こんばんは、粗相脳労のカバでございます。
(...)
昨日は粗相をしてすみませんでした。
これも粗相脳労故。
(...)
粗相脳労故の粗相でございます。
どうかふつつかな粗相をお許し下さいまし。
(くどい!)
今日はお詫びにアホな前段なしに即本題に入りたいと思います。
(既にアホな前段があるぞ)
昨日もそのつもりだったんだけどな...
今日これから書くことは昨日書き始めた時にも書こうと思ってたことです。
(ということは今日もまた脱線する可能性が高いということか...)
フッ、憚りながらこのカバ太郎、同じ過ちを繰り返したりはしないのだ。
では行こう。
(切り替えの早さだけは大したものだ...)
遂に...扉は開かれた...
(...ちょっと待て、こら)
は?
(何の扉だ、何の!)
だからこの前の嘆きと後悔編の続きだってば。
やーね、ちゃんと読んどいてよ。
(...この前って...もう随分前だぞ)
第1楽章もそろそろ終わろうかというこの時、扉の前で待機していたのは実は私だけではない。
私より大分後になっておばさんの2人連れが到着したのだ。
凄いなー。
(人のこと言えるか)
私はあと30秒早く到着してたら玉虫君のP-コンを中で最初から聴くことができた。
あの大好きな第1楽章を。うううっ
で、この第1楽章は結構長い。
その半分位になってからかな、おばさん達が来たのは。
だから1番乗りの権利とばかり
(1番乗り...?)
扉が開くと同時にまず私がすすすっと音もなく入り、中で待ってた誘導係の指示通り、1列空いてる最後列の席までこれまたすすすっと無音で忍び寄った。
うーむ、泥ちゃんの才能があるのかしら...?
なんちゃって、曲の途中で入るんですからね、一切音立てちゃいけません。
ところが...
ゴツゴツゴツ...
後に続くおばさんが、平気で鈍いヒールの音を響かせる。
...
だからおばさんは嫌いなんだ!
楽章の合間とはいえ曲の途中だぞ!
他のお客さんの迷惑考えろよ!
(おまえも遅れずに行けよ)
...しーん...
足音を立てないままそのブロックの最も中央寄りへ。
(↑ゴム底だから音が出ないで実は当たり前)
足腰悪い者にはゴム底がいいのです!
でもスニーカーじゃないよ。
衝撃を吸収するゴム底で履き易くて、それでいてオシャレで安い靴を探すのにはいつも苦労するのだ!
(安くなければ苦労しないと思う...)
...
とにかく話を進めさせろ。
私がブロックの1番端に座るや否や、ごつごつおばさん達の1人が私の荷物席に座ろうとするではないか。
(↑隣の席を荷物置きにする図々しいカバ)
だって1列全部空いてるんだよ。
ゴツゴツに頭に来てたので、おばさんに構わず荷物を置いて「え?」という態度のおばさんにも「何か?」という顔を向けてやった。
しかし...
普通席に余裕がある時って知らない人とは最低1席空けて座らない?
1~2席どころかブロックが多少違う位で音は変わらないし。
そうまでして中央寄りに座りたいということは、やはり今日のピアニストがイケメンで、それを見るのが目当てで来たのかなー?
とおもむろに正面ステージを向いた瞬間、「...おお!」
(どうした!?イケメンか、ぶーさんか?)
「全っ然見えない...」
(...)
コンタクトをしていなかったのだ、実は。
近眼だからまぁ近場は何とかなるし、極端なドライアイですぐ眼に傷がつくから仕事をしない時はなるべく裸眼でいるようにしている。
それでも乾燥するこの時期は傷がつくからもうついてるかもしれないが。
だから2階の1番奥の席からでは幾ら目を凝らしても何が何だか全然わからない。
ピアノは見える。
といっても左右の視力が極端に違うので遠くだと焦点も上手く定まらず、何か2重になっててピアノの形を成していない...
(...)
だもんだから、その横にも辛うじて物体が見えてはいるが、
(...物体?)
勿論、人の形にさえ見えない...
(...)
まぁいい。
見に来たのではない、聴きに来たのだ。
左右視力が違うまま遠くを見つめているのは辛いので、ステージを見るのは諦め、演奏に耳を傾けた。
曲は玉虫君P-コン第2楽章。
すると...
...ほー、これはなかなか...
音がいい。
といってもサントリーは通常音の悪いP席に慣れているから、音のいい正面席に久々に座ってそう感じたのかもしれないが。
いやしかし...これは...
それだけではない。
非常にしなやかで何か心惹かれる音だ。
それが持ち味なのか、曲に合わせてのことかは知らんが...何ともロマンティックな弾き方をするじゃないか、怖ダル君。
(怖ダル君?)
怖い顔のダルビッシュ、略して怖ダル君です。
(...)
テクニックもかなりと見た、いや聴いた。
外した音は殆どない。
丁寧な弾き方でペダルの使い方も上手く、音が濁らない。
だから余計にきれいに聴こえるのだが...
随分顔に似合わない弾き方するのだな、怖ダル君。
いや写真でしか知らんが。
だが...
物足りん!
パワーがない!
全然ない!
しなやかさはあるが、激情や熱情は聴こえて来ない!
重さもない。
だから一切迫力がない!
非常に惹かれるものを感じさせる音だが...これは私の求める玉虫君の演奏ではない!
全然物足りん!!
その証拠に大好きな玉虫君の大好きなP-コン2番にも拘らず、私は終始冷静だった。
「はぁーっ」も「ほぉーっ」もなかった。
これはかなり寂しい...
悪くはない。
だが良くもないのだ。
で、結論。
やっぱり顔で人気があるのかな...?
...なんて書くと、「アタシはあのしなやかな音が好きなのよー!」とファンが怒りそうだけど、それは後付けでしょう。
顔から入っても、それを言っちゃあカッコ付かないからね。
(...何か物凄く棘がないか?)
性格悪いもんで。
(自覚しているので皆さん許してやって下さい)
何せデビューから大ホールその他破格の扱いだったそうだから。
コンクールで優勝したとかでもないのにデビューで、つまりまだ大半の人が演奏を知らず、また一般の日本人が気にする「世間の評価」も知らないのに大ホールを埋められるのは、事務所なりレコード会社なりが写真でもバラまいて売りにしたんでしょう。
実際デビューしてまだ数年の若手のくせして既に何枚もCDを出しているとか。
クラシックではあり得んでしょう。まともにいったら。
(フォローしてるのに押すな!)
いや別に本人が悪いんじゃないんだから。
ただはっきり言えるのは、演奏だけでそこまで爆発的に人気が出ておかしくない程スケールの大きな演奏ではなかったということ。
何度も言うようだが、それなりの魅力はある。
だからこそもう少し大事に育てたら?
実はもう一つ根拠があるのだ。
それはこの日の客層。
休憩時間中と帰りに見て驚いたのだ。
女、女、女...
(自分もだろうが)
はぁ、まぁ一応。
だが男女比があまりに極端に偏っていたのだ、この日のステージに近い客席は。
前半の後、音のいい正面席に残っていたかったけど、そういうズルはしちゃいけませんから本来のP席に行きまして。
そこから帰るにはステージに近い客席からのお客さんと一緒になるんですが...
見たところ9割型女性。
あり得ないよ、幾らなんでも、普通なら。
休憩時間中も女性用化粧室の列の長さは異常だった。
サントリーは個室が一杯あって、通常ならあそこまで異様に長い列はできない。
どっかのアホみたいに所構わずフンをする奴ばかりならともかく。
(自分じゃないか...)
私はそんなことしないぞ。
待ってる人が大勢の時は小で済ませる。
余ってる個室があるような時にゆっくりするのだ!
この日だって、出がけに家でしてきたからこそ、遅れてしまったんだもんね。フンッ!
(...)
この時だって常識的に考えてゆっくりしてる人ばかりとは思えない。
なのに女性だけのこの異常に長い列は...
P席に向かいながら一体どこまでこの行列は伸びているのかと驚いたもの。
その1人1人が「アタシは演奏が好きで来ている」と言ってもなぁ...
いや中にはそういうのもいるだろうが。
というか、そう思いたいが。
どちらかというと女性向きの音だろうし。
でもあれだけ偏った客層ではなぁ...
全部が全部そうとは絶対に思えない。
大体よく考えたら日本で純粋に演奏だけでそこまで人気の出る演奏家などいないだろう。
ケンさんとか凄く人気があるから、最近の日本人は耳が肥えてきたなーなどと嬉しくも思っていたが。
(...てことはケンさんはぶーさんということか?)
...い、いやそうじゃなくてですね...その...
(しどろもどろになってるぞ)
だからぁ!演奏が素晴らしい音楽家の代表として挙げてるの!
だがよく考えれば、ケンさんは既に世界的に名声を得ている。
そういう「評判」故に聴きに来ている人も多いだろう。
悲しいかな、世間の評価を基準にするのは成ブルに限ったことではないのだ。
コンクールの入賞者に客が集まるのも、目に見える評価があるからだし。
大体だな、演奏だけだったらかなり好き嫌いが分かれると思うぞ、ケンさんの指揮は。
何せこの私が大大大好きな演奏なのだ。
(↑自分で少数派を自覚しているカバ太郎)
フッ、本物だけを求めるのさ。
ちょっと偏ってるかも知らんけど。
(...ちょっと?)
もっとも日本人に限ったことでもないけどね。
北欧では耳を覆いたくなるような演奏でも人が集まっていたし。
まぁそういうのしか聴いたことがないんだからしょうがないのだけど。
(名誉回復(?)とミューズの宝物、他)
だからね、やたらと売れるのって世間の評判か、もしくは顔か、カネかコネかなの、今の世の中。
本人の意思か否かは別としてね。
だから怖ダル君もそれだけ人気があるのはどう考えても顔のせいと考えるべきだろう。
結局どういう顔なのか、生では全然見えなかったけども。
(↑それらしい「物体」しか見えなかったカバ太郎)