【帚木347-2】「殿上(てんじょう)」とは☆
源氏物語イラスト訳のあいです
センターまであと71日ですねー。(。>0<。)
1、2年生の皆さんは、楽しんで勉強してますか?
('-^*)/
【源氏物語~これまでのあらすじ】
桐壺帝の御子である光源氏は、輝くように美しく、帝の寵児であったにもかかわらず、亡母の身分の低さにより賜姓「源氏」として臣下に降格されます。頭中将たちとの雨夜の品定めの翌日、久しぶりに正妻葵の上のもとを訪れた光源氏は、その夕方、方違えのために、紀伊守の邸宅に行きます。紀伊守邸には、父である伊予介の後妻空蝉が泊まっていました。
↓今回の源氏物語↓
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主人の子ども、をかしげにてあり。童なる、殿上のほどに御覧じ馴れたるもあり。伊予介の子もあり。あまたある中に、いとけはひあてはかにて、十二、三ばかりなるもあり。
イラスト訳はこちら→
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そういえば、殿上のことを、読みぐらいしか説明してませんでしたねー。
(;゚;∀;゚;)
古文の中でよく出てくる「殿上」は、
古文常識として、覚えておくべき宮中ワードです。
【殿上(てんじやう)】
①清涼殿の殿上の間(ま)
②清涼殿や紫宸殿に昇ることを許される者
③殿上人(てんじょうびと)の略
「清涼殿(せいりょうでん)」も「紫宸殿(ししんでん)」も、
宮中(内裏)の帝のいる場所のことです。
紫宸殿は、宮中御所の正殿で、
帝はここで公務を行います。
清涼殿は、帝がふだん生活する殿舎です。
この、帝の殿舎へ昇ることを許された五位以上の者のことを、
「殿上人(てんじょうびと)」と呼んでいます。
今回の源氏物語は、
「童なる、殿上のほどに御覧じ馴れたるもあり。」
「御覧ず」が、「見る」の尊敬語なので、
光源氏の目線ですよね。
光源氏が、「『童なる』者を、殿上のほどに」見慣れなさっているということ。
この解釈は、
・童なる者が殿上の際に、光源氏が見たということ。
・光源氏が殿上の際に、童なる者を見たということ。
両方の解釈が成り立つのですが、
どっちにしろ、光源氏はもちろん、
「童なる者」も、殿上していることが前提。
!( ゚Д゚)
とすれば、この童なる者は、「殿上童」だということです。
【殿上童(てんじゃうわらは)】…公卿の子で、元服以前に作法見習いのため 殿上の間に昇ることを許されて出仕した少年。
「わらわてんじょう」ともいう。
宮中にお仕えする人々はたくさんいるのですが、
貴人の身のまわりのことや、雑用など言いつけるのに、
女房ではなく、男の子のほうがいい場合もあります。
雑用係とはいえ、皇族のいちばん身近にいる者なので、
賤民というわけにはいきませんよね。
そこで、殿上童(童殿上)が必要になってきます。
彼らは結髪をしておらず、童形(どうぎょう)のままで出仕していたようです。
光源氏の見たこの少年も、
おそらく童形だったのでしょうね。
殿上童のことを、
「小舎人(こどねり)」「小舎人童」ともいいます。
【小舎人(こどねり)】
①蔵人(くろうど)所の下級職員
②平安以降の公卿の子息で童形のまま昇殿した者
③貴人の身辺で雑用係を務めた少年
④室町以降の侍所の下級職員
ついでに覚えておきましょうね♪
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お役に立ちましたでしょうか?☆(o^-')b