【帚木428-1】またの日、小君
【古文】
またの日、小君召したれば、参るとて御返り乞ふ。
「かかる御文見るべき人もなし、と聞こえよ」
とのたまへば、うち笑みて、
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【源氏物語イラスト訳】
またの日、小君召したれば、
参るとて御返り乞ふ。
「かかる御文見るべき人もなし、
訳)「このようなお手紙を見るはずの人はいない、
と聞こえよ」とのたまへば、うち笑みて、
【古文】
またの日、小君召したれば、参るとて御返り乞ふ。
「かかる御文見るべき人もなし、と聞こえよ」
とのたまへば、うち笑みて、
【訳】
翌日、小君をお呼びになったので、参上するということで、お返事を頼み求める。
「このようなお手紙を見るはずの人はいない、と申し上げなさい」
とおっしゃると、にこっと微笑んで、
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■【またの日】
※【また】
※【の】
■【小君(こぎみ)】
■【召す(めす)】
■【たれ】
■【ば】
■【参る(まゐる)】
■【とて】
※【と】
※【て】
■【御(み)―】
■【返り(かへり)】
■【乞ふ(こふ)】
■【かかる】
■【御(おん)―】
■【文(ふみ)】
■【見る】
■【べき】
■【人】
■【も】
■【なし】
■【と】
■【聞こえよ】
■【と】
■【のたまふ】
■【ば】
■【うち笑(ゑ)む】
■【て】
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☆本日の『源氏物語』☆
小君は、光源氏からお召しがあるので、
空蝉の返事を持っていかなくちゃなりません。
出かける時に、小君は姉に返事をくれと言うけれど…
空蝉は、自分の身の上を考えると、
とても返事が書けないのですね;;