- 時の娘 (ハヤカワ・ミステリ文庫 51-1)/ジョセフィン・テイ
- ¥630
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こちらは、ある読書メーターでお世話になっている方から面白いですよ!とお勧めいただいた本でした。
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だって、タイトルこれだし。
そもそも私ミステリー嫌いだからノーマークだし。
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教えていただかなかったら、まず読むことはなかったであろう作品です。
ありがとうございます~!
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これはなんと。リチャード三世にまつわるストーリー。
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でも、主人公は退屈な入院生活を送っているグラント警部。
退屈しのぎに、未解決事件でも・・・・・・・・と、たまたま手にしたリチャード三世の肖像画を見て
ふと、考えた。
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これは、あの残虐非道をつくしたリチャード三世の顔なのか?
真実は物語には無く、会計簿にあり。
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純粋に文献のみから、リチャード三世の真実の姿を見ようとするミステリー(?)
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簡単に言うと、リチャード三世は本当に悪人であったのか?
ロンドン塔で、あの二人の王子を殺したのは、誰か?
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を調べていく感じです。
- リチャード三世 シェイクスピア全集 〔4〕 白水Uブックス/ウィリアム・シェイクスピア
- ¥872
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シェイクスピアの『リチャード三世』で、極悪非道の人物&せむし として描かれていますが
シェイクスピアって、エリザベス1世とジェイムズ1世の治世のときの人物。
すなわち、チューダー朝~スチュワート朝ということになります。
この『リチャード三世』が書かれたのがチューダー朝のとき、というのは確実なので
それに対抗していたリチャード三世は悪くしか書けなかった、という歴史的な問題があるのですが
まぁ、簡単に言うと、シェイクスピアのは史実ではないことが多いらしいんですよね。
なんかイロイロざーーーっと読んできたし、気になってイギリス史専門の元担任にも聞いてみたことあるんですが、もうこれが定説になってるっぽいです。
さてさて、本題に。
タイトルの『時の娘』。原題はThe Daughter of Timeとなっています。
・・・・・・なに、この、全然関係ないタイトル?と思ったのですが・・・・・
実は、「真実は時の娘」 Truth is the daughter of time. というフレーズの一部らしく
「真実は、今日は隠されているかもしれないが、時間の経過によって明らかにされる」という意味になるらしいのです・・・・・・
うまい。うますぎるタイトル。
私のこれからの研究の座右の銘にしたい。
思わず唸ってしまったのがもうひとつ。表紙です。
・・・ほらっ、ロンドン塔の1室だけ、明かりがついているの・・・・・!!!
うまいよねぇ。やるなぁ。
あと、終わらせ方もまた、うまいんですよ・・・・・・!
このへんのイングランド史もまた、好きですし
かなりごちゃごちゃしている時期だけれど、ここは必死になって覚えた成果があり(笑)
さすがに頭がごちゃごちゃに~とかにはなりませんでした。
地味にこの辺も卒論書いているしね。
物語前半に、メアリ・スチュアートのあの事件とか、鉄仮面伝説もちょろっと出てきたりしました。
やっぱり自分の知識がこうやって、
となるのは快感・・・・・・♪
余談ですが・・・・・シェイクスピアの『リチャード三世』ならば
A horse! A horse! My kingdom for a horse!
の文が大好き。(定番過ぎますね!)
初めて読んだのは、高校2年かな?(もちろん翻訳ですが。いや、高校生で原書スラスラ読めたら私天才でしょ。)
ものすごい衝撃を受けました。あれだけ・・・・・の思いをして、何人もの命を犠牲としてようやく勝ち取った王国。
それなのに、最期に欲しがったのは王国より、たった一頭の馬。
なにこの皮肉?
馬=命 でしょ。
そんなの、気付くの遅すぎたよね・・・・。
それでもやはり、彼が愛されるのは実際ね、「自分が悪人ってわかってるし、ここまでぶっ飛んで悪人だと、愛さずにはいられないよね!」という心理だと思います。(とっても文学的ではない解釈。)
- リチャード三世を愛した女/ジーン プレイディー
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この『時の娘』を読む前に、リチャード三世の妻となるアン・ネヴィルを主人公としたこの『リチャード三世を愛した女
』を先に読んでからのほうが面白いし、分かりやすいかと思います。
これはフィクションだし、驚くほどシェイクスピアのリチャード三世像と異なるんですけどね。
ものっすごい面白かった。
『リチャード三世』はもう・・・・・・何回読んだか分からないくらいは読んでますが(歴史劇では最多のはず)
また読みたくなったので、読んでみることにします。
- 新訳リチャード三世 (角川文庫)/ウィリアム シェイクスピア
- ¥500
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河合祥一郎氏の新訳はまだ読んでないので、これにしてみよ~。
今ちょっと余裕が無いのでやめとくけど、
原書でもそのうち読みますよ。