福島の子供の糖尿病の原因は? (2/2) | タイ語、単語帳の素材?

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備忘録。

2015年5月下旬にタイトル変更。
ここは、site δ です。

 前回(ココ )の続きで、発症率6割の原因を探っていこう。しかし、時間節約のため結論からいうと、実はよく分からないのだが、しいて言えば、内分泌系の異常による2次性糖尿病(特に甲状腺異常によるもの)が現段階では主体ではないだろうかと推測される。以下、その理由をみていこう。

 現状福島周辺で子供に6割に見合う水準で異変が出ているものは、甲状腺が思いあたる。福島県の公式発表でも35%前後の子供に結節なり嚢胞なりの異変がみられるとされている(詳細は以前の記事 )。県全域での平均がこの水準だと、場所によってはもっと高い所もあるだろう。実際、噂話をみていると、7割という例(下記のツイート参照)もみられるようだ。

@KinositaKouta
福島県伊達市における甲状線の嚢胞の頻​度に関しての情報「伊達市では50%ほどに見られます​。特定避難勧奨地域に一部が当たっている伊達市霊山町石田地区で​は、それがさらに70%という話も」35パーセントどころでない。事態は深刻。福島の子供の八割は甲状腺に異常が出るのではないか。
8:18am 水曜 5月 16 webから

 事故初期にガイガー・カウンターで計測したことがある方や土壌汚染調査のデータに詳しい方なら分かると思うが、汚染は当時の汚染雲や風の向きの状況によりかなり斑模様で生じているので、同一市町村内でも汚染は10-100倍程度の開きがある。7割だとしても、それ程違和感がある話ではないのではなかろうか。


 そうすると次ぎは、甲状腺の異常と糖尿病との関係が問題となる。その辺りは、自身が糖尿を患っている医師のブログ記事(ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」の記事「バセドウ病と血糖値」 2008年03月02日 http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-351.html リンクはココ )にならい、伊藤病院(東京都渋谷の甲状腺疾患の専門病院)のサイトをみてみると、

甲状腺の病気について - バセドウ病の症状
http://www.ito-hospital.jp/02_thyroid_disease/02_4_2symptom_basedow.html (リンクはココ

高血糖
バセドウ病では、尿に糖が出ることも珍しくありません。これは食事の吸収がよくなるためで、食後に高血糖になり尿糖が陽性となります。バセドウ病によるものなのか、あるいは合併した糖尿病によるものなのか、これは検査で見極める必要がありますが、バセドウ病によるものならば、バセドウ病の治療でよくなります。 (頁の終わり付近)

ここから、甲状腺機能が亢進した場合には、尿に糖が出る可能性があることがわかる。ついでに別の資料もみておくと、鎮目和夫氏(医師、元内分泌学会理事長)の著書「ホルモン病の症状と治療」(日東書院、1993.10月)から引用すると、

 ホルモンの病気は他の病気に誤診されることがとても多いのですが、バセドー病の場合、糖尿病に誤診されることがあります。・・・
 私[鎮目氏]が東大病院に勤務していた頃、バセドー病を糖尿病と誤診され、5年間も糖尿病の治療を受けていたという患者さんを診察したことがあります。この患者さんは東北の人で、5年間も糖尿病の治療を続けたのちに少しも尿糖が止まらないとのことで、東大病院の糖尿外来を訪れたのですが、バセドー病であると気がついた糖尿病外来の医師が私のもとへ送ってきたのでした。この患者さんは、バセドー病の治療を行うことによって尿糖も止まり、すっかり元気になりました。 (同書22-23頁)

この点については、3.11以前の平時だと、糖尿病ばかりみている一般の医師だと余り知られていなかったようにも思われる。さて、3.11後の状況は、どうなっているのだろうか。


 結論は冒頭で述べたのでここでは繰り返さないが、チェルノブイリ事故でのウクライナの例だと(下記参照)、内分泌系の疾患が8倍になったとされている点に留意すべきであろう。

 内分泌系疾患(自己免疫性甲状腺炎、甲状腺機能亢進症、糖尿病)の顕著な増加が、汚染地域全域で事故6年後に開始した。事故10年後には、内分泌系の病気は、185 KBq/m2以上の汚染地域において、ウクライナの一般公衆より著しく多くみられた。1988年~1999年の間に、汚染地域の内分泌系の疾患は8倍に増えた。(YNNチェルノブイリ報告書80頁パラグラフ1。以前の記事 から)

糖尿病については、今後は内分泌系の異常によるものや、時間の経過とともにイットリウム90原因のものや他の●誘発の酸化ストレスが原因のものも増加してきて、全体数でかなりの増加が見込まれるだろう。

 今は平時ではないとの認識の下、先例を学び、福島の子供たちに適切な対応がなされるようにしてほしい。彼らは人間であって復習のための材料ではないのだから・・・


6/11 追記:
 関連性は全くわからないが、東京で1型糖尿病の小学生の記事。記事内では、ドイツの医師が説明したセシウム原因説にも言及している。木下黄太のブログから、

民主党野田総理大飯原発再稼働決定会見への強い異論。都内小学生糖尿病(1型)発症、視覚異常も。
2012-06-09 04:15:43
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/296b17e1c67c1f13aa8ca6ec506d09c6 (リンクはココ


〔関連記事〕
セシウム原因説に関連して、
・放射性セシウム137の体内濃縮と関連する疾患 2012/7/28


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注) 6/11 追記。 
・8/10 関連記事追加。