【空蝉23-2】「羅の単襲」「二藍の小袿」という装束
源氏物語イラスト訳のあいです
イラスト解釈では、イラスト訳で伝えられなかった文法事項や背景などを、随時お話ししています。
まだまだ拙いブログですが、少しでもお役に立てる記事にしていきたいと思います。
では今日も、一気に行ってみましょぉ~♪
ヽ(○・▽・○)ノ゙
これまでのあらすじ
天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏。
ただ今、「3.空蝉(うつせみ)」の巻です。光源氏は、紀伊守邸での方違えの際、そこで寝泊まりしていた伊予介の若妻(空蝉)と強引に契りを結んでしまいます。中流階級で凜(りん)とした空蝉に心惹かれた光源氏は、弟の小君を手なずけ、再会を取りつけようとしますが、空蝉は応じません。再び紀伊守邸を訪れ、夜這いをかけようと思っても、空蝉は身を隠してしまいます。光源氏は、小君を通じて、空蝉と逢う機会を執拗に求め続けます。とうとう光源氏は、紀伊守のいない時を見計らい、屋敷に忍び込むことに成功し、空蝉が義娘の軒端荻(のきばのおぎ)と碁を打っている様子を垣間見ます。
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今回の源氏物語
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いま一人は、東向きにて、残るところなく見ゆ。白き羅の単衣襲、二藍の小袿だつもの、ないがしろに着なして、
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☆ 「白き羅の単襲」 とは ☆
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「単襲(ひとへがさね)」というのは、
こちらの記事 でもご説明したとおりですが
今回「羅(ら)」という衣に関する言葉も出て来たので、
ここでまとめておきますねっ♪
('-^*)/
【名詞】
…薄く織った絹布。薄絹(うすぎぬ)。薄物(うすもの)
*「Weblio古語辞典」より
【名詞】
…「単衣(ひとへぎぬ)」を二枚重ねて一つの衣服としたもの。平安時代、女性が夏に「上着(うはぎ)」の下に着た
*「Weblio古語辞典」より
つまり、白い薄絹の単衣を重ねている着物を着ているということ。
たぶん…専門的な方が見たら、
絵が間違ってると思いますが…
(;゚;∀;゚;)
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☆ 「二藍の小袿だつもの」 とは ☆
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「二藍(ふたあい)」とは、
現在の「藍色」「藍染め」などからも想像できるように、
赤みがかかった紫色を表します。
【名詞】
①赤みがかった灰青色
②襲(かさね)の色目の一つ。表は赤みのかかった濃い縹(はなだ。裏は縹色
*「学研全訳古語辞典(Weblio辞書)」より
「縹(はなだ)色」とは、
こんな感じの色だと思うのですが、
②の意にしろ、「赤みがかかった」という記述があるので、
「二藍(ふたあい)」のような色と考えていいのかなと思います。
(;´▽`A``
【名詞】
宮廷貴婦人の略式の礼服。唐衣(からぎぬ)・裳(も)を着用しないときに用い、重ね着した「袿」の上に着る最上衣。下に着る「袿」より裄(ゆき)・丈(たけ)を少し短く仕立て、袖(そで)は広袖。表は浮き織物、裏は平絹。色目・文様などは種々ある
*「学研全訳古語辞典(Weblio辞書)」より
以前、「袿(大袿)」の記事 でもご説明しましたとおり、
【袿(うちき・うちぎ)】
①男子が直衣・狩衣の下に着る衣服
②女子が平常の部屋着として着る衣服
平安時代の女の子にとっては、
袿は、ルームウェア
というわけです!
(;゚;∀;゚;)
「小袿」は、その「袿」の上に着る上着で、
丈(たけ)・裄(ゆき)を短く仕立てたもの
みたいです。
(*^ー^)ノ
軒端荻(のきばのおぎ)は、
そんな小袿を、無造作に羽織ってるんですね!
ヽ(゚◇゚ )ノ
なんか…
イメージ涌かせてみると…
ちょっとエッチな感じ?!
(///∇//)
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