【空蝉20-2】「綾の単襲」とは☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【空蝉20-2】「綾の単襲」とは☆

源氏物語イラスト訳のあいですラブラブ

 

イラスト解釈では、イラスト訳で伝えられなかった文法事項や背景などを、随時お話ししています。

まだまだ拙いブログですが、少しでもお役に立てる記事にしていきたいと思います。

 

では今日も、一気に行ってみましょぉ~♪

ヽ(○・▽・○)ノ゙

 

これまでのあらすじ

 

天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏

ただ今、「3.空蝉(うつせみ)」の巻です。光源氏は、紀伊守邸での方違えの際、そこで寝泊まりしていた伊予介の若妻(空蝉)と強引に契りを結んでしまいます。中流階級で凜(りん)とした空蝉に心惹かれた光源氏は、弟の小君を手なずけ、再会を取りつけようとしますが、空蝉は応じません。再び紀伊守邸を訪れ、夜這いをかけようと思っても、空蝉は身を隠してしまいます。光源氏は、小君を通じて、空蝉と逢う機会を執拗に求め続けます。とうとう光源氏は、紀伊守のいない時を見計らい、屋敷に忍び込むことに成功したのでした。


 

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今回の源氏物語

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火近う灯したり。母屋の中柱に側める人やわが心かくると、まづ目とどめたまへば、濃き綾の単襲なめり。


空蝉20のイラスト訳はこちら

 

 

 

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☆ 「綾(あや)」 ☆

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綾(あや)というと…


 

綾瀬はるかちゃんとか…

 

 

綾鷹とか…





今でもなじみのある字ですよね~♪

(´0ノ`*)
 

 

ただし、こんなふうに「綾の単襲」なんて出てきても、

現代に生きる私たちは、なかなかイメージできません;

(´・ω・`)


 

 

あや(文・綾)
【名詞】

①物の表面に現れたさまざまな形や模様。特に、線が斜めに交わった模様
②特に苦心した、文中の言い回し。含みのある表現や微妙なニュアンス
③表面的には見えないが、たどると見えてくる社会や世の中の入り組んだ仕組み。裏表

④(綾)いろいろな模様を織り出した絹織物。あやおり。あやおりもの

 *「goo国語辞書」より

   

 

上の②、③は、

「文(あや)」という漢字のほうでよく用いますね。

 

「言葉の文(あや)」

「人生の文(あや)」

 

などというように…

ヽ(゚◇゚ )ノ


 

今回の文脈では、

 

空蝉衣装のことについての言及ですから、

 

①か④

 

の意味でしょう。

(・∀・)


 


濃き綾の単襲



 

ちなみに…

 古語辞典では

 

あや(文・彩)
【名詞】
①模様
②筋道。道理。理由
③かざり。修辞



あや(綾)
【名詞】…綾織物。絹織物


 *「goo国語辞書」より

   

…ということで、

 

「文(彩)」「綾」は、

明らかに別ニュアンスでとらえています。

ヽ(゚◇゚ )ノ

 


 


あやなし
 

 

 

今回の文脈では…

 

まづ目とどめたまへば、濃き綾の単襲なめり。


 

光源氏が、格子戸のすき間からのぞき見すると、

まず目にとまったのは、

愛しい人の「濃き綾の単襲」だったというわけです。


 

衣装のことですよね!

o(^▽^)o

 

 

あや(綾)

④(綾)いろいろな模様を織り出した絹織物。あやおり。あやおりもの

   




平安文様「有束文」普及を提唱しておられる

綺陽堂 様のサイトによると、

 

 

あや(綾)

織面に経糸・緯糸により綾目が斜めに連なって現れる織物。経糸・緯糸、それぞれ三本以上の組織(三本の場合は「三枚綾」)がつくられるので平織に比べて緻密に厚くでき、風合いが柔らかく光沢に富む。ただ「綾」と言えば無地、「文綾」と言えば有文の綾地を指すこともある。

   

 

…てことは、

空蝉の単襲は、

無地という可能性も!

(;゚;∀;゚;)





 

…たしかに、光源氏が遠目でのぞき見て、

単衣の模様なんて分からないでしょうし、ね。

(;´▽`A``


 

ただ、この当時、

 

「濃き」「薄き」というのは、

紫の濃さ・薄さをさすようですので、

 


濃き綾の単襲

 

右のような、濃い紫の単襲が、

まず目に飛び込んできたのでしょう。

 (☆∀☆)


 

 

綺陽堂様のリンクはこちらです。

いつも勉強させていただいておりますm(_ _)m

   ↓




 

 

 

――――――――――――
☆ 「単襲(ひとえがさね)」 ☆

――――――――――――

 

 

ひとへがさね(単襲)
【名詞】

…「単衣(ひとへぎぬ)」を二枚重ねて一つの衣服としたもの。平安時代、女性が夏に「上着(うはぎ)」の下に着た

 *「goo国語辞書」より

   


 

…ほらね!

 

やっぱり衣装のことです。

('-^*)/



 

単襲(ひとえがさね)」は、

単衣襲」「単重」とも書くようです。


 

 

ひとへぎぬ(単衣)
【名詞】

…平安時代、男女ともに装束の下に肌着として着た、裏地のない衣服。地は、多く綾(あや)。四季を通じて着用

 *「goo国語辞書」より

  


単(ひとえ)」とは、

単衣(ひとえぎぬ)」の略だそうです。

 




 

 

ちなみに、「肌着」てことは…


 

今でいうと、タンクトップ?!

(`・д´・ ;) 



実は、この後まだ服装の描写は続きます。


全体を通して、さらに後日検証してみたいと思います。

(*・ ェ ・*)ノ







 

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