【帚木436-2】間投助詞「を」 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木436-2】間投助詞「を」

源氏物語イラスト訳のあいですラブラブ

 

 

 

さあ今日も行ってみましょう♪

 

これまでのあらすじ

 

天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏

ただいま「2.帚木(ははきぎ)」の巻です。頭中将たちとの雨夜の品定め(=女性談義)の翌日、正妻葵の上の住む左大臣邸から、方違えのため紀伊守邸に泊まった光源氏。そこで出逢った伊予介の若妻(空蝉)と強引に契りを結んでしまったけれど、次に逢うべき手立てがありません。そこで光源氏は、空蝉の弟である小君を手なずけ、使い走りをさせることにしました。


 

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今回の源氏物語

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「…さりとも、あこはわが子にてをあれよ。この頼もし人は、行く先短かりなむ」
とのたまへば、

「さもやありけむ、いみじかりけることかな」と思へる、「をかし」と思す。


帚木436のイラスト訳はこちら


 

 

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大学入試古文 問題例

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「…さりとも、あこはわが子にてをあれよ。この頼もし人は、行く先短かりなむ」
とのたまへば、


問題)傍線部を一語一語に注意して口語訳せよ。

   アップ

現代語訳の問題は、

国公立二次試験だけでなく、

私大入試などにも頻出ですね。
ヽ(゚◇゚ )ノ
 

特に、最難関といわれる

京大広大などの国公二次では、

 


けっこう長い文章を

逐語訳しなければなりません。

∑(゚Д゚)



 

逐語訳の際には、

一語一語、助詞や助動詞にも注意して訳すことが肝要。


 

特に、今回出てきた「を」という助詞。

 

あなたは、どういうふうに訳しましたか?

ヽ(○・▽・○)ノ゙

 

 

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間投助詞の☆「を」☆

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「を」が文中で出てきたら、

現在では、ほぼ格助詞ですよね!

(;゚;∀;゚;)

 

EX.あなたは、わたし愛している。


 

でも、古文では、

接続助詞はもちろん、

現代にない古文特有の用法もあるんです!

٩(๑•̀o•́๑)و ☆

 

 

【を】
(感動詞)
…はい。(応答・承諾)
 EX.「」とけざやかに聞こえて…(源氏)

(間投助詞)
①~ね。~よ(強調 文中に用いる)
②~なあ。~よ(詠嘆 文末に用いる)
③~が―なので(原因 「~を―み」の形で用いる)

(接続助詞)
①~のに。~けれども(逆接)
②~ので。~から(順接)
③~と。~ところ(単純接続)

(格助詞)
①~を(対象)
②~を。~から(起点・経由)
③~に。~と(相手)
④~が。~を(心象)
(名詞+を+同意の動詞で、強調を示す)

 EX.寝(い)のみ寝暮らし、…(源氏)

(接頭語)
【小―】…小さい~。少しの~
【雄―】…勇ましい。雄々しい
 EX.を心。をたけび



(名詞)
【峰】…尾根。みね
【丘・岡】…おか
【男】…おす。男。夫

【緒】…ひも。弦。鼻緒。長いもの
【尾】…しっぽ。長く伸びたもの
【麻】…あさ


 「学研全訳古語辞典」より

 

「あこはわが子にてをあれよ。」

   アップ

「あこはわが子にてあれよ」

でも、意味が通じますよね。


 

てゆーか、

「を」がある方が不自然っ!

ヽ(*'0'*)ツ


 

「―にて」という格助詞のあとに、

「―を」が来る使い方は、

格助詞接続助詞ではありえません。



 

また、感動詞接頭語の用法とは異なるし…

 

※感動詞「を」は、単独で用いる。

※接頭語「を」は、名詞につく。

 

名詞の「を」は意味不明に…

(;゚;Д;゚;)

 

※あこはわが子にて〔峰が〕あれよ→?

※あこはわが子にて〔尾が〕あれよ→?

  など。



 

で、最終残るのが、

 

文中に用いる強意間投助詞


 

あこはわが子にてをあれよ。

   ↓   ↓

あこわが子にて/(を)/あれ

お前私の子として/( )/いて

名詞係助詞名詞格助詞/(間投助詞)/動詞間投助詞

 

強意は、逐語訳の場合、

訳さなくても大丈夫ですよ♪

(ノ´▽`)ノ

 


さりとも、あこは


 

解答例

「お前は、私の子でいてくれよ。」

 

 

第2帖「帚木」の巻

 

「帚木」の巻 ~第1章~

 雨夜の品定め 光源氏と頭中将

「帚木」の巻 ~第2章~

 雨夜の品定め 左馬頭の女性論

「帚木」の巻 ~第3章~

 左馬頭の女性体験談

「帚木」の巻 ~第4章~

 頭中将・式部丞の女性体験談

「帚木」の巻 ~第5章~

 光源氏17歳 空蝉との出逢い

「帚木」の巻 ~第6章~

 光源氏17歳 空蝉との逢瀬

「帚木」の巻 ~第7章~

 光源氏17歳 空蝉への恋慕

 

最後までお読みくださりありがとうございます。

少しでもお役に立てれば幸いです☆(o^-')b