英国レディになる方法/岩田 託子
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読書メーターの検索にひっかかった1冊。


『小悪魔になる方法』とか、なんか、その類・・・・??


なぜこんなのが??


と思ったら、お気に入りメンバーさんのコメントが。

どうやら、役に立ちそう、すごくそんな気がする・・・・!


と思い、借りてきました。



その方は『ヴィクトリア朝百貨事典』の女性版のよう、と仰っていました。

図説 ヴィクトリア朝百貨事典 (ふくろうの本)/谷田 博幸
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レビュー書いています。→こちら


確かにその通り。

これがお好きだった方はこちらもまずお好きだと思います♪


↑が参考文献になってるようですね。



19世紀 英国・中流階級の女性が、結婚し妻となり母となり、

尊敬される”レディ”になるまで。


英国・ヴィクトリア朝の女性と子どもの生活誌。


「英国レディとなる方法」というタイトルが・・・・・・・・・・・・・なのですが、

内容はとても良かったです。



古典文学にはイギリス文学以外にもよく登場する、気付け薬。

それを入れるための瓶の写真なども載っていました。

つい先日読んだばかりのオースティン『分別と多感』にもラヴェンダー水がやたらと登場しまして・・・・

なーーんとなく想像はつくけど、あまりの登場回数に頭が?になってきたり。

オースティンはヴィクトリア朝より少し前に生きた作家ですが、少なくても時代が近ければ参考にはなりますしね^^



「壁紙」では、これまた興味深いことが。


ヴィクトリア朝はインテリアがすごく発展したけれど、特に壁紙は気軽に貼りかえられるから重宝したよう。

私はどうもウィリアム・モリスの壁紙は苦手ですけども・・・。


けれど、壁紙を「新しくする」ということは汚れた紙の上に新しい紙を貼るだけ。

フローレンス・ナイチンゲールは、不潔極まりない、と述べています。

これ、衛生上にかなりの問題があったようですよ。



また、特に緑の色素には砒素が含まれていたり、朱色には鉛が含まれていたり・・・・・。

とても危険でもあったようです。

この時代って病人に転地療養を勧めることが多いですが(うん、確かにそうかも。)

シック・ハウス症候群によるものがあったから・・・・なんだとか。


おそろしーですね~・・・・。

知らぬ間に、壁紙で砒素中毒って。




もっとも面白かったのはこれです!


インスタント食品!


インスタント、といっても・・・・・

ベーキングパウダーとかです。


それまではパンにもベーキングパウダーを使っていたらしいけど、それ、美味しくないと思う・・・・。

イーストで作るパンやケーキ(!)よりも、ずっときめが細かくて、軽いできあがりが利点だったそう。


でも、これはあまり他の商品よりは売れずに、新聞や雑誌に広告を出したのだとか。

こういう宣伝方法はこのころに徐々に広まっていったのだそうです。


特によく売れたのは粉末カスタード。

あぁ、確かに作るの大変ですものね・・・・。


奥さんがカスタードが大好きなのに、今で言う卵アレルギー。

彼女のために開発したのだとか。愛ですなぁ・・・・。


あとは粉ゼラチン。

・・・・・うわぁ、これはきつい。


ゼラチンができる前までは、ひたすら骨を煮立てて上澄みをすくい続けて作っていたそうです。

もう、ゼラチンとかってインスタントって感じしないよなぁ・・・。






余談ですが、ヴィクトリア朝関係書をいろいろ読んでみました。

当然、文学作品からの引用はとても多いのです。


ヴィクトリア朝を代表する作家として、チャールズ・ディケンズはもちろんはずせないので、よく出てきます。

『オリバー・ツイスト』とか『大いなる遺産』、『ディヴィッド・コパーフィールド』の登場回数もかなりのものなのですが・・・・

それらよりも多いんじゃ?と思えるのが

Our Mutual Friend 『我らが共通の友』 です。


私の読んだ論文にも出てきたんですよね。

登場頻度が凄まじいです。

ディケンズ、それなりに読んできたけど、この作品初耳でした。


『ディヴィッド~』が2巻まで読んで、まだ途中ですが

借りてきちゃったので、ひとまず読んでみようかなーーと思ってます。


なんでこんなに出てくるのか、気になって気になって。