【帚木203-2】古典文法「ね」の識別☆
ごめんなさい;またまた更新遅くなってます><。
【イラスト解釈】では、本日の源氏物語に因んで、
解釈問題のヒケツや古文常識などを随時更新しています。
↓今日の源氏物語はコレ↓
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「…さがなく許しなかりしも、我を疎みねと思ふ方の心やありけむと、さしも見たまへざりしことなれど、心やましきままに思ひはべりしに、…」
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【源氏物語~これまでのあらすじ】
桐壺帝の御子である光源氏は、臣下に降格してからも継母である藤壺宮を忘れられないでいました。五月雨が続くある夜、宮中の宿直所で、光源氏は義兄で親友の頭中将と、女性論の話になり、そこに友人の左馬頭、藤式部丞が加わって、さらに話は盛り上がります(雨夜の品定め)。左馬頭が具体的な女性体験談を語り出します。ケンカ中の嫉妬深い女のもとに久しぶりに逢いに行ったところ、左馬頭を迎える準備はしてあったものの、女の姿はありません。
今日は、「我を憎みね」の解釈☆
ではいってみよ~~っと♪
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「さがなく許しなかりしも、(1)我を疎みねと思ふ方の心やありけむと」
問)傍線部(1)「我を憎みね」を現代語訳せよ。
基本的な問題ですが、関関同立、産近甲龍などでもよく出題される文法問題です。
ヽ(゚◇゚ )ノ
ポイントは、「ね」☆
【「ね」の識別】
●打消の助動詞「ず」の已然形
●完了の助動詞「ぬ」の命令形
●ナ変動詞「死ぬ」「往ぬ」命令形の活用語尾
「我を憎みね」の場合、
その後の「と(引用の格助詞)」がミソ☆
(o^-')b
引用の「と」があるということは、
「我を憎みね。」で文が切れているということです。
文が切れている、つまり「ね」が文末の場合、
●「ね」は終止形
●係り結びの法則→「ね」は已然形
●「ね」は命令形
上の【「ね」の識別】によると、
「ね」が終止形ということはありえませんので、
●係り結びの法則→「ね」は已然形
●「ね」は命令形
↑
実質、この2つの識別となります。
(`∀´)
つまり、
係り結びの法則か、そうでないか?
言い換えれば、
直前の文中に係助詞「こそ」があるか?
たったこれだけで、「ね」の見分けがつくんですよ♪
(o^-')b
今回は、「我を憎みね。」ですので、
係り結びの法則ではありません。
※係り結びなら、「我こそ憎みね」ですよね^^
したがって、
●「ね」は命令形
我 / を / 憎み / ね。
訳)私 / を / 憎ん / でしまえ!
完了の助動詞「ぬ」の命令形なので、
「~してしまえ」などという訳出になります☆
こういう訳出にも慣れていってくださいね♪
(o^-')b
あいでした