源氏イラスト訳【空蝉87】いとほしうて
いとほしうて、ものもえ聞こえず。
「いと深う憎みたまふべかめれば、身も憂く思ひ果てぬ。などか、よそにても、なつかしき答へばかりはしたまふまじき。…」
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【源氏物語イラスト訳】
いとほしうて、ものもえ聞こえず。
訳)小君は気の毒で、なにもとても申し上げることができない。
「いと深う憎みたまふべかめれば、
訳)「とても深く憎みなさるはずのようであるので、
身も憂く思ひ果てぬ。
訳)我が身もつらく思いつめてしまう。
などか、よそにても、なつかしき答へばかりはしたまふまじき。
訳)どうして、離れた場所にいても、親しみをこめた返事ぐらいはしなさることができないのか。
【古文】
いとほしうて、ものもえ聞こえず。
「いと深う憎みたまふべかめれば、身も憂く思ひ果てぬ。などか、よそにても、なつかしき答へばかりはしたまふまじき。…」
【訳】
小君は気の毒で、なにもとても申し上げることができない。
「とても深く憎みなさるはずのようであるので、我が身もつらく思いつめてしまう。どうして、離れた場所にいても、親しみをこめた返事ぐらいはしなさることができないのか。…」
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■【いとほしう】
※【いとほし】
■【て】
■【もの】
■【も】
■【え―ず】
※【え】
※【ず】
■【聞こえ】
※【聞こゆ】
■【いと】
■【深う】
※【深し】
■【憎み】
※【憎む】
■【たまふ】
■【べかめれ】
※【べか】
※【めれ】
■【ば】
■【身(み)】
■【も】
■【憂く】
※【憂(う)し】
■【思ひ果て】
※【思ひ果(は)つ】
■【ぬ】
■【などか】
■【よそ】
■【にても】
※【にて】
※【も】
■【なつかしき】
※【なつかし】
■【答(いら)へ】
■【ばかり】
■【は】
■【し】
■【たまふ】
■【まじき】
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幼い小君に対して、
なんという愚痴を……;;
!∑(゚Д゚)
光源氏、空蝉と勘違いして、
軒端荻と関係を持ったこと……
どこまで話したんやろ……?
(;゚;∀;゚;)