源氏イラスト訳【夕顔57】書き馴れたる手
「…書き馴れたる手して、口とく返り事などしはべりき。いと口惜しうはあらぬ若人どもなむはべるめる」
と聞こゆれば、
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【源氏物語イラスト訳】
「…書き馴れたる手して、口とく返り事などしはべりき。
訳)「…書きなれている筆跡で、素早く返事など寄こしました。
いと口惜しうはあらぬ若人どもなむ
訳)それほどがっかりするほどでは ない若い女房たちが
はべるめる」と聞こゆれば、
訳)いるようでございます」と申し上げると、
【古文】
「…書き馴れたる手して、口とく返り事などしはべりき。いと口惜しうはあらぬ若人どもなむはべるめる」
と聞こゆれば、
【訳】
「…書きなれている筆跡で、素早く返事など寄こしました。それほどがっかりするほどでは ない若い女房たちがいるようでございます」
と申し上げると、
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■【書き馴(な)る】
■【たる】
■【手】
■【して】
■【口とく】
※【口疾(くちと)し】
■【返り事(かへりごと)】
■【など】
■【し】
■【はべり】
■【き】
■【いと…(打消)】
■【口惜しう】
※【口惜し(くちをし)】
■【は】
■【あら】
■【ぬ】
■【若人(わこうど)】
■【ども】
■【なむ】
■【はべる】
■【める】
■【と】
■【聞こゆれ】
※【聞こゆ】
■【ば】
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☆本日の『源氏物語』☆
手紙や和歌をもらったら、
あまり間を置かずに、すぐに返事を出すのが、
平安当時の風流でした。
だから、五条の隣家の女房たちも、
風流を解する、そんな悪くはない女たちのようです。
(▰˘◡˘▰)