うーむ、うーむ、うーむ...


どうやらアルミンク病を発症したような...

(とっくに発症してるだろうが)

いやそういう王子様ごっこ ではなく...

もっと深刻な病...のような...

といっても...


今更恋の病の類ではありませんことよ。うふっ

(...)

それはもうとっくに発症しておりますし。うふうふうふっ

「今年退任で良かった...」(←アルミンクさん)

...

えーい、真剣に!


うーむ、うーむ、うーむ...

どうもこのところ「月光」の第1楽章を弾く気がしない...

(ええ?!)

私が弾きたい大好きな曲の中でも唯一(?)幾らテクニックが衰えても思い通りに弾ける希少な1曲...の筈だったのだが...

(思い通りに弾けたことあるか?)

少なくとも自分で弾いてて浸れる位には弾けたのだ!

それが...


全然弾く気がしない!

その内弾きたくなるだろうと思っていたのが...

いつになってもそういう気になれない!

内側からこみ上げる何かがないのだ!

(健康な生活だな...)

...胃からこみ上げるものの話をしているわけではなーい!


じゃあ今何弾いてるかというと...

いや「弾いてる」などというレベルには戻ってないのだが...

(ここ数年で「戻った」ことあるか?)

...東京デブ時 には少なくとも今よりはマシだった!

(それであのひどさ か...)

しーん...


それで今何弾いてるかというと!

「月光」第3楽章。

(↑基本的に進歩がない...第1楽章よりずっと難しいし)

誰がテンポ上げて弾いてると言った。

デブの後間が空き過ぎてどうせ指動かないしコントロールも効かないから、指の訓練兼ねてゆっくりのったりあれ弾いてるのだ。


何か知らんが腱鞘炎がまた悪化してるからそれでも満足に弾けないけど。

前回スタジオ行った時は弾き始めた途端左がビキーッで痛くて弾くどころじゃなかったのでそれから気を付けて湿布やマッサージをマメにしてたら今回は右がビキーッ...ひぇぇぇぇ!

ふぇーん...どないしたらいいんじゃー?

(両方気を付けろよ...)


それでも少しずつ訓練してもう少し動くようになったら、また第1楽章みたいな情感あふれる曲も弾いて浸りたくなるだろうと思っていたのだが...

全然弾く気が起きない!


考えてみると「月光」第1楽章に限らず、抒情性豊かな曲、情感たっぷりの曲の一切合財を弾く気になれないのだ。

かれこれもう1ヵ月近くも!

(ということは...)

そう、あのブル5 を聴いて以来なのだ、多分。


せっかくGW中3回もスタジオ行ったのにー!
仕事 はどうした?)

やったわい。


何故なのかと自らに問うてみると...

どうも完全に自信を喪失しているらしいのだ。

(ええ?!自信過剰のカバ太郎が?)

「過剰」は余計じゃ。

(...)

どう弾いても自分で嫌になるだろうという予感が強過ぎるというか...

どうせ安っぽくて浅い音と演奏にしかならないんだぜ、というか...

(↑珍しく自虐的)

そんなもん弾いてどうすんだ?というか...

それで自信喪失状態なのでございますー!!


これアレクサンドル病 とちょっと似た症状ではあるのだが...

アレクサンドル病の時は寧ろ実際に弾いてみて落ち込んだり、あの神がかり的な音に引き摺られて 指が勝手に何とかしようとするという恐ろしい症状ではあった。


今回特殊なのは...

弾く気さえ起らないということ。

もう全然。

(つまり弾く前から落ち込んでいると...?)

というより、何かもう諦めの境地というか...

どうせ浅くて安っぽくて浸れるどころじゃないんだぜ、というか...

そんなの弾いて嫌な思いをしたくないというか...

(おお!そこまで)


じゃあピアノを弾くのも嫌になったかというと、それはなくて。

またもっと弾けるようになりたいとは思うのだが...

どうにも指の訓練しか弾く気にならないー!

(いいじゃないか、それさえまともに弾けないんだから)

...ぐぐぐ...

(↑事実なので反論できない)


前にアルミンクさんが幾ら奇跡のような音を聴かせても、オケとピアノでは違い過ぎてアレクサンドル君の時のように引き摺られる心配がない、といったようなことを何処かで書いた記憶があるのだが...

何処でだったかどうしても思い出せないけど。

それが...

引き摺られるどころか...

意欲さえ失わせるとは―!!

どうしてくれるの!アルミンクさん?

「知るか」(←アルミンクさん)


あのあまりにも優雅で気品に溢れ...かつ振れ幅の大きい表情豊かな演奏。

いやそれより何よりあの奇跡のような音 ...!!

あれは...確かにピアノではアレクサンドル君しか出せない音と同類だった...

そんな音を何十もの楽器を重ねたオケで出せるとは...!!!

それを聴けたのは...幸運だったとは...思うのでございますー!おーいおいおいおい...

とはいうものの...


今は果てしなく続く落ち込みの悪循環...

カ、カバ君はそんなに安っぽくて浅い人間なのか...?

だからあんな音しか出ないのか...?ううう...

いーや、そんな筈はない!

ピアノの場合、どんなに思い描く音や演奏があったとしても...テクニックが追いついていなければそれを実際に表現するのは不可能なのだ。

ここが指揮と違う所。

「何じゃとて?」(←指揮者の皆さん)


うーん...だって考えてみたんだけど...

指揮って音楽性さえあれば何とかなるんじゃないかな?

自分で楽器演奏するわけじゃないし。

いや勿論、物凄ーく壮大で大変なお仕事ですよ。

何十という楽器のスコアを全て把握してそれをどう動かすか、どうまとめるか...

いやはや気が遠くなりそうな作業でございます。

だからこそアルミンクさんは「ブル5」1曲に10年もかけたわけで...

(1曲ったって80分あるけど)


しかしそれが煮詰まったら、自分の音楽的解釈と表現を実際の奏者に伝えさえすればいいのだから。

それがアルミンクさんのようにダイナミックかつ優雅な動きだろうと、じじさまみたいに一見動いてるのか動いてないのかさえ分からないような省エネ型ぽい指揮 だろうと構わないわけで。


でもピアノの場合は...

抜きん出た音楽性と抜きん出た技術の両方が揃っていないと...幾ら人間性が素晴らしくても...無理なんです、きっとー!!

(...誰の人間性が素晴らしいって?)

そうでも思わないとやってられないのですー!

(そこまで思う必要はないだろうが!)

だって落ち込んで落ち込んで...

(↑抜きん出た音楽性も技術もないカバ太郎)

カバさん、素人!


大体、その両方が揃ってるのなんて恐らくアレクサンドル君だけだよ、今存命のピアノストの中では。

(いやあれは特別中の特別で...)

だから素晴らしい指揮者に会う確率の方が素晴らしいピアニストに会う確率よりずっと高いのだなー。


でもまさかオケ聴いてピアノが弾けなくなるなんて...ふぇーん...

何とかして下さい、王子様ー!

「知らんわい」(←アルミンクさん)