ちょっとそのあたりが気になりました。
原作も映画も、いかにもアメリカ人が好みそうな感じなんですよね(´・ω・`)
『ハックルベリー・フィンの冒険』のハックが葛藤する場面や、
『風と共に去りぬ』のスカーレットのようにちゃんと短所も描いて欲しかったなぁと思ってしまいます。
しかしながら・・・・・・ところどころ胸に打たれる言葉が登場。
「勝ち負けが、はじめる前にきまっているからといって、それだけの理由で、勝つ努力をしてみないって法はないだろう」
著者のハーパー・リーはトルーマン・カポーティの幼馴染。
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・・・・・って様子が、↑の映画に描かれていました。というかそれで知りました。
映画レビューはこちら 。
観て損はないと思います。この映画は凄い。『冷血』の映画はまだ観ていないけど、相当なダメージ受けること確実だからなかなか気が進まなくて・・・・。
レビューはこちら 。
カポーティといえば『ティファニーで朝食を』のほうが有名だし、これは読まれている方多いけど・・・・・
『冷血』のほうが断然よく出来ていると思うんですよね。
ノンフィクション・ノヴェルの金字塔。
読んだ後よりも、しばらく経ってからじわじわくる作品。(レビュー書いたのはじわじわくる前)
ティファニーよりも、アラバマ物語よりもこっちのほうが文学的には凄いんじゃないかと思うんだけどなぁ。
ただ、これは意外と読まれていない・・・・・・のか、この名を挙げるとかなり驚かれる率高いです。
ティファニーじゃなくて、そっち!って顔されますよ(苦笑)