【空蝉89-2】「臥す」☆2つの活用と意味☆
源氏物語イラスト訳のあいです
いよいよセンター試験ですね♪
北部では、雪も心配されますが…
(;゚;∀;゚;)
体調管理に気をつけて、
最後の追い込みに役立ててくださいね。
では今日も、一気に行ってみましょぉ~♪
ヽ(○・▽・○)ノ゙
これまでのあらすじ
天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏。
ただ今、「3.空蝉(うつせみ)」の巻です。光源氏は、紀伊守邸での方違えの際、そこで寝泊まりしていた伊予介の若妻(空蝉)と強引に契りを結びます。中流階級で凜(りん)とした空蝉に心惹かれた光源氏は、弟の小君を手なずけ、逢瀬の機会を執拗に求め続けます。とうとう光源氏は、紀伊守の屋敷に入り込み、空蝉と軒端荻(のきばのおぎ・空蝉の継子)のいる寝所へ忍び込みますが、空蝉はこっそり寝所から抜け出てしまったため、軒端荻と関係を持ちます。その後光源氏は、空蝉の脱ぎ捨てた小袿を持って、小君とともに二条院へ帰宅しました。
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今回の源氏物語
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小君を御前に臥せて、よろづに恨み、かつは、語らひたまふ。
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☆ 「臥す」の2つの活用と意味 ☆
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「臥す」という古語については、
以前にも何度か、重要古語カテゴリに載せましたが、
今回は、2つの活用という視点で
きちんとご説明しますね♪
(o^-')b
【自動詞:サ行四段活用】
①横になる。寝る
②うつぶる。うつむく
③ひそむ。隠れる
【他動詞:サ行下二段活用】
①横ばいにする。うつぶせにする
②横たえる。倒す
③寝かせる。床につかせる
④ひそませる。隠す
*「学研全訳古語辞典(Weblio辞書)」より
古文では、このように活用の2つある動詞が
たくさんあります。
今回の「臥す」も、その1つ
実は…現代なら、
「臥(ふ)す」(サ行五段活用)
「臥(ふ)せる」(サ行下一段活用)
と、終止形が異なる形になるんですが…
古文では、下一段は「蹴る」のみ!
他の「―eず」という動詞は下二段になるので、
終止形が「臥せる」じゃなくて、
「臥す」になっちゃうんですね。
(;゚;∀;゚;)
以下、活用と意味の2つある重要な動詞を載せておきますね~♪
(▰˘◡˘▰)
■【頼(たの)む】
…①(四段)頼りにする。あてにする
…②(下二)頼りにさせる。あてにさせる
■【被(かづ)く】
…①(四段)かぶる。いただく
…②(下二)かぶらせる。与える
■【止(や)む】
…①(四段)おさまる。やむ。(病気が)治る
…②(下二)終わらせる。やめる。(病気を)治す
■【生(い)く】
…①(四段・上二)生きる。生存する
…②(下二)生かす。生存させる
■【立(た)つ】
…①(四段)立つ。生える。起こる
…②(下二)立たせる。立てる。つかせる。
■【満(み)つ】
…①(四段)満ちる。充満する
…②(下二)満たす。いっぱいにする
■【覚(おぼ)ゆ】
…①(下二)思われる。感じられる
…②(下二)思い出す。思い出して語る
■【慰(なぐさ)む】
…①(四段)気が紛れる。気分を晴らす
…②(下二)心をやすめる。なだめる
*「学研全訳古語辞典(Weblio辞書)」より
基本的に、下二段のほうは、
「~させる」という使役動詞になっているようです。
とくに覚えて起きたいのは、
「頼む」と「被く」です。
しょっちゅう出てくるので
しかり文脈判断で見分けられるように☆
ヽ(*'0'*)ツ
こちらの本によると、
活用の異なる動詞は、
「立つ」、「頼む」、「被く」、「慰む」の4つしか
試験で問われることはないと望月先生は言っておられます。
ちなみに…
■の「覚ゆ」「慰む」は、
1つの活用で、自動詞と他動詞の違いもあるので、
しっかり区別できるように、ね♪
(σ・∀・)σ
受験勉強で出てきたものから、
押さえていきましょう♪
(●‘∀‘●)ノ"