- リチャード三世を愛した女/ジーン プレイディー
- ¥2,520
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ずぅぅーーーーーーっと読みたかった小説です。
札幌市立図書館にも、ウチの大学図書館どころか
道内の大学図書館にはどこにもない。
道立図書館等にもない。
しかし、そんな買うお金もない・・・・
ということで、千葉の大学から札幌まで、わざわざ取り寄せました。
『リチャード三世』は、特に日本で人気のある戯曲です。
典型的な悪人だと思うけれど、『オセロー』のイアーゴーとは異なり、
動機がはっきりしているのがポイント、だと思います。(たぶんね。私はね。)
悪人だけど、魅力的~♪
というのは小説でもよくあることですが、
この戯曲は特にそうじゃないかな?
- リチャード三世 シェイクスピア全集 〔4〕 白水Uブックス/ウィリアム・シェイクスピア
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私ももっとも好きな歴史劇です。
ちなみに、シェイクスピアの歴史劇って「歴史について書いてあれば歴史劇」ではなく
「ノルマン征服以降のイングランド史」と定まっていたりします。
とか言いつつ、シェイクスピアは悲劇とか喜劇のほうがどうしても人気があるため
歴史劇全て読んだ人ってあんまりいないんですよね。全部読んだけど、繰り返し読むのはやっぱりコレと『ヘンリー四世』『ヘンリー五世』あたり。
- 私の卒論にも、コレ引用箇所があるため、
- 改めて読み直したりしました。
- まだ原書あたってないけど、そのうちちゃんと読んで書きます~
- さて、前置きが長くなりましたが
リチャード三世は狡猾で、残忍で、王冠を手にするためならどんな悪事にも身を任せる人物。
容姿は醜く、「せむし」であった。
多くの人々を殺し、若き2人の王子も邪魔者だから、ロンドン塔で殺してしまう。
以上、『リチャード三世』でのリチャード三世。
でも、このあたりって史実とはかなり異なると言われていまして
- リチャード三世は悪人か (NTT出版ライブラリーレゾナント)/小谷野 敦
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こんな本が出ていたりします。
著者はだいっきらいなんですが、意外とこのへんの日本語の本ってないので、読んでみました。
どうやら、せむしでもなかったらしいし?
ロンドン塔で王子を殺した~~の1件もガセらしいし?
シェイクスピアが『リチャード三世』執筆時はエリザベス一世の時代だったため、
チューダー朝を悪くは書けない。敵対していたリチャード三世を悪く書く・・・・
は当然のことだったそうです。
でも、リチャード三世は悪人ではなかった、とかいうのは最近ではけっこうよく言われてますねー。
シェイクスピアの『リチャード三世』の中でのアンはエドワード王太使の未亡人なのに、彼を殺したリチャードがアンを巧みな手口で口説き・・・となっていますが、
この『リチャード三世を愛した女』では、リチャード三世の妻となり、イングランド王妃となるアン・ネヴィルをヒロインにし
この2人が昔から愛し合っていた・・・・・という設定となっています。幼馴染なんだって。
更に、リチャードは兄王であるエドワードを常に崇め
兄のクラレンス公 ジョージは自分が長男でないことを恨んでいる。
どうしても王冠を手に入れたい、という、こちらが悪役となっています。
しかもクラレンス公 ジョージは、アンの姉であるイザベル・ネヴィルと結婚している。
アンはジョージを心の底から愛しているけれど、アンには
ジョージが姉を愛しているようには思えない。財産目当てとしか思えない・・・・。
更にいよいよアンとリチャードが結婚しようというときに、
自分の財産(つまりイザベルとアン財産)が分割されるのを恐れたジョージが
2人の結婚に猛反対する。
アン・ネヴィルとかそのへんには全然詳しくないので
初めて知ったことが多くありました。
詳しくなくて、読んだほうが面白いですね♪
でも、どれくらい史実なのかが分からないのが怖いけど
この2人が結婚していて
これこれが、だれだれの子供で・・・・
と頭に入れるのは、こういうのが最適だったりします。
ご覧のとおり、シェイクスピア作とは、おもいっきり違うために、ベツモノとして読まないとダメですけれど。
こういうシェイクスピア劇からインスピーレーションを受けて描かれたフィクションは
きっと和訳されているのでも相当数あるのでしょうが
きっと私が知らないのも多いんでしょうね。
見つけ次第、いろいろ読んでみたいなーと思います。
なかなか面白かったですよ~