【帚木384-2】重要古語の連語バージョン☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木384-2】重要古語の連語バージョン☆

源氏物語イラスト訳のあいですラブラブ

 

これまでのあらすじ

 

天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにめぐまれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏

ただいま「2.帚木(ははきぎ)」の巻です。頭中将たちとの雨夜の品定め(=女性談義)の翌日、久しぶりに正妻葵の上のもとを訪れた光源氏は、その夕方、方違えのために、紀伊守の邸宅に行きます。そこには、紀伊守の継母である空蝉がちょうど泊まっており、光源氏は彼女の寝所に忍び込んで一夜を共にすべく、御座所に連れ込み口説いています。


 

――――――――
今回の源氏物語

――――――――

げにいとほしく、心恥づかしきけはひなれば、
「その際々を、まだ知らぬ、初事ぞや。…」

帚木384のイラスト訳はこちら

 

 

――――――――――――
重要古語の応用バージョン

――――――――――――

 

受験生のみなさん。

古文単語帳を買って、

1つ1つ、何周も覚えていることでしょう。


 

けれど、がんばって覚えても、

模試の偏差値が上がってこない><


 

これはね、

古語の知識が、古文読解に活かされてないからなんです。


 

今回のイラスト解釈では、

重要古語が複合語として変化している応用バージョンを2つご紹介しましょう♪

(*^_^*)ノ

 

 

――――――――――――
イラスト解釈~「心恥づかし」

――――――――――――

 

「恥づかし」という古語を知らない受験生はないと思います。

 

今でも用いる「恥ずかしい」という意味だけでなく、

こちらが恥ずかしくなるほど相手が立派だ

という意味にも用いられる、重要古語です。


 

「心恥づかし」という古語も、

「心―」という接頭語がついて、

気持ちに重点が置かれていますが、

 

「恥づかし」の語義は変わりません!
 

【心恥づかし(こころはづかし)】

(相手が立派で、自分が)気おくれする。気恥ずかしい

(気おくれするほど、相手が)立派である。すぐれている

 

 (*学研全訳古語辞典より)


 

光源氏は、

心をこめて空蝉に伝えた愛の言葉を、


いかが浅くは

…と、あっさり揚げ足をとられてしまい、

「心恥づかしき」感覚に陥っています。


心恥づかしきけはひ

 

「心恥づかしきけはひ」とあるので、

光源氏の気恥ずかしい気持ちよりも

空蝉の立派な様子(けはひ)に重点が置かれているようです。


 

光源氏は、なんとかこの女を口説き落とそうと、

居直ったり無視したりせずに、

 

ちゃんと空蝉の言葉を受け止めて、

さらに心をこめて話しかけていますね。

(;^ω^A


 

――――――――――
イラスト解釈~「際々」

――――――――――

 

「…かやうなるは、とこそはべなれ」

「…こんな身分でも、身分相応の生き方があるんです」


 

空蝉を軽く見たような光源氏の無体な振る舞いは、

「さらに浅くはあらじ」という言葉とは裏腹だ、

と、「際」をキーワードに非難しています。


 

それを受けて、光源氏は、言い訳をします。


 

「その際々を、まだ知らぬ」

   ↑

空蝉の「」を受けているのだから、

際々」は、身分的な意味なのでしょうね。


 

【際々(きはぎは)】

身分や階級の相違。分際(ぶんざい)

節季。節季ごとの決算時

 

 (*学研全訳古語辞典より)


 

身分や階級が違うため、

こんな無体に軽く扱われるのですね!

 

何が「浅くはあらじ」よ(`ε´)!


 

そう言って光源氏をこばむ空蝉に対し、

 


その際々を

 

際々」とうキーワードを用いて、さらに自分の身の潔白をアピールしようとしているのです!

(`・д´・ ;)

 

ーーーーーーーーーーーーーー

お役に立ちましたでしょうか?☆(o^-')b